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女子U19日本代表:第2次強化合宿レポート「集中を切らさないように自分から声を出して練習を盛り上げることを意識」白石弥桜選手

2025年5月19日

伊藤知里選手はポイントガードとして自分の良さを生かすスタイルを模索中

集中力を切らさずに1週間の長丁場を乗り越えた白石弥桜選手

 「FIBA U19女子ワールドカップ2025」へ向け、女子U19日本代表は5月16日〜18日の期間、第2次強化合宿を実施。選手は27名から18名に絞られ、兼任となっていたスタッフも池端直樹チームリーダー、鈴木良和ヘッドコーチと役割を切り分け、初のメダル獲得を目指します。予選グループフェーズで対戦するスペインやチェコ、アルゼンチンを想定した強化がはじまりました。

 今合宿は大学生にご協力いただき練習試合も行われ、「練習で用意した戦い方の全体像に対し、選手それぞれがどれほど表現できるのかを試す機会になりました」と鈴木ヘッドコーチは話します。「実戦を通じて賢さや表現力を確かめること。それは短い練習期間しかない代表選手として必要な特性であり、誰が持ち合わせているのか」をテーマに選手の資質を見極めます。

 大学卒業1年目までを対象にしたFISUユニバーシティゲームスはありますが、FIBA公式戦におけるアンダーカテゴリーはU19が最後であり、その次はいわゆるA代表です。冨山晋司 一気通貫コーチをハブとしながら、鈴木ヘッドコーチは「いつA代表にコールアップされても良いように同じフォーメーションを使い、同じレベルでできるつもりで強化している」と選手たちに伝えます。A代表へつながること、FIBA U19女子ワールドカップでのメダル獲得のダブルゴールを設定します。

 今合宿前には女子日本代表セレクションキャンプが行われ、田中こころ選手(ENEOSサンフラワーズ)、堀内桜花選手(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)、白石弥桜選手(デンソー アイリス)選手、清藤優衣選手(白鷗大学1年)、後藤音羽選手(東京医療保健大学1年)の5人がコーリー・ゲインズヘッドコーチの指導を受けました。合宿初日はそれ以外の選手たちもスクリメージを見学し、誰もが目指す場として意識づけします。

 セレクションキャンプに参加した白石選手は、「もっとアグレッシブにプレーした方が良いとアドバイスをいただきました。また、フィジカル面は国内でもまだ全然足りていないですが、世界の選手を相手にはもっと足りないと思うのでしっかり鍛えていきたいです」と伸び代を実感します。今合宿での練習試合を踏まえ、「相手にプレッシャーをかけられた時にボールが全然運べず、ターンオーバーも多かったです。リバウンドでもセカンドチャンスから多くの得点を取られてしまいました。相手に負けないぐらいの強度を出していかなければいけないです」と多くの課題が見つかったことも成長へつなげます。

 5月12日からはじまったセレクションキャンプを含め、休みなく1週間の強化試合を続けた白石選手は「疲れました」と正直な感想を述べます。「日数が長くなったことで、集中力が切れそうになりました。セレクションキャンプでは先輩たちについていくことが多く、U19にも早生まれの先輩はいますが同年代なので、集中を切らさないように自分から声を出して練習を盛り上げることを意識していました」と自らも鼓舞し、長丁場を乗り切ります。ゲインズヘッドコーチから何度も名前を呼ばれ、セレクションキャンプでも存在感を示しました。

 昨年末のSoftBank ウインターカップ2024では平均33.3点(昭和学院戦は40点をマーク)、爆発的な得点力を見せた伊藤知里選手(白鷗大学1年)。「高校時代のプレースタイルとは、大学でも代表でも全然違います。それぞれのチームで求められているプレースタイルの中で、自分の良さを生かせるように今は模索中です」と新たなカテゴリーに挑んでいます。女子U19日本代表では「ポイントカードになるので、ボールを受けてしっかりボールを運び切ること、そのボール運びの途中でアウトナンバーを作ることができればフロントコートで攻めるのも楽になります」と良いイメージはできています。この合宿や今後の選考を勝ち抜いて世界へ羽ばたくことで、「安定力も突破力もあり、まわりを生かすプレーも自分を生かせるプレーも両方できるような選手になりたいです」と欲張りながら新たなスタイルを切り拓いています。

 同じポジションには田中選手や堀内選手らWリーグで活躍する先輩がおり、「一緒に練習や試合できることは限られた人だけなので、貴重な経験をいただいたことが刺激的です」と技術や練習への取り組み方など多くを吸収します。しかし、選考合宿である以上は、「負けられないという気持ちもあります」と力を込め、競争するからこそチーム力が高まっています。

■FIBA U19女子ワールドカップ2025
日程:7月12日(土)〜20日(日)
開催地:チェコ・ブルノ
予選グループフェーズ
【グループA】アメリカ(1)、イスラエル(23)、ハンガリー(7)、韓国(21)
【グループB】ナイジェリア(35)、ポーランド(19)、カナダ(3)、中国(18)
【グループC】オーストラリア(5)、フランス(4)、ブラジル、マリ(12)
【グループD】日本(6)、スペイン(2)、チェコ(16)、アルゼンチン(31)
※()内はFIBA Girls ランキング(4月21日現在)
7月12日(土)深夜24:30 日本 vs チェコ
7月13日(日)深夜24:00 日本 vs スペイン
7月15日(火)深夜24:30 日本 vs アルゼンチン
前回大会成績:6位(過去最高位:4位/2017年)
https://www.fiba.basketball/en/events/fiba-u19-womens-basketball-world-cup-2025