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女子U18日本代表:第1次強化合宿レポート「シュートを打てなかったことが一番悔しい」山田英真選手

2024年4月25日

強気のドライブからパスを出す鈴木花音選手

シュートレンジを広げ、成長した姿を見せる山田英真選手

 女子U18日本代表は4月22日〜24日の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて2024年度第1次強化合宿を実施。6月24日より中国・深圳にて開幕する「FIBA U18 女子アジアカップ 2024」まで、あと2ヶ月。藪内夏美ヘッドコーチは「チームルールや約束事を伝え、今合宿から5on5の練習を行いながら細かいところまで詰め込みました」と話すように、急ピッチでチームを作っています。

 候補選手14名はいずれも早生まれであり、今春よりWリーグや大学へ進学。2022年のFIBA U16女子アジア選手権、続けざまに開催されたFIBA U17女子ワールドカップへ出場、またはその選考合宿に参加してきたメンバーも多く、藪内ヘッドコーチと一緒に練習した経験があります。「いろんなキーワードを散りばめて、迷う時間帯をなるべく少なくできるようにしています」と指導し、選手たちもそのコンセプトを理解して動いていました。藪内ヘッドコーチは先月のエントリーキャンプと比較し、新たな環境へ進んだ選手たちの成長を実感しています。

「高校からWリーグや大学へ進み、ルーキーに戻ってもう一度がんばらなければならない環境になりました。そのおかげか、自分から何かをしなければいけないことを先輩たちから学んで来ています。練習への取り組みやオフコートの過ごし方などが変わりました」

 鈴木花音選手(筑波大学1年)は2年前、FIBA U17女子ワールドカップへ出場。当時を振り返り、「世界のレベルについていけず、プレータイムもあまりもらうことができませんでした」と悔しさが残っています。7試合中6試合に出場し、コートに立った時間は平均3.6分。フィジカルの差を痛感し、「食生活を見直すなどいろいろ工夫をして来ました」とその後も努力を続けてきました。筑波大学へ進学し、ふたたびフィジカルの課題が浮き彫りになりましたが、「世界でも大学でも、まわりの選手たちと比べればすごく小さいです。3ポイントシュートが日本の武器であり、走るバスケを持ち味にして、自分の長所として出せるようにしたいです」と力を込め、女子U18日本代表に選ばれるだけだけではなく、主力として活躍することを目指しています。

 女子日本代表の試合は欠かさず見ている鈴木選手が、自分に重ねて注視するのは馬瓜エブリン選手とのこと。「プレーだけではなく、最後まであきらめない姿勢を見習っています。私も、コート内外で熱くチームを鼓舞できるような存在になりたいです」と話し、今合宿では練習内外で声を出していました。

 唯一の180cm台である山田英真選手(山梨学院大学1年)。2022年はFIBA U16女子アジア選手権へ出場し、リバウンドで貢献。しかし、オーストラリアなど大きな相手に対し、「日本では通用したポストプレーができず、ゴール下で何度もリバウンドを取られ、セカンドシュートを決められてしまいました」と悔しさが蘇ります。

 センターの山田選手はゴール下でプレーすることが多く、FIBA U16女子アジア選手権で少し遠いところでボールを受け、ディフェンスが寄ってこなかったときに「シュートを打てなかったことが一番悔しいです」。その後、少しずつシュートレンジを広げ、高い位置から1on1を仕掛け、プレーの幅も広げてきました。今合宿からリオ2016オリンピックへ出場した元女子日本代表の王新朝喜アシスタントコーチが就任。同じセンターとして、「できていないところをすぐに教えてくれます。そのアドバイスによって自分も納得でき、すぐ次に生かして修正できてもいます。自分にとっては、ありがたい存在です」と山田選手は刺激を受けていました。

 2年前の国際大会で感じた世界との差、そのメンバーに選ばれなかった悔しさ、新たな環境で立ち塞がる壁などいろんな想いを持った選手たちが課題を持って取り組み、切磋琢磨しながら選考合宿は今後も続きます。