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2014 FIBAバスケットボールワールドカップ アメリカの2連覇で閉幕 -世界最高峰の舞台で、橋本コミッショナー、平原レフェリーが活躍-

2014年9月17日

FIBAより唯一アジアで指名を受け、準決勝を含む20試合を担当した橋本 信雄 名誉国際審判員・国際コミッショナー

Palau San Jordi(パラウ・サン・ジョルディ)で行われた準決勝のリトアニアvsアメリカ戦。アメリカ戦では常に約2万人のバスケットボールファンが駆けつけた


 8月30日(土)よりスペインにて開催された「2014 FIBAバスケットボールワールドカップ」は、9月14日(日)に決勝戦が行われ、アメリカが129-92でセルビアを下し、16日間の熱戦に幕を閉じました。

■2014 FIBAバスケットボールワールドカップ 大会結果・個人賞
優 勝  アメリカ(2大会連続5回目)
準優勝  セルビア
第3位  フランス
第4位  リトアニア
ベスト8 スペイン、ブラジル、スロベニア、トルコ

MVP  #10 Kyrie IRVING(USA)
ベスト5 #10 Kyrie IRVING(USA)
     #7  Kenneth FARIED(USA)
     #4  Milos TEODOSIC(SRB)
     #5  Nicolas BATUM(FRA)
     #4  Pau GASOL(ESP)

 今回、「世界選手権」から「ワールドカップ」に名称を変えた記念すべき大会に、コミッショナーとして、橋本 信雄 名誉国際審判員・国際コミッショナーがFIBA(国際バスケットボール連盟)より指名を受けました。

 コミッショナーの役割とは、試合前には選手の資格チェックや会場や器具の点検等を行い、試合中にはテーブルオフィシャルズを管理し、試合を円滑に進行できるように務める統括役。今大会、コミッショナー・レフェリースーパーバイザー職として指名されたのは世界でたったの8名。その重責の中で、橋本 信雄コミッショナーはアジアから唯一選出されました。

 橋本 信雄コミッショナーが世界の舞台で活躍するのは、2006年FIBA男子世界選手権(日本)、2009年FIBA U-19男子世界選手権(ニュージーランド)、2012年ロンドンオリンピック(イギリス)に続いて4度目(ロンドンオリンピックではジュリーという役職での選出)。予選ラウンドでは離島であるグランカナリア・ラウンドに配属され、決勝ラウンドではバルセロナ・ラウンドに進み、大会を通して20試合を担当しました。特に、準決勝のアメリカvsリトアニアというビックカードを担当したことは、日本にとっても、アジア勢にとっても、競技力向上において貴重な財産になります。

 準決勝でコミッショナーを務めた重責を終え、橋本コミッショナーより大会総括のコメントをいただきましたので紹介します。

 「初のワールドカップ開催にアジアからの指名は私一人でしたので、日本、そしてアジアを代表する気持ちで従事しました。無事に20試合を終えて安堵すると同時に、超満員の会場でアメリカ対リトアニアのセミファイナルを担当できたことは、大変名誉なことだと感じています。
 また、予選ラウンドでは、韓国が出場するグループDを担当しましたが、同じ東アジアのライバル国の戦い方を知ることができ、非常に有意義なラウンドに配属されたと感じています。韓国は全敗しましたが、スロベニア、リトアニア、オーストラリアという世界のトップグループと真剣勝負することで若い力が成長していました。この貴重な経験を今後の国際舞台で発揮してアジアの実力を高めていって欲しいですし、日本もライバル国と競い合う環境作りをしていかなくては、という思いを強く抱きました。

 ワールドカップのセミファイナル(準決勝)を担当する光栄に預かりましたので、試合を間近で見た感想をお伝えしたいと思います。

 今大会は運営や警備の面でも非常に優れた大会で、競技役員のアリーナへの往復は、パトカー1台・白バイ2台が先導してノンストップで移動しましたが、アメリカ対リトアニアの準決勝の日は通常の2倍の台数による警護となり、開始前から緊張感も高まる試合でした。
 アメリカは大会を通じて序盤にもたつく感があり、この試合も高さでアメリカを上回るリトアニアに対してリバウンドが取れずになかなか主導権を握れずにいました。前夜に準々決勝でスペインがフランスに敗れたこともあり、観客や関係者も『もしかしたら…』という推測も大いにあったと思います。

