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男子日本代表:韓国遠征直前合宿スタート「選手たちにとってはトライアウト」トム・ホーバスヘッドコーチ

2023年7月14日

河村勇輝選手のシューティングを見るトム・ホーバスヘッドコーチ

はじめての5on5でダンクを決めたジェイコブス晶選手

 男子日本代表は7月13日(木)より味の素ナショナルスポーツセンターにて、韓国遠征へ向けた直前合宿がスタート。韓国とは7月22日と23日の2試合を行い、その模様はバスケットLIVEにて配信されます。17人が参加する今合宿ですが、「14〜5人に絞って韓国へ行きます」とトム・ホーバスは言及し、FIBAワールドカップ2023の最終メンバーを目指す厳しいサバイバルも佳境を迎えています。また、渡邊雄太選手(フェニックス・サンズ)はNBAルールに沿った大会28日前となる、7月28日(金)の合流が決まりました。

 静岡県・浜松アリーナでのチャイニーズ・タイペイ戦を経て、「オンボールディフェンスが足りなかったです。オフェンスではスペーシングが狭かったり、相手がスイッチしてきたときの対応をこの合宿では練習しています」とホーバスヘッドコーチは話し、課題を修正しながら日々良いバスケができるようにしています。Bリーグなど所属チームでの昨シーズンを終えてから、長い選手では2ヶ月以上の月日が経っています。試合勘が遠ざかっている中でも、「初戦はシュートが入り、2戦目は初戦で課題となったディフェンスの修正もでき、良い2試合でした」と富樫勇樹キャプテン(千葉ジェッツ)は述べ、上々のスタートを切りました。

 韓国との対戦は、FIBAワールドカップのアジア予選がホーム&アウェーで行われるWindow開催になってからは一度もありません。最後は2018年6月に韓国が来日して行われた強化試合以来となり、FIBA公式戦は2017年にフリオ・ラマス元ヘッドコーチ就任当初のFIBAアジアカップまで遡ります。現在のメンバーの中で、韓国戦を経験しているのも富樫選手、比江島慎選手(宇都宮ブレックス)、馬場雄大選手、永吉佑也選手(サンロッカーズ渋谷)の4人だけです。

 チャイニーズ・タイペイよりもFIBAランキングは高く、2018年の強化試合では1勝1敗、2017年アジアカップは68-81で敗れ、決勝トーナメントへの進出を阻まれました。現在のFIBAランキングこそ、韓国の38位に対し、日本は36位と上にいます。しかし、通算成績は11勝21敗(※FIBA公式戦のみ)で韓国が圧倒しています。2019年に中国で開催されたFIBAワールドカップ、2021年の東京20202オリンピックで世界との真剣勝負を経た日本が、どこまで成長したのかを試す戦いになります。先日のチャイニーズ・タイペイとともに、韓国も8月のFIBA オリンピック・プレ・クォリファイング・トーナメント2023へ出場し、アジア代表となって来年開催されるオリンピック世界最終予選へ望みをつなぐべく強化している最中です。

 ホーバスヘッドコーチは、「相手にアジャストすることよりもとにかく自分たちの足りないところを練習し、そこを試していきたいです。チャイニーズ・タイペイよりも韓国の方がレベルは高く、もっとステップアップしなければいけないです。そして、選手たちにとってはトライアウトです。もちろん負けたくないです」というのが韓国遠征のテーマです。富樫選手は「ここから韓国戦、ニュージーランド戦(8月2日・4日/群馬県・オープンハウスアリーナ太田)と東京大会(8月15日 vsアンゴラ、8月17日 vsフランス、8月19日 vsスロベニア/有明アリーナ)と強化試合が続いていきます。遠征前ですが、それでも今は強度の高い練習を行う時期なので、しっかりコンディション上げていきたいです」と話すとおり、42日後に迫るFIBAワールドカップへ向かっています。

 FIBA U19ワールドカップで世界ベスト8入りし、帰国直後から合流したジェイコブス晶選手(NBAグローバルアカデミー)。連戦やハンガリーからの移動による疲れにより体調を崩し、前回は1日しか練習に参加できませんでした。完全復帰して臨む今合宿は「もうバッチリです」と笑顔で応え、豪快なダンクを決めて猛アピールしています。ホーバスヘッドコーチは、「朝早くから体育館に来てシューティングをしています。オフェンスのフォーメーションもすぐに覚え、頭も良いです。初めて5on5のゲームに入りましたがダンクし、3ポイントシューターも決めていました。でも、まだまだ勉強中であり、ディフェンスができるかどうかを見ています。でも、ポテンシャルがすごく高い選手です」と評価し、いろんなポジションを試しています。

 ジョシュ・ホーキンソン選手(サンロッカーズ渋谷)も、「彼のようなプレースタイルの選手はチームで唯一無二であり、とても才能のある選手です。身長が高くてシュートも打てて、ボールハンドルできる。本当に将来が楽しみな選手です。これから伸びていく選手なのでアドバイスできることもあり、合宿中はよくコミュニケーションを取っています」とジェイコブス選手をサポートしていました。12人しかFIBAワールドカップには出られませんが、ホーキンソン選手だけではなく、今いる17人全員がそれぞれの経験を還元し、積極的にコミュニケーションを取っており、チームワークはすでに最高です。