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3×3男子日本代表:強化合宿レポート「信頼し合っている今は、みんなで向上できています」落合知也選手

2024年3月10日

選手もスタッフも、様々な環境での経験を還元しながらレベルアップ

3x3に専念し、さらに経験値を上げている落合知也選手

 3月16日(土)にさいたまスーパーアリーナで頂点を決める天皇杯ファイナル「千葉ジェッツ vs 琉球ゴールデンキングス」を前に、Bリーグの中断期間を使って3×3男子日本代表は3月8日・9日の2日間、強化合宿を実施。トーマス・ケネディ選手(茨城ロボッツ)は昨年のFIBA 3×3ワールドカップからはじめたばかりですが、「落合(知也)選手と保岡(龍斗)選手は東京2020オリンピックで活躍し、斉藤(諒馬)選手と小澤(崚)選手はワールドツアーに参戦してきた経験があります」と中祖嘉人ヘッドコーチが言うように、合宿に参加した選手たちはこの競技を熟知しています。すでに高いレベルでの共通認識はできており、「それを10分間続けられるかどうかに今はフォーカスしています。いろんな相手を想定し、残り時間や得点差、ファウルの数のシチュエーションを変えながら、その状況の中でも強みを遂行し切れるように強化しています。スキルだけではなく、お互いの信頼を高めるメンタル面など少し上の次元を目指しています」とたった2日間でも実のある強化ができました。

 3×3男子日本代表は、2014年に開催された第2回FIBA 3×3ワールドカップから世界へ挑み、そのときのメンバーが落合知也選手(ALPHAS.EXE)やサポートスタッフとして加入した鈴木慶太氏 (TOKYO DIME)であり、10年が経つ今なお第一線で活躍しています。東京2020オリンピックにも出場した落合選手は短い合宿期間だからこそ、「どれだけ精度の高い練習にし、チームとして世界とどう戦うべきかを伝えています」と惜しみなくその経験を還元しています。

「5人制とは違って1日2〜3試合あるので、細かいところまでスカウティングできません。だからこそ、選手個々のアジャスト能力が求められるのが3×3です。しかし、相手に合わせるよりもまずは自分たちのスタイルをどれだけ貫けるかが大事になり、短期間でそれを確立できるかがポイントです。今合宿も2日目には、はるかに良いバスケができました。国内トップクラスの外国人選手たちを相手に最初は全然うまくいきませんでしたが、最後はステップアップできたことを実感しています。それもバスケIQが高く、修正力がある選手が揃っていたからこそです。前回合宿でも、若手選手には口うるさいと思われるぐらいアドバイスし、そうすることが大事だと思っています。自分だけではなく、現在国内ランキング1位の(齋藤)洋介選手も同じ気持ちです。ありがたいことに、みんなが自分たちのアドバイスを受け入れてくれ、信頼し合っている今は、みんなで向上できています」

 中祖ヘッドコーチは、「3×3の特徴として試合中はコーチがいないので、その場その場で自分で考えていかなければなりません。ボイス(声を出す)スキルやゲームコーチングに関しては、3×3に専念している選手の方が長けており、Bリーガーたちにとっても良いお手本になっています」と中祖コーチが言うように、能力が高いBリーガーと経験ある3×3プレーヤーが切磋琢磨しながら、相乗効果でレベルを引き上げています。

 プレーやスキル面だけではなく、5月3日から宇都宮市で開催される「FIBA 3×3 バスケットボール ユニバーサリティオリンピック予選2」(以下UOQT2)やラストチャンスとなるFIBA 3×3 バスケットボール オリンピック予選(5月16日〜/ハンガリー・デブレツェン)へ出場できるのも、3×3プレーヤーが国内外の大会へ出場し、FIBAランキング上位をキープしているおかげです。斉藤諒馬選手(横河電機・UTSUNOMIYA BREX.EXE)と小澤崚選手(ALPHAS.EXE)も、所属チームで国際経験を積んでいました。落合選手も今はこの競技に専念する3×3プレーヤーであり、「プロサーキットと言われる世界大会(ワールドツアーなど)を転戦してきました。そこに参加するトップクラスの選手はオリンピックにも出てくる代表であり、国際試合のメインプレイヤーです。同じ舞台で戦えているからこそ特徴も分かっており、その経験は本当に代え難いものがあります。それは自分の武器にもなっています」と実感し、3×3日本代表になるためにも不可欠と言えます。

 昨夏、FIBAワールドカップ2023が開催された沖縄アリーナの盛り上がりに後押しされ、5人制男子日本代表が48年ぶりに予選を勝ち抜いてオリンピックへの切符を勝ち獲りました。次は、UOQT2が開催される日本屈指のバスケタウン・宇都宮市で3×3男女日本代表が追い風に乗る番です。3月27日からシンガポールにて「FIBA 3×3アジアカップ2024」へ出場しますが、アジア1位になってもオリンピックへ出場できるわけではありません。中祖ヘッドコーチは、「オリンピックに出場できるのはたった8チームであり、ライバルとなるヨーロッパの強豪に勝っていかなければその切符をつかむこともできません。強豪国と自分たちの現在地に対するギャップをしっかりと認識し、それを言語化して埋めるための強化をしています。ワールドツアーでは代表チームを組成しながら参戦するケースもあります。その経験値に勝つには、今月末に開催されるFIBA 3×3アジアカップの位置づけがすごく大事になります」と述べ、ジャパンスタイルを確立しながら勝ち筋を見出していきます。