ニュース

FIBA女子ワールドカップ2022[予選ラウンド 第4戦]日本53-67フランス「選手同士でどうモチベーションを上げていくか」馬瓜ステファニー選手

2022年9月26日

笑顔で声をかけ、チームの雰囲気を上向かせる渡嘉敷来夢選手

勝利したテストゲームとの違いを痛感する馬瓜ステファニー選手

 「FIBA女子ワールドカップ2022」は5日目。選手ミーティングを行い、気持ちを高めて臨んだフランス戦。しかしこの試合も第1クォーターは5点しか取れず、追いかける展開になります。同点にする場面は2度ありましたが、赤穂ひまわり選手(デンソーアイリス)がフリースローでファーストシュートを決めて以来、一度もフランスを上回ることができず、53-67で敗れました。

 予選グループBで1勝3敗となった日本は、現時点において自力での決勝トーナメント進出は消滅。この後に行われる試合でオーストラリアがカナダに勝利した時点で、予選敗退となります。

 東京2020オリンピックの開幕戦は82-81で競り勝ち、ふたたび対戦した準決勝では64-49でフランスを圧倒。今大会前のテストゲームでも勝利していました。「相手のディフェンスが少し違っていました」と恩塚亨ヘッドコーチは述べ、対応されてしまいます。フランス戦だけではなく、カナダとセルビアも「ゲームのテンポを上げさせないような戦略で、こちらの足を止まってしまうディフェンスになっていたことが大きな違いでした」と話し、どのチームも日本の武器を出させないように徹底しています。

 他の対戦を見て、その戦術を理解しながら相手に対応すべく準備しますが、日本戦になると「例えば、ピック&ロールに対するディフェンスはガードに対してぶつかって削ってきて、スピードを出ないようにしてきます。オフェンスでも、いろんな戦術を使ってディフェンスを剥がそうとするようなプレーよりも、トップでハンドラーがボールを持ってアイソレーションからの1on1を仕掛けてくるような能力勝負という戦い方になっています」と恩塚ヘッドコーチの頭を悩まします。

 馬瓜ステファニー選手(トヨタ自動車アンテロープス)もテストゲームと比較し、「第1クォーターからインサイドを徹底的に狙ってきました。インサイドをどう守るかというアジャストはしてきましたが、さらに相手に対応されたことで後手に回ってしまいました。そこを守れば、後半は外からやられてかき乱された部分がテストゲームとは違いました」と振り返ります。

 今大会の開幕戦までは順調に来ていたように見えた日本であり、「相手もすごく良いわけではないと思います」という馬瓜選手は、チームの状況を以下のように述べます。

「自分たちがひとつ上がるポイントがなかなか見出せずにきてしまっています。負けてしまったことでヘッドダウンしてしまったところもありました。選手同士でどうモチベーションを上げていくか、明日までの1日で見つけるのは分かりませんが考えていかなければなりません」

 率先して声をかける渡嘉敷選手は「セルビア戦とカナダ戦で負けて、チームの中の雰囲気も負けた後ということで落ち気味でした。特に若い選手たちには思いきってプレーして欲しかったので、声をかけ続けることが自分の経験を伝えていくことでもあると思っています。少しでも若い選手たちがプレーしやすいように意識しつつ、自分もプレーで魅せていけるようにしていきたいです」と話し、精神的な支柱となっています。

 明日9月27日(火)は予選ラウンド最終日。19:30より地元オーストラリアとの最終戦に臨みます。連日9千人を超えるファンが会場となるシドニー・オリンピックパーク・スポーツセンターで埋め、大歓声で最中を押す盛り上がりを見せています。