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FIBAワールドカップ2023[17-32位決定戦/第1戦]日本86-77ベネズエラ:パリ2024オリンピック出場まであと1勝「チームを救うためにトムさんが僕をメンバーに残してくれた」比江島慎選手

2023年9月1日

「あれが僕が知っている比江島慎」とその活躍にも驚かない渡邊雄太選手

第4クォーターに17点を挙げ、逆転勝利に貢献した比江島慎選手

 「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」は1次ラウンドを終え、男子日本代表はパリ2024オリンピックへの出場権をつかむためにも、負けられない2試合に臨みます。最初の相手はベネズエラ。先日のフィンランド戦で17年ぶりに勝利を挙げた日本ゆえに、けっして楽な試合ではありません。

 開始4分12秒、10-9と1点リードして以降の日本は追う立場が続きました。第3クォーターを終えた時点でリバウンド総数は日本の30本に対し、ベネズエラに10本も多く取られ、そこからの失点も重くのしかかります。53-62と9点ビハインドで迎えた最終クォーター。「日本のバスケスタイルは1〜2人が当たりはじめたら、相手にプレッシャーを与えることができます」というトム・ホーバスヘッドコーチの言葉どおり、比江島慎選手(宇都宮ブレックス)が口火を切って反撃を開始します。「僕は彼を止められる選手は世界でもなかなかいないと、ずっと言い続けています。正直、Bリーグでの彼のスタッツは全然納得していないし、この活躍も何のサプライズでもない。あれが、僕が知っている比江島慎」と渡邊雄太選手(フェニックス・サンズ)は言い、平常運転のスイッチが入りました。

 比江島選手は第4クォーターの10分間で17点をマークし、ゲームハイの23点。渡邊選手はもう一人の立役者を紹介します。「流れを作ったのは、間違いなく河村(勇輝)。相手のポイントガードにめちゃくちゃプレッシャーかけてくれて、相手がやりたいバスケが途中からできなくなり、すべてタフシュートになっていました」と、河村選手のディフェンスを絶賛。得点面でも比江島選手同様、ラストの10分間で9点を挙げ、19点と活躍。2人の名を挙げた渡邊選手も21点で勝利へと導きます。

 ベテランが多く、2人をケガで欠いていたベネズエラに対し、「とにかく速いペースを作って、オフェンスではカッティングとパスを多用して相手を疲れさせれば、第4クォーターまではついて来られないと思っていました」とホーバスヘッドコーチが描いたゲームプランどおり、ラスト10分は33-15で圧倒し、86-77の逆転勝利で2勝目を挙げました。

 大活躍の比江島選手は、試合後のインタビューで「チームを救うためにトムさんが僕をメンバーに残してくれたと思うので、勝利に貢献できてうれしいです」とコメント。最年長の比江島選手を筆頭に、これまで勝てずに悔しい思いをしてきましたが、それもすべて意味があったことであり、その経験を生かしてプレーで表現できているのが今の日本の姿です。

 少ない時間でも選手それぞれが自分の役割を全うし、プレータイムのなかった井上宗一郎選手(越谷アルファーズ)は誰よりもベンチを盛り上げています。試合終盤、ホーバスヘッドコーチはベンチメンバーとハイファイブした際、川真田紘也選手(滋賀レイクス)に思いっきり叩かれて「痛かったけど、もうみんなの気持ちが本当に最高です」とチーム一丸となって戦えています。この試合の勝因であり、功労者は「お客さんがどんなにしんどい時間帯でもずっと声出してくれて自分たちに応援してくれていたので、それが何よりも1番大きかったです」と渡邊選手はアリーナに来られた片はもちろん、テレビなどでともに戦ってくれたファンの皆さんに感謝していました。

 目標とするアジア1位となり、パリ2024オリンピック出場までマジック1。次のカーボベルデ共和国戦に勝てば、みんなの夢をたぐり寄せることができます。あとひとつ、もう一度、日本一丸となって勝利をつかみに行きましょう。

■FIBA バスケットボールワールドカップ2023 試合日程
17-32位決定戦
・9月2日 (土) vs カーボベルデ共和国 (20:10 TIP OFF)
【テレビ放送】 テレビ朝日系(生中継)
【インターネット配信】DAZN、TVer(生配信)