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男子U18日本代表:エントリーキャンプ レポート「チームの方針に沿って自分のプレーを出せるように」平良宗龍選手

2023年6月9日

琉球ゴールデンキングスをはじめ、さまざまな環境でプレーしてきた経験を生かす平良宗龍選手

小島睦希選手ははじめてキャンプに参加し、楽しみながらも積極的にプレー

 今年8月23日(水)より、4年ぶりに「第31回 日・韓・中ジュニア交流競技会」(以下、日韓中ジュニア交流競技会)が和歌山県にて開催されます。その選手選考を行うため、男子U18日本代表は6月6日(火)〜8日(木)の期間、味の素ナショナルスポーツセンターにてエントリーキャンプを実施しました。

 本来は高校3年生が対象となる今大会。しかし、U17世代を対象にした選手選考について、水野慎也ヘッドコーチは以下のように説明します。

「コロナ禍で国際大会が中止になった時期が長かったこともさることながら、これまでもU16やU18世代のFIBAアジア選手権では、国際経験がないまま大会に挑んできました。それを解消すべく、日韓中ジュニア交流競技会ではあえてひとつ下の世代から選考して国際大会を経験させ、来年のFIBA U18アジア選手権に備えるはじめての試みになります」

 アンダーカテゴリーのメインは、アレハンドロ・マルチネスヘッドコーチであることは変わりません。今キャンプ前には、水野ヘッドコーチをはじめとしたスタッフ陣とオンライン会議で強化方針を共有し、来年につながる国際経験を積ませることがこのチームの目標です。水野ヘッドコーチは、マルチネスヘッドコーチが来日したばかりの昨年から強化合宿に足を運び、その練習を見てきました。「海外と比較して体格で劣っている部分を補うためにみんなでボールをシェアし、動きながら一番良い状態の選手がシュートを打つことを求めています」と理解し、そのコンセプトは変わりません。6月24日(土)よりハンガリーにて「FIBA U19ワールドカップ 2023」が開幕し、そこでの男子U19日本代表の戦い方も参考にしていきます。

 このキャンプに集まった選手たちは所属チームのエースであり、各ブロックのトップクラス。その上で、水野ヘッドコーチは「チームのエースがどれだけガマンしながら、チームプレーに徹することができるかが大事になります。ボールをシェアする日本代表のスタイルに対し、いつもはボールが集まってくる選手たちはボールがない状態でプレーしなければならないことも増えます。そのためにも、状況判断が優れている選手が日本代表に求められます」という基準で選考が行われています。

 平良宗龍選手(開志国際高等学校2年)は昨年末のSoftBankウインターカップ2022優勝メンバーであり、その後はBリーグ初優勝に輝いた琉球ゴールデンキングスに特別指定選手として参加。Bリーグ チャンピオンシップ ファイナルの「会場には行けませんでしたが、しっかりバスケットLIVEで優勝した瞬間は見ていたのでうれしかったです」と喜びます。プロチームでの経験をはじめ、昨年の男子U16日本代表候補として選考合宿に参加するなど、平良選手はさまざまな環境でプレーしてきました。男子U18日本代表を目指すため、「所属チームでは得点を取ることが自分の仕事です。でも、ここではガードとして、チームの方針に沿って自分のプレーを出せるように心がけています」としっかりと切り替えていました。

 昨年の男子U16日本代表合宿に参加した経験を生かし、「マルチネスヘッドコーチは無理なシュートやタフショットを嫌っているので、それをしないようにボールを回しながら自分が空いた時は打つことが大事です。無理な時はしっかりボールを回すことを意識しながら練習していました」と平良選手はその教えを守ります。所属チームでは中心選手ですが、「ここではまわりにも素晴らしい選手がいっぱいいる中で、アタックしてからのキックアウトパスを心がけていました。そのパスがあることで、自分でもレイアップや3ポイントシュートが打ちやすくなります」というメリットも見出しています。

 はじめて選抜メンバーが集うキャンプに参加した小島睦希選手(鳥取城北高等学校3年)は、「楽しみという気持ちが強かったです」と感想を述べます。実際に練習を行ってみて「経験ある選手と比べると、まだ細かい判断力が劣ってると感じられました」。しかし、臆することなく積極的にプレーしていた小島選手は、「1on1など能力を生かす場面では通用するところもあったと思います。単純なことですが空いたらシュートを打つ、相手が出てきたらドライブする、得点が欲しいときにしっかりと決められるプレーヤーになりたいと思っています」と手応えも感じていました。

 エントリーキャンプを経て、日韓中ジュニア交流競技会に出場する12名を選考します。しかし、これからはじまるインターハイや日清食品リーグ、ウインターカップを経ていく中で、まだまだ伸び盛りの世代です。小島選手が「本番までまだ1年あるので、今回この3日間で感じた課題を1年間かけてしっかり修正し、もっと成長して来年の男子U18日本代表に選ばれるようにしたいです」と話すとおり、このキャンプをきっかけに自分の長所を伸ばしていくことが大切です。