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男子U22日本代表:スプリングキャンプ全日程終了「(FIBA ワールドカップ アジア地区予選でも)自分ができた部分があったのではないか」西田優大選手

2019年3月16日

「世界では21歳はけっして若くはない」とマインドセットし、日本代表を目標に掲げた前田 怜緒選手

男子日本代表候補として最高峰を見てきたからこそ課題点を多く挙げた西田優大選手

 これまで12名がカットされる競争とともに、3週間にわたって男子U22日本代表候補選手の強化を図ってきた「スプリングキャンプ2019」。3月11日(月)〜15日(金)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第3回キャンプを終えました。比嘉 靖ヘッドコーチ (大阪体育大学)は、「第1回キャンプでサイズアップしながらトランジションバスケットを目指すと選手たちに伝えました。第3回キャンプまでの過程の中で成長が見られ、最終日はフルコートを使ったオフェンスでも、ディフェンスでもしっかり表現してくれました」と評価しています。

 具体的には、「190cm前後の運動能力ある選手が引っ張る形でトランジションバスケットを展開できるようになっています。名前を挙げれば、飴谷(由毅 / 大東文化大学2年)や前田(怜緒 / 白鷗大学3年)、笹倉(怜寿 / 東海大学3年)、少し小さいけど中村浩陸(大東文化大学3年)。彼らが先陣を切って行き、そこに増田(啓介 / 筑波大学3年)や西田(優大 / 東海大学2年)、赤穂(雷太 / 青山学院大学2年)、星野(曹樹 / 白鷗大学3年)、その後から平岩(玄 / 東海大学3年)やナナー(ダニエル 弾 / 青山学院大学3年)らがしっかり付いていくスタイルは、イメージしていたとおりになってきました」と一気通貫で世界と戦うスタイルを目指し、着実に前進させています。

 高校生から大学3年生が対象ですが、リーダーシップは誰もが持っていなければなりません。比嘉ヘッドコーチは、「世界を見ればこの年代が自分のチームを引っ張っています」というようにすでにプロで活躍しはじめている世代です。「だからこそ、このキャンプでは技術だけではなく、心の部分も大きくしていかなければならない。段々とメンバーが絞られ、大会が近くなれば誰でもインテンシティーを上げていくことはできます。そこに行くまでの日々の練習から常にそこを意識すれば、もっともっと日本は強くなる。特にこの大学生たちが日本代表の輪の中に入りたい、という雰囲気で練習していかなければなりません」と反省点を挙げました。最終日には平岩選手が選手を集めて声をかける場面があり、そこはひとつ成長した点です。

 今年のユニバーシアードへの出場が叶わず(※女子は参加)、モチベーションの設定が難しかった今年のスプリングキャンプ。FIBA U19 ワールドカップに出場し、世界10位となったメンバーの一人であり、先月末に「FIBA ワールドカップ 2019」への出場を決めた男子日本代表の候補選手として最終合宿まで参加していた西田優大選手 (東海大学2年)。「日本代表候補だからこそやらなければいけないというプレッシャーに対し、正直負けそうになりながら、このキャンプ中はあまりパフォーマンスが上がらなかったです。もう一回自分に何が必要かを見直して、今後につなげていきたいです」と反省が多いキャンプでした。

 男子日本代表のFIBA ワールドカップ アジア地区予選をテレビ観戦し、 「フォーメーションなどいろいろと分かっていたので、自分でもあの舞台でできた部分があったのではないかなと思う部分がありました。実際はそこに選ばれなかったことが悔しいですし、その気持ちをこのキャンプでぶつけていければ良かったですが、なかなか同じレベルに持っていけなかったことが一番悔しいところです」と手応えを感じたからこそ、悔しい心境を吐露していました。しかし第3回キャンプでは、遅ればせながら本領を発揮し、自信を取り戻すきっかけはつかんでいるはずです。

 「全然考えたことはなく、自分のレベルがそこに達していないと思っていました」という前田 怜緒選手 (白鷗大学3年)は、これまで日本代表を夢に描くことはありませんでした。しかしこのキャンプに参加し、世界との戦いを意識させられる日々を送ったことで、「世界では21歳はけっして若くはありません。その意識の低さがこのキャンプで出てしまったのは反省点ですが、今回経験したことで日本代表を目指す意識もすごく沸いてきました」としっかり目標に変えています。

 キャンプ当初は緊張や遠慮もあった前田選手でしたが、「2週目からは残ったからには自分をアピールして、持ち味を出せるようにという心構えで臨んでました」。所属チームとは違う役割やシステムを理解しはじめたことで好転していきます。「僕らの代は大きいわけではなく、フィジカルが強いわけでもないです。小さいからこそディナイやボールを持たせる前のディフェンスが大事です。ピックに対するディフェンスでは、コーチからも詰めることを言われていたのでそこを意識していました」とオフェンスよりも、ディフェンスを第一に考え、世界基準のスタイルを一つずつ学んでいます。

 今後はこのキャンプを通じて15名に選考し、「第42回李相佰盃日韓学生バスケットボール競技大会」(5月17日〜19日/愛知県名古屋市)へ向けたチーム作りを行っていきます。