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第89回天皇杯・第80回皇后杯(オールジャパン2014) 第8日目 男子決勝 -激戦を制した東芝ブレイブサンダース神奈川が8年ぶり3回目の優勝-

2014年1月13日

チームを勢いづけた東芝神奈川#14辻 直人選手

8年前は選手として、今年はコーチとして東芝神奈川を優勝に導いた北 卓也ヘッドコーチ


 「東日本大震災復興支援 第89回天皇杯・第80回皇后杯 全日本総合バスケットボール選手権大会」(以下オールジャパン)は最終日。勝てば、トヨタ自動車アルバルク東京は2年ぶり、東芝ブレイブサンダース神奈川は8年ぶりとなる日本一を目指し、男子決勝戦が行われました。

 手に汗握る好ゲームとなった男子準決勝。アイシンシーホース三河に前半で最大28点リードされたトヨタ東京でしたが、その点差を跳ね返し大逆転勝利で決勝進出。和歌山トライアンズvs東芝神奈川も激戦となり、残り0.7秒で和歌山#1木下選手が3Pシュートを決めて同点。しかしラストプレイ、#22ファジーカス選手の劇的なブザービーターで勝利した東芝神奈川。今シーズンのNBLではすでに4度対戦しており、東芝神奈川が3勝1敗。何が起こるか分からないのが、一発勝負のトーナメント。チームカラーの赤(東芝神奈川)と緑(トヨタ東京)に分かれた国立代々木競技場第1体育館の3階席まで埋め尽くす8千人近い方々の声援を受けながら、最後の試合が始まりました。

 序盤からめまぐるしい攻防を見せた両チーム。日本一を決める戦いにふさわしい引き締まった好ゲームは、32-31と辛うじて東芝神奈川が1点リードする競った展開で前半を終えます。後半開始早々、#14辻選手の3Pシュートで先制した東芝神奈川。しかし、トヨタ東京もこの日4本目となる3Pシュートを沈めた#10岡田選手が対抗。一進一退が続く中、その均衡を破ったのが#14辻選手。第3ピリオドだけで4本の3Pシュートを決めた#14辻選手の活躍で62-52、東芝神奈川が10点リードし最終ピリオドへ。

 第4ピリオド早々、東芝神奈川のルーキー#18鎌田選手の3Pシュートが決まり69-54、この試合最大となる15点差にします。「どこかでまたクロスゲームになるだろうと思っていたので、タイムアウトを少し我慢していた」という北ヘッドコーチ。トヨタ東京はさらに点差を引き離されまいと粘りを見せ、10点差まで戻すも我慢の時間帯が続きます。#21竹内選手、#31リッチー選手がインサイドから得点を重ね、6点差に迫るトヨタ東京。さらに残り4分、#10岡田選手が3Pシュートを決めて73-69、4点差。対する東芝神奈川も、#14辻選手の3Pシュート、さらに#38宇田選手の得点で残り3分を切って78-69、9点差となりトヨタ東京は最後のタイムアウトを要求。

 #10岡田選手、#16松井選手のツインシューターで逆転を目指すトヨタ東京。期待に応える#10岡田選手が1’38に3Pシュートを決めて78-74。激しいマークに合う#10岡田選手が、今度は#3ギブス選手へパスを出し、2点差まで追い上げ78-76、残り59.4秒。「流れに乗る要因を作ってくれたのは辻のシュート」と北ヘッドコーチが話すように、これまで活躍を見せた#14辻選手が、ここで痛恨のターンオーバー。そのチャンスを逃さずに3Pシュートを決めたのは#35伊藤選手。残り18.8秒、79-78としたトヨタ東京がついに逆転に成功。しかし、スティールから速攻を決めたのは#14辻選手。自らの手で先ほどのミスを帳消しにする勝利を呼び込み、東芝神奈川が82-79でトヨタ東京を下し、8年ぶりの日本一に輝きました。

■男子決勝
トヨタ自動車アルバルク東京 ● 79-82 ○ 東芝ブレイブサンダース神奈川

【優 勝】東芝ブレイブサンダース神奈川(8年ぶり3回目)
【準優勝】トヨタ自動車アルバルク東京
【第3位】和歌山トライアンズ、アイシンシーホース三河

【大会ベスト5】
辻 直人(東芝ブレイブサンダース神奈川 #14) 初受賞
ニック・ファジーカス(東芝ブレイブサンダース神奈川 #22) 初受賞
ジェフ・ギブズ(トヨタ自動車アルバルク東京 #3) 初受賞
岡田 優介(トヨタ自動車アルバルク東京 #10) 初受賞
川村 卓也(和歌山トライアンズ #9) 7年ぶり2回目

 12月23日に開幕したウインターカップから、年をまたいで日本一を決めるオールジャパンの熱戦が本日終了しました。オールジャパンは1万人を越え、オールジャパン準決勝、そして本日も約8千人と連日多くの方々が会場を盛り上げていただき、誠にありがとうございました。

 第89回天皇杯・第80回皇后杯(オールジャパン2014)は終わりましたが、バスケットボールシーズンは真っ直中。WJBLは今週末1月18日(土)から再開し、NBLは1月25日(土)より後半戦がスタートします。また各地では、高校新人戦が行われていたり、オールジャパンに出場した社会人チームが全国制覇を目指す「高松宮記念杯 第46回全日本実業団バスケットボール選手権大会」(2月8日~11日/東京都)、「第40回全日本クラブバスケットボール選手権大会」(3月21日~23日/愛知県)がそれぞれ開催されます。そして近い将来、ウインターカップやオールジャパンに出てくるであろう小学生や中学生が熱戦を繰り広げる「第27回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会(ジュニアオールスター)」、「第45回全国ミニバスケットボール大会」(3月28日~30日)など、全国各地で様々なカテゴリーにおける日本一を目指す戦いは続きます。今後もバスケットボールをお楽しみください。