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女子U16日本代表:第3次強化合宿レポート「積極的に3ポイントシュートを打つことを考えながらプレー」安藤 玲選手

2025年6月12日

ゴールへ向かう姿勢が増した高橋実来選手

積極的に3ポイントシュートを放つ安藤 玲選手

 女子U16日本代表は6月9日〜11日の3日間、第3次強化合宿を実施。前回同様に15名を招集し、9月22日からマレーシア・クアラルンプールで開催される「FIBA U16 女子アジアカップ2025」へ向けた強化と選考を行いました。約1ヶ月ぶりに再会し、「前回合宿から上手くなった選手がいて、本当に頼もしい」と冨山晋司 一気通貫コーチは伝え、稲垣愛アシスタントコーチも「少しずつチームになってきた」とその成長に目を細めます。今合宿では前回の振り返りとともに、新たな戦術を加えながら、大学生に胸を借りて実戦形式で強化を進めました。

 「チーム力が上がった感じがして、コミュニケーションも積極的に取れるようになったことでプレーしやすくなりました」と高橋実来選手(四日市メリノール学院中学校3年)も変化を実感します。最大7歳差ある大学生との試合を通して、「1on1に向かう姿勢が出てきました。自分のスピードを生かして、ディフェンスを引き寄せてからパスしたり、ドライブして決め切ることもできました」と高橋選手の特徴を生かし、チームとして呼吸も合ってきました。

 180cmの安藤 玲選手(鳥取城北高校2年)は、積極的に3ポイントシュートを放ちます。今合宿前には「三井不動産カップ2025(愛知大会)」が開催され、コーリー・ゲインズヘッドコーチ新体制となった女子日本代表の試合も見て、イメージを膨らませます。SNS企画で安藤選手の「学生時代にやっておけば良かったことはありますか?」という質問を長岡萌映子選手(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)が答えてくれました。「長岡選手が、今はセンターでもドライブや3ポイントシュートも積極的にやった方が良いとアドバイスしていただいたことがとても印象に残っています。三井不動産カップを見て、誰が打ってもスリーポイントが入るイメージだったので、そこをもっと強化したいです。身長にとらわれず、積極的に3ポイントシュートを打つことを考えながらプレーしていました」と早くもコート上で実践します。高橋選手も同じく、「自信が持てないときはどうしてますか?」と質問し、梅木千夏選手(デンソー アイリス)が回答。「毎試合や毎練習でひとつのことに集中してやるようにしたことで、少しずつ自信が出てくるようになったことが良かったです」と貴重なアドバイスをきっかけとし、成長につなげています。

 コミュニケーションを取り合い、チーム力向上が見られた点について、小野 裕チームリーダーは「合宿の中でうまく立ち回るだけではなく、所属チームに戻ってからも同じように自分から声を出し、チームメイトも導いていかなければならない。コミュニケーションや声を出すレベルのスタンダードを上げて行って欲しい」と伝え、この合宿で学んだことを持ち帰り、継続することもここに集まった選手たちの役割です。

 次回合宿は2ヶ月後となり、15名からFIBA U16女子アジアカップへ向けた選考が行われます。鈴木良和ヘッドコーチは金メダル獲得を目標とし、「国際大会に出られるチャンスはそう多くはないが、どうせ出るならばこの大会に出てくる他のチームを驚かせたい」と選手たちの背中を押しました。

「今から3年後や5年後の将来を見据えて、本気でバスケする選手がたくさんいる世代にしよう。もし、今回は選考から漏れたとしても、世界を目指して毎日の練習を積み上げていけば1年後や3年後、5年後には強い世代になれる。今をこざかしく勝ちに行くのではなく、将来を見据えた過程としてアジアカップ優勝が目標であり、通過点でしかない。もっと上を目指しているからこそ、先々を見据えてがんばる集団になろう」

 インターハイ(岡山県)や全国中学校バスケットボール大会(鹿児島県)を迎える夏は、急速な成長が期待できる時期です。2ヶ月後、さらにたくましくなった選手たちとの再会を、コーチ陣は楽しみにしていました。