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男子U16日本代表:エントリーキャンプ 活動報告 チャレンジすることが大事な世代

2021年4月30日

十川虎之介選手は共に過ごしたことでチームプレーに良い影響があったことを実感

得意のドライブからシュートを決める武藤俊太郎選手

 本年開催予定の「FIBA U16 バスケットボール アジア選手権大会2021」(日程・開催地未定)へ向け、男子U16日本代表チームの代表候補選手選考を目的としたエントリーキャンプが感染予防対策を行った上で4月26日(月)~29日(木)に実施。「U16やU18はこの環境に慣れていないことで、自分を隠そうとしてしまう。ここは思いっきり挑戦できる場である」ことを佐古賢一ヘッドコーチは選手たちに伝え、キャンプがスタートしました。

 Bリーグが進めるU15ユースチームなどにより、将来を見据えてプレーの幅を広げる選手は増えています。その一方で、特に大きい選手はインサイドにだけ専念し、「バスケットに対する世界観が狭い選手も中にはいます」と佐古ヘッドコーチは言います。アンダーカテゴリーは「チャレンジすることが大事であり、我々がこじ開けて、殻を破ってあげなければいけません」というのが最大のテーマです。特に、最初の日本代表を目指すU16をきっかけに大きく成長できる世代でもあります。トライアウトとなるエントリーキャンプでは自らの得意なポジションでアピールさせるとともに、「異なるもう一つのポジションも覚えてみよう」というチャレンジを与えました。成功も失敗もたくさんの体験をさせながら、選手たちの可能性を広げています。

 年始に行われた「Jr.ウインターカップ2020-21」において、RIZINGS徳島のエースとして活躍した十川虎之介選手(東山高等学校1年)。高校生となり、「考えなければいけないことが多く、今はまだ何をすれば良いかパニックになることも多いです」と新たな壁にぶつかっていました。このキャンプでは「練習以外の時間もセットプレーを何回も繰り返して、頭に入れていました」と準備し、ガードとしてチームメイトを生かしつつ持ち味である得点力を発揮することを心がけます。

 早生まれの2年生やJr.ウインターカップで対戦した選手たちと練習や生活を共にし、「いっぱい話すことができたことでチームプレーも良くなっていきました」と十川選手は言い、それが練習時の雰囲気の良さにもつながっていました。「(石口)直さん(東海大学付属諏訪高等学校2年)は、試合中のコーチングがとても的確でした。それを知れたことが自分にとってもプラスになり、試合の時はチームメイトへ同じようにアドバイスができるようにしたいです」と刺激を受けています。男子U16日本代表争いとともに、これからはじまる高校バスケでの活躍も楽しみです。

 早生まれの武藤俊太郎選手(開志国際高等学校2年)は、ディフェンス時やゲーム中に劣勢となった時に声をかけ、チームを鼓舞していました。佐古ヘッドコーチも率先してリーダーシップを執る2年生たちに対し、「やさしさがある選手たち」と評価します。188cmの武藤選手は所属チームではパワーフォワードですが、「ドライブや3ポイントシュートは積極的に打っています。この合宿中も得意なドライブからフィニッシュまで行けたのは良かったです」とアピールしました。その一方で、「ディフェンスの対応によってジャンプシュートやパスに切り替えることがまだうまくできませんでした」という課題が発見できたことも大きな成果です。

 男子U19日本代表候補にも選出された198cmの川島悠翔選手(福岡大学附属大濠高等学校1年)をはじめ、招集した38名中190cmを超える選手が12名おり、まだ身長が伸びています。「普段の環境では同じような身長の選手は多くいるわけではありません。マッチアップマン以外も大きな選手がいるこの環境を通じて、彼らなりに楽しさを見出していました」と佐古ヘッドコーチは話し、選手たちに刺激を与えながらチャレンジする場として今後も強化を進めていきます。