 流れが変わったのは、第1ピリオド終了の合図と同時に、アメリカ#12デマーカス・カズンズ選手のショットに対するファウルがあり、その直後、リトアニアのカズラウスカスコーチがテクニカルファウルを取られたところでした。カズラウスカスコーチは激怒したものの、本人の表情からも『しまった』という雰囲気が感じられ、チームの士気を鼓舞するよりも、『水をさす』大きな分岐点となった雰囲気が感じられました。第2ピリオドが、アメリカの2本のフリースローとスローインから始まるケースは、私自身も初めての経験でした。

 後半に入り、アメリカは、1対1のディフェンスをしっかりと立て直してプレッシャーを強めると、ディフェンスリバウンドから『走る』、『パスを前に出す』ことを徹底して、本来のリズムを掴み始めました。リトアニアの追撃を阻んだ印象ですが、1対1の瞬時のスピード、ショットモーションまでの速さは、間近で見ていると両チームに明らかに違いがあるのが分かりました。
 しかしながら、今大会のアメリカ代表には、レブロン・ジェームス選手やケビン・デュラント選手といった超主力級が外れて爆発力に欠けるため、どうしても序盤からは突き放せず、一方、選手には「競技環境(ルール・判定基準)」の違いからストレスを感じているのは明らかで、時にはラフな行為や言動があり、そのつど、“コーチK”ことシャシェフスキー・コーチが選手交代等でタイムシェアをしながら上手くやり繰りしているという印象があります。

 試合は、96-68という大差でアメリカが勝利しましたが、試合後に選手同士の握手と労いが一通り終わった時点で『小競り合い』が発生して場内が騒然となるシーンもありました。ここでもコーチKが間に入って、必死に収束を図っていました。マドリッドでの準決勝、フランス対セルビアは両チームの選手ともラフな行為や言動、仕返しなどを自重し、プレイだけに集中して好ゲームを作り上げた印象があります。同じ準決勝でも質の異なる内容であったと思います。

 このように、試合では何が起こるかわからないので、試合終了のホイッスルが鳴っても、コミッショナーは常に目配りと気配りをしていなければなりません。こうした各国のカラーやプレイの質が違う緊張感が漂う中で、問題なく20試合を終えることができたことを誇りに思います。

 最後に、テーブルオフィシャルズ(以下、TO)について、述べさせていただきます。今大会のTOの力量はとても高いものでした。日本のTOも力量は高いほうですが、国際大会で活躍できるTOを作るためには、とてつもない緊張感のある厳しい試合をたくさん経験する必要があると切に感じました。これは、コーチ、選手、審判のほか、バスケットボールに関わるすべての人に当てはまることです。厳しい環境の中で経験して初めて真の力量がつくということを、ワールドカップという最高峰の舞台で改めて実感しました。

 世界最高峰の舞台で得たこの貴重な経験を、今後は日本の競技力向上のために伝えていきたいと思います。また、国際舞台で活躍できる審判育成のためにも尽力していく所存です」。

 また、レフェリーとして、3大会連続3回目の指名となった平原 勇次 国際審判員は、アジア王者のイランが出場するグループAの4試合を担当。世界最高峰の舞台で活躍した橋本コミッショナー、平原レフェリーは、この経験を国内の審判技術の向上に生かしていきます。

 男子のFIBAワールドカップの次は、女子のFIBA世界選手権です。
 9月27日(土)よりトルコにて開催される「第17回FIBA女子バスケットボール世界選手権大会」には、ハヤブサジャパン 女子日本代表チームがアジアチャンピオンとして出場します。
 引き続き、ご声援をお願いいたします。