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FIBAアジアカップ[準々決勝]日本85-99オーストラリア「選手たちのプライドを感じ、最後まで100%の力を出し切って本当にがんばってくれた」トム・ホーバスヘッドコーチ

2022年7月21日

最後まで100%気持ちを出して戦い抜いた男子日本代表

チームを勢いづけた富永啓生選手と河村勇輝選手の21歳コンビ

 「FIBAアジアカップ2022(以下アジアカップ)」で予選グループC 2位の日本は1回戦でフィリピン(同D3位)を破り、迎えた準々決勝オーストラリア戦(同A1位)。最大21点差をつけられながらも最後まであきらめずに戦い、残り4分には富永啓生選手(ネブラスカ大学)の3ポイントシュートで9点差に迫ります。しかしオーストラリアに逃げ切られ、85-99で敗退。今大会における日本の戦いはここで終了となりました。

 7月1日にFIBAワールドカップ アジア予選 Window3で対戦し、52-98で大敗を喫したオーストラリアとの再戦。その試合はロスター外となり、ベンチ外から見ていた河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)は、「悔しい敗戦に終わったので、今回はリベンジしてやろうという思いが強かったです。渡邊雄太選手がケガで出られず、チームとしても苦しい状況でしたが、選手一人ひとりがステップアップしよう、そしてリベンジしようとこの試合に臨みました」

 開始5分で10点差をつけられた日本は試合のリズムを変えるべく、ベンチメンバーをどんどん投入します。劣勢に立たされる中、富永選手と河村選手の21歳コンビが勢いづけます。富永選手は8本の3ポイントシュートを成功させ、33点を記録。次々と決まるシュートで会場を盛り上げます。河村選手はチームハイとなる6アシストをマークし、第1クォーター終了間際には3ポイントシュートを決め、ゲームチェンジャーとしての役割を果たしました。

 「今日はシュートタッチが良かった部分もあり、ディープスリーを決められたことで点数が伸びました。また、中と外を両立できたことで、相手も守りづらかったと思います」と富永選手は言い、的を絞らせないオフェンスで活躍。3週間前に46点差で敗れたオーストラリアに対し、今回は14点差まで縮めましたが、勝つことはできませんでした。河村選手は「結果はすごく悔しい結果に終わりましたが、自分たちのあるべき姿を体現できた試合でもあったと思います」と言うように、若い選手が多いこのチームにとっては成長と自信につながる敗戦でした。

 34-49、15点差を追いかける後半に向け、「オフェンスとディフェンスの考え方よりも100%気持ちを出して戦おう。チームの力を信じて、自分の力を信じて戦おう」とホーバスヘッドコーチは感情を露わに選手たちを鼓舞します。オフェンスでは積極的にゴールへ向かい、守っては全員が身体を張って大きなオーストラリアとの点差を少しずつ詰めていきます。

 「負けるのは大嫌い」というトム・ホーバスヘッドコーチですが、この試合の結果に対しては、「選手たちのプライドを感じ、最後まで100%の力を出し切って本当にがんばってくれました」と賛辞を贈ります。富永選手の活躍に対し、「熱くなるとすごい力を発揮します。ハーフコートのあたりからも今日は打ってました。ただ、フィリピン戦は0点に終わり、まだ波があります。でも、経験を積むことで解消されるので、これからが楽しみです」と今後の成長に期待を寄せます。

 富永選手だけではなく、「吉井(裕鷹)や井上(宗一郎)、河村も(テーブス)海もみんなすごくがんばってくれました。未来が少し見えてきました」とホーバスヘッドコーチは述べ、今大会を通じて間違いなくチームは飛躍しています。フィリピン戦でのケガにより、ベンチで盛り上げ役を買って出た渡邊選手も、「嫌な時間帯もあった中で、誰も集中力を切らさずに最後まで格上のオーストラリア相手と戦い切ってくれました。とても3週間前に、同じチームを相手に40点差で負けたとは思えないほど素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。今後が本当に楽しみです」と頼もしい仲間たちの台頭に希望を抱いています。

 試合後のロッカールームでホーバスヘッドコーチは、「今大会はみんなががんばりました。ここまでの約1ヶ月半は練習から一生懸命がんばって、良いチームを作ることができ、選手たちには本当に感謝しています。全員がプライドを持って戦ってくれました」と労い、残念ながらここで大会は終わりとなります。

 しかし、今後も男子日本代表の戦いは続きます。8月13日(土)・14日(日)にゼビオアリーナ仙台(宮城県)にイランを迎え、「SoftBank カップ 2022 バスケットボール男子日本代表国際強化試合」が行われ、その後はイラン、カザフスタンと対戦するFIBAワールドカップ アジア予選 2次ラウンド Window4が待っています。すでに公表されているとおりメンバーは入れ替わりますが、「昨年のWindow1と比較すれば、全然違うチームになっています」とホーバスヘッドコーチは手応えを感じながら、新たなメンバーとともに次なる戦いへ向けた準備がはじまります。