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男子U19日本代表:FIBA U19 ワールドカップは明日7/3開幕!可能性に懸けた二人のユウト

2021年7月2日

ケガから復帰し、チームを引っ張る岩下 准平選手

飛び級でメンバー入りを勝ち取った16歳の川島悠翔選手

 いよいよ明日7月3日(土)より、ラトビアにて「FIBA U19バスケットボール ワールドカップ2021(以下U19ワールドカップ)」が開幕します。世界に挑む男子U19日本代表チームの戦いをはじめ、FIBA公式YouTubeにてライブ配信される予定です。

 出場メンバー12名(※下記参照)が選考され、元田大陽選手(東海大学2年)がキャプテンを務めます。U19ワールドカップへ向け、「来年のNBAドラフトに名前が挙がるような選手や、すでにヨーロッパでプロとしてプレーしている選手と一緒に戦えるのは楽しみです」と胸を躍らせていました。世界の強豪相手に、「ディフェンスでどれだけハードワークできるか、あとはドライブアタックや3ポイントシュートで結果を残せるようにしたいです」と意気込みを語るとともに、年齢幅あるチームをまとめるためにも率先してコミュニケーションを取っています。

 元田キャプテンが自ら副キャプテンに任命したのは、金近 廉選手(東海大学1年)です。初戦のセネガル戦へ向けて対策を練る中、「レベルの違いも感じています。でも、世界のライバルたちと戦うイメージをしっかりと持って、その相手にも通用するようなプレーを考えながら取り組んでいきたいです」と短期間でも意識を高く持って準備してきました。明日7月3日(土)18:00(日本時間)よりセネガルと対戦する初戦が楽しみです。

 19歳を迎える大学生が主軸となる中で、5人の高校生が選ばれました。岩下准平選手(福岡大学附属大濠高校3年)は、男子U16日本代表候補としてチェコ遠征にも参加し、クリスタル・ボヘミアカップではベスト5に選出された経験の持ち主です。しかし、約1年前に前十字靭帯断裂し、今春からスタートした合宿でも別メニューが続いていました。本格復帰してまだ1ヶ月余りですが、最終メンバーに選ばれたことを喜ぶとともに、「ベストパフォーマンスをしっかりとできるようにがんばります」と抱負を語ります。

 大学生の先輩たちや、福岡大学附属大濠高校の後輩である川島悠翔選手(1年)ら仲間たちを生かすためにも、「指示を出したり、どんなプレーをして欲しいか要求したり、世界で勝つためにもそれが必要になります。そのためにもしゃべらなければいけないので、そこはしっかりと求めていきたいです」とチームを引っ張るポイントガード。予選全勝を目標に掲げており、アメリカなどさらなる強敵と対戦できる機会を自ら手繰り寄せ、「海外に向けてアピールできる機会でもあるので、チームの中での役割を徹底することはもちろんですが、行ける時は積極的にプレーしていきたいです」と岩下選手は視野を広げます。菅野ブルース選手や山﨑一渉選手(仙台大学附属明成高等学校3年)も海外でのプレーを目標としており、世代別世界大会はスカウトが目を光らせています。大先輩である八村塁選手(ワシントン・ウィザーズ)に続くためにも、今大会での活躍が期待されます。

 アンダーカテゴリーを統括する佐古賢一ヘッドコーチは、一気通貫の強化を実現させるためにも飛び級の重要性を常々考えていました。その中で、頭角を現したのが川島選手です。「彼の能力は高校3年や大学生と比べても、劣らないものを持っています。足りないのは経験値だけです」と佐古ヘッドコーチはその実力を評価するとともに、可能性に懸けました。男子U16日本代表合宿では伸び伸びできていた川島選手ですが、経験ある先輩たちに囲まれたこのチームでは思うようにいかないことも多々あります。それでも、「とにかく今できるパフォーマンスを出すことにしっかりフォーカスして、チャレンジしてみなさい」と佐古ヘッドコーチは発破をかけ、背中を押します。川島選手自身も「年下だからと言って萎縮せず、どんどんチャレンジできたことが評価されたのかなと思います」と日増しに本来の姿を取り戻していきました。

 もう一人、可能性に懸けたのは山ノ内勇登選手(リベットアカデミー)です。2年前、男子U16日本代表候補に選出され、何度か合宿への参加経験もあります。コロナ禍によりなかなか来日できませんでしたが、「その後の彼のプレーや試合は見ており、将来の可能性があるという判断で選考しました」と佐古ヘッドコーチは決断します。すでにラトビアで合流し、細かった2年前とは見違えるような体格に驚かされます。佐古ヘッドコーチは、「とにかく可能性がある選手を選出できました」と自信を持って、世界に挑みます。

 岩下選手は「予選全勝」、山﨑選手は「優勝」を自らの言葉で発し、高い目標を掲げました。その一方で、佐古ヘッドコーチは「まずは1勝」と目の前の戦いに備えます。今大会で1勝するということは、「国内での何十試合に匹敵するほどの経験を得られます。まずは1勝をもぎとり、彼らがどう変化するのかを見てみたいです」と足元を見つめ、選手たちのモチベーションを高めて開幕戦から1勝目を目指します。

■ FIBA U19バスケットボール ワールドカップ2021 日本戦スケジュール

[予選ラウンド グループA]
7月3日(土) 18:00 日本 vs セネガル
7月4日(日) 18:00 日本 vs カナダ
7月6日(火) 21:00 日本 vs リトアニア
※グループAの順位により、グループBとたすき掛け(1位 vs 4位、2位 vs 3位)で対戦
 → 勝者は準々決勝進出、敗者は9-16位決定戦へ

■2021年度バスケットボール男子U19日本代表チーム FIBA U19 BASKETBALL WORLD CUP 2021 エントリーメンバー発表

【スタッフ】
チームリーダー 七川 竜寛(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ 佐古 賢一 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ 前田 浩行 (千葉ジェッツ)
パフォーマンスコーチ 佐藤 晃一 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
テクニカルスタッフ 中川 拳 (アリゾナ大学)
ドクター  岡野 淳 (ラリボワジエール病院)
マネージャー 古海 五月 (公益財団法人日本バスケットボール協会)

【選手】※12名
元田 大陽 (SG / 190cm / 東海大学)
米山 ジャバ 偉生 (PF / 191cm/ 専修大学)
木林 優 (PF / 203cm / 筑波大学)
小川 敦也 (PG / 191cm / 筑波大学)
ハーパー ローレンス Jr (PG / 183cm / 東海大学)
浅井 英矢 (C / 200cm / 筑波大学)
金近 廉 (SF / 198cm / 東海大学)
岩下 准平 (PG / 183cm / 福岡大学附属大濠高校)
菅野 ブルース (SF / 198cm / 仙台大学附属明成高等学校)
山ノ内 勇登 (PF / 204cm / リベットアカデミー)
山﨑 一渉 (SF / 200cm / 仙台大学附属明成高等学校)
川島 悠翔 (PF / 201cm / 福岡大学附属大濠高校)

※氏名表記は「姓 → 名」の順
※所属は2021年7月2日現在
※ポジション (P):PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター

【FIBA U19バスケットボール ワールドカップ2021 大会概要】
大会名 (英語表記): FIBA U19 Basketball World Cup 2021
日程:2021年 7 月 3 日 (土)~11日 (日)
開催地:ラトビア
出場国:全16か国
 [グループ A] セネガル、カナダ、リトアニア、日本
 [グループ B] プエルトリコ、イラン、セルビア、ラトビア
 [グループ C] アルゼンチン、フランス、韓国、スペイン
 [グループ D] トルコ、マリ、オーストラリア、アメリカ