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FIBA 女子アジアカップ2021[準決勝]日本67-65オーストラリア/接戦を制し、5連覇に王手。決勝は中国と対戦

2021年10月3日

気持ちの強さで大きなオーストラリアに勝利

山本麻衣選手は自分の役割を思い出したことで12点と活躍

 「FIBA女子アジアカップ2021」は準決勝が行われ、AKATSUKI FIVE 女子日本代表はオーストラリアに67-65で勝利し、5連覇に王手を懸けました。決勝は明日10月3日(日)21:00予定に東京2020オリンピックとほぼ同じメンバーの中国と対戦します。

 高さで勝るオーストラリアはピンポイントでゴール下にパスを入れ、その武器を生かして攻めてきます。日本はスピードで勝負し、積極的にペイントエリア内を仕掛けながら外で待つシューター陣へパスをつなぎ、第1クォーターから4本の3ポイントシュートを成功。ベンチメンバーの活躍もあり、20-12とリードして流れをつかみます。しかし、続く第2クォーター、ペイントエリア内への進撃を阻まれたことで日本の得点が止まります。その点について、恩塚亨ヘッドコーチは、「相手のスイッチディフェンスに対して、ポイントガードの1on1を狙っていました。しかし、少し単調になってしまい、ガードにだけ負担をかけてしまいました」と話し、オーストラリアに次々とシュートを決められて逆転され、31-36と5点ビハインドで前半を終えます。

 「前半の途中からディフェンスのエネルギーが落ちていたので、私たちの強みはディフェンスから流れを作ることだ」と恩塚ヘッドコーチはハーフタイムに再確認して後半へ向かいます。馬瓜ステファニー選手(トヨタ自動車アンテロープス)の得点で日本が先制し、指示通りにディフェンスを成功させて反撃開始。林咲希選手(ENEOSサンフラワーズ)の3ポイントシュートが決まり、38-36と早々に逆転します。さらに、山本麻衣選手(トヨタ自動車アンテロープス)の活躍でリードを広げます。しかし、オーストラリアにインサイドを攻め込まれると再びリードを許し、53-55と1ゴール差を追いかけ、最終クォーターでの逆転を目指します。

 日本はディフェンスを成功させてチャンスを作りましたが、なかなかシュートが決まりません。56-60からお互いに得点が動かないまま3分間が過ぎ、先にシュートを決めたのはオーストラリアでした。56-62と6点差に広げられます。しかし、日本はディフェンスから速い展開を仕掛け、林選手の得点で1点差とし、続けて馬瓜選手がファウルでもらったフリースローをしっかり2本決め、63-62と逆転に成功。残り時間は3分39秒。強気のディフェンスでボールを奪い、また24秒バイオレーションで守り抜き、リードをキープ。しかし残り2分、オーストラリアに3ポイントシュートを決められ、65-65と追いつかれます。すぐさま赤穂選手の得点で2点リードした日本は、リバウンドを粘ってリードを守ります。最後は、逆転を狙うオーストラリアの3ポイントシュートを赤穂選手がブロックで阻止。67-65で接戦を制し、決勝進出を決めました。

 この勝因について、恩塚ヘッドコーチは「気持ちの強さ」と答えます。「その強さがどこからくるかと言えば、コートにいる5人のビジョンや目標、どう戦うかがクリアにできていました。あとはベンチにいる7人からの声がけが終始素晴らしかったです。チーム一丸となり、ひとつの塊として12人で戦ったエネルギーが、コート上の5人の高いインテンシティのディフェンスにつながったのだと思います」と続け、試合を行う毎にチーム力が高まっています。「まだまだ成長している途中ですが、最初の頃に比べれば、一人ひとりの意識が変わってきました。勝ちたい気持ちやもっとこのチームで一緒に戦いたいという思いが強くなっています」とキャプテンの林選手もチームの変化を感じています。

 Wリーグ オータムカップではオフェンスでチームを引っ張った山本選手でしたが、「予選ラウンドまでは迷いながらプレーしている部分がありました」と自信を失いかけていました。準決勝までの2日間で、もう一度気持ちを整理し、自分の役割である「ディフェンスではプレッシャーをかけ、相手のポイントゲッターを潰すこと。オフェンスでは調書であるシュート力を生かして、思い切ってプレーしよう」と吹っ切れたことで12点と活躍し、勝利に貢献。ようやく調子を上げ、「ここから、というのが正直な気持ちです」と強気な山本選手が戻り、決勝戦が楽しみです。

 決勝で対戦する中国は、12人中10人が東京2020オリンピックメンバーであり、一番成熟度が高いチームです。林選手は「すごく粘り強いディフェンスをしてきますし、ルーズボールもがんばるチームです。何よりセンターが大きいので、相手以上に足を使っていかなければいけません」と中国の印象を挙げます。恩塚ヘッドコーチは、「選手たちの心のエネルギーを満タンにして、チーム一丸となって戦っていくだけです」と言い、これまでどおり40分間フルコートで走って勝機を見出していきます。5連覇まであと1勝、笑顔で終わるためにも負けられません。

■準決勝 結果
中国 93-69 韓国
日本 67-65 オーストラリア

■決勝スケジュール
10月3日(日)21:00予定 日本 vs 中国

■試合中継
BS-TBS(ゲスト解説は髙田真希選手)
https://bs.tbs.co.jp/womensbasketballac2021/

CSフジテレビNEXT
https://otn.fujitv.co.jp/b_hp/921200174.html

DAZN
https://www.dazn.com/