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女子日本代表:アジア競技大会 予選グループ[第1戦]日本 118-46 ホンコン・チャイナ「がんばっていろんなものを盗んでいます」薮未奈海選手

2023年9月27日

初先発の星杏璃選手は16点・4アシストと活躍

交代直後に3ポイントシュートを決めた初選出の薮未奈海選手

 「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」に出場するバスケットボール4チームの最後に開幕戦を迎えた女子日本代表。ホンコン・チャイナを相手に118-46を圧倒。男子日本代表と3×3男女日本代表に続き、白星スタートを切りました。

 初戦へ臨むにあたり恩塚亨ヘッドコーチは、「チームとして良いエネルギーで戦っていこう」とまず選手たちに伝えます。次に、そのためにやるべきこととして、「チャンスをしっかりとつかみ取っていく」「オフェンスでカウンター1on1のチャンスがあれば、そこをしっかり獲っていく」「ディフェンスはポールマンに対して厳しくプレッシャーをかける」。これまで練習してきた「一つひとつのプレーが良いエネルギーになり、チームのパフォーマンスを高める鍵になる」と恩塚ヘッドコーチは説明し、これが開幕戦のテーマでした。

 結果として、カウンター1on1などでチャンスをつかみ取って118点を挙げ、厳しいプレッシャーをかけてホンコン・チャイナを46点におさえて完勝。相手に29本のターンオーバーを与え、そこから44点を決めました。「ガード陣がしっかりとプレッシャーをかけ、ディフェンスのローテーションも良く、相手にシュートチャンスをほぼ与えませんでした」と恩塚ヘッドコーチは評価します。選手たちの努力が見られた一方、「もっとできたと思うところは、選手たちも私自身もあります。それをこのゲームの中からしっかり得て、積み重ねていきたいです」と続け、目標とする金メダルへ向かうためには高いレベルを求めなければなりません。

 星杏璃選手(ENEOSサンフラワーズ)も「身体のあたりも身長も上位のチームは全然違ってきます。今日のようなボックスアウトやディフェンスローテーションでは簡単にパスを通され、高い位置から簡単にシュートも決められてしまうと思います。リバウンドは1回で取り切ることや、スイッチのローテーションではしっかりコミュニケーションを取ることは、まだまだ足りていないと感じました」と話すとおり、練習の成果を発揮しながら試合を通してステップアップしていきます。

 赤穂ひまわり選手(デンソー アイリス)は大事を取って今日は起用せず、恩塚ヘッドコーチも「心配しなくて大丈夫です」と話していました。この試合は宮崎早織選手(ENEOSサンフラワーズ)と星選手のツーガードが先発で出場。今夏のFIBA女子アジアカップで初選出された星選手にとっては、はじめてのスタートです。

「大会の初戦であり、ゲームの入りがすごく大事になってくるので、しっかりと集中して良い流れを作って、次の選手に交代できることを意識していました。もちろんスタートで出ることの責任もありますが、自分の仕事は一緒だと思って全力でプレーしました」

 髙田真希選手(デンソー アイリス)と朝比奈あずさ選手(筑波大学2年)の17点に続く、16点を挙げた星選手は、さらに4アシスト、3スティールの活躍で勝利に貢献しました。

 女子日本代表として初の国際試合に臨んだ川井麻衣選手(トヨタ自動車アンテロープス)と薮未奈海選手(デンソー アイリス)。着実に経験値を高めている川井選手は、8本の宮崎選手に次ぐ7アシストでゲームを組み立て、その力を発揮します。ルーキーの薮選手も、「コートに出るからには自分のできることを思いっきりプレーしようを意識していました」と言うとおり、交代直後に3ポイントシュートを決めます。続いて出番が回ってきたときは、2本連続スティールを決め、攻守に渡って良いプレーが見られました。

 前述どおり、星選手も今年初選出されたばかりであり、「最初は自分のことでいっぱいいっぱいになってしまいますし、覚えることも多いです。その中でも余裕を持ってプレーできる雰囲気を作っていくことが大事だと思っています」と同じ境遇の選手がプレーしやすいような声がけやゲームコントロールでサポートします。薮選手は「レベルも質も高いですし、すごく貴重な経験をさせてもらっています。自分のできることを目いっぱい出して、どこまでできるかチャレンジしたいです」と貪欲に取り組んでいます。

「言われたことだけではなく、本当に先輩たちのプレーを見て学んで、真似していくことを練習からずっと意識しています。がんばっていろんなものを盗んでいます」

 5人制は男女入れ替わりで1日おきに試合が行われ、明日9月28日(木)14:30より男子日本代表がインドネシア戦。女子日本代表は翌29日(金)14:30よりカザフスタンと対戦します。