ニュース

平成25年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第1回キャンプ開催報告

2013年11月22日

 10月26日(土)から28日(月)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、平成25年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第1回キャンプが開催されました。

 キャンプを開始するにあたり、佐々木 三男プロジェクト委員長は「2020年オリンピックが東京で開催されます。オリンピックにバスケットボール男子日本代表チームが出場するには、アジアで高い競技成績が求められます。またオリンピック開催が決定される前から、ジュニア世代の育成が重要であることは認識し、昨年からJOCが推奨するジュニアエリートアカデミープロジェクトを実施しており、昨年の事業ではU-16日本代表チームに2名の選手を輩出しました。これから6回のキャンプで心身ともに大きく成長し、この中から将来の日本代表選手が出ることを期待しています」と挨拶がありました。

 「アジアや世界で戦える基盤となる技術と、日本代表として戦える心構えと精神面の強さを習得して欲しい」(佐々木プロジェクト委員長)というテーマのもと始動し、若きビッグマン達の育成を目的とした本プロジェクトも2年目。今年はビッグマンに加え、シューターの育成にも取り組み、上は中学3年生から下は小学6年生まで、トライアウトを勝ち抜いた選手達が集まり、競い合いました。

 6度に渡って行われるキャンプの初回となった今回は、昨年に引き続きトーステン・ロイブル氏(JBAスポーツディレクター)が指導を担当。8月に行われたトライアウトに勝ち残った選手達の練習姿を見て、「昨年と比べると意欲が全く違います。昨年は書類選考だけで選手を選びましたが、今年はフィルターにかけた選手なので」(ロイブルコーチ)と賛辞を送りました。

 練習では、初回のキャンプということもあり、ボールハンドリングやディフェンスの足の運び方など、基礎的なスキルに焦点が当てられました。選手達はロイブルコーチから与えられる課題を懸命にこなし、自分のものにしようと練習に励みました。技術練習の最終日には、合宿の風物詩となっている1on1大会も実施。選手達も楽しげに、そして勝利を目指して全力で戦いました。その1on1大会の決勝は、スピードが持ち味の冨永 涼介選手(静岡県・磐田市立豊田南中学校 3年/188cm)と強靭な肉体を活かしたドライブを得意とする森山 翔太選手(大分県・日田市立三隈中学校 3年/185cm)が激突。柔と業がぶつかりあった、互いに息を切らしながらの壮絶な激戦の結果、森山選手が見事優勝を掴み取りました。
 シューター育成については、日高 哲朗氏(千葉大学)が中心となって指導を行い、並行して国立スポーツ科学センター(JISS)のスタッフの方々の献身的なご協力で動作分析の結果をもとにアドバイスがあり、シュートのバイオメカニクス的な理解が進められました。

 加えて今回の合宿では、技術的な面だけではなく精神的な要素も重点的に取り上げることになりました。「精神的に強くないとサイズがないチームは勝てない」というロイブルコーチの考えを、練習のみならずコート外の日常生活にまでも落とし込み、バスケットボールプレイヤーとして持たなければならないリーダーシップや集中力、自主性などをチームビルディング・ライフスキルで養いました。
 また「21人から15人に絞り込むという一面も持った練習でした」とロイブルコーチが語ったとおり、次回へ向けての選手選考を兼ねたトレーニングとなりました。技術練習はもちろんのこと、アスレティックトレーニングの結果や私生活管理といった様々な面からスタッフ一同が選手の能力や将来性を評価。選手達も、スタッフ陣の期待が込められた視線に呼応し、自身の実力を100%披露すべく、ひとつひとつのメニューに全力で挑みました。

 第1回目のキャンプを終えて、昨年度に引き続きの参加となった竹藤 裕選手(神奈川県・川崎市立南生田中学校 3年/200cm)は、「体幹が去年よりもよくなったと思っています。スクワットも、前回はキツくてバテていたのが今回は30回出来るようになっていて、成長したんだなと思っています」。1年間の成長を噛み締めると共に、「最後の15人まで残って、第6回のキャンプが終わるまでずっといたい」と決意表明をしてくれました。
 参加者の中でも最年少となった谷戸 祐太選手(東京都・江東区立枝川小学校 6年/177cm)は、「自分よりも大きい人とプレイする機会はなかなかなくて、ミニバスでは通用するゴール下が通用しないので大変でした」と合宿を振り返る一方で、「日本代表になって、2020年の東京オリンピックに出場出来るような選手になりたい」と力強いコメントもありました。

 谷戸選手だけではなく、集まった全ての選手・スタッフが7年後のオリンピックを見据えていた第1回のキャンプ。掲げるのは、「健やかな心身の成長と体力、更にはバスケットボールスキルの向上のために自己実現の機会と競争場面を増やしたい」(佐々木プロジェクト委員長)、「世界と比べると非常に小さいので、正しい技術を教えてあげて能力を引き上げてあげなければ」(ロイブルコーチ)という2つの大きな目標です。これを達成するために、残り5回のキャンプも選手、スタッフ達は懸命に練習に取り組んでいくこととなります。
 第2回となる次回は、11月23日(土)~25日(月)に開催されます。

■平成25年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第1回キャンプ 指導スタッフ紹介 ※敬称略

【バスケットボールスキル担当】
トーステン・ロイブル(JBAスポーツディレクター)、日高 哲朗(千葉大学)、本永 昌生(通訳)

【チームビルディング・ライフスキル】
神田 義輝

【心理カウンセリング担当】
土屋 裕睦(大阪体育大学)、奥野 真由(国立スポーツ科学センター)

【学習支援】
株式会社ベネッセコーポレーション

【フィジカル担当】
小山 孟志(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【トレーナー担当】
西村 航(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【栄養指導担当】
小林 唯(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【国立スポーツ科学センター(JISS)スタッフ】
袴田 智子、稲葉 優希

【ジュニアエリートアカデミープロジェクトスタッフ】
佐々木 三男(慶應義塾大学)、横嶋 暢貴(北海道立札幌工業高校)
古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)、末広 朋也(公益財団法人日本バスケットボール協会)
七川 竜寛(パナソニック株式会社)

【アシスタントコーチ】
浦野 瑞久(茨城県立下館第二高校)、鈴木 誠士(東京都立蒲田高校)
田中 博昭(鳥取県立博物館)、東 泰正(福井市明道中学校)
伊豆倉 明子(さいたま市立大原中学校)、吉田 浩史(東京都立武蔵高校附属中学校外部指導員)
吉元 研吾(町田市立鶴川第二中学校)