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平成27年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン) 第1回キャンプ開催報告

2015年10月27日

今年度のジュニアエリートアカデミー参加選手が集結し、第1回キャンプがスタート

3回目のキャンプ参加となった小玉 大智選手(実践学園中学校 3年)

 10月16日(金)~18日(日)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて「平成27年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン)」の第1回キャンプ(全6回)がスタートしました。

 今年で4年目を迎えるプロジェクトについて、佐々木 三男ジュニアエリートアカデミープロジェクト長は、「今年度は、男子U-16日本代表および男子U-18日本代表のヘッドコーチとなったトーステン・ロイブル氏の考えを、これまで以上に反映させ、より日本代表に直結するような内容にしました」と話します。

 とはいえ、原則的にはファンダメンタルに終始した内容で、キャンプ初日のフィジカルトレーニングが終わった後、指導に立ったトーステン・ロイブルコーチが選手たちにまずこう告げていました。
「このジュニアエリートアカデミーは新しい世代の選手を育てることを目的にしています。みんなはビッグマンですが、センターのプレイを練習するわけではありません。インサイドでもアウトサイドでもプレイできる、オールラウンドな選手になってほしい。私はそのための練習を皆さんに行います」
 その言葉の通り、コーディネーショントレーニングや1対1といった基本を全員で行い、慣れない選手たちは2つ、もしくは3つのボールを使うトレーニングに四苦八苦していました。それでも選手たちはときおり笑顔を見せるなど、楽しみつつ真剣に基本練習に取り組んでいました。

 練習内容だけでなく、今年度のジュニアエリートアカデミーは、プロジェクトの前提となる「ビッグマンの養成」もより強く打ち出すと佐々木プロジェクト長は言います。
「2年目からは、このキャンプの中でシューターも育成したいと考え、ビッグマンと併せて実施してきました。しかし、そうした特殊なポジションへの育成は、日本代表チームの合宿でも行うことから、初年度のコンセプトであった長身者のタレントを1人でも多く発掘・育成し、日本代表チームに送り込む目的に戻しました」

 長身という恵まれた体格を持った選手にファンダメンタルを徹底させることで、その中からガードやシューターの適性を持つ選手が現れてくれば、別途指導していこうというわけです。そのため、より多くの選手に門戸を開くべく、今年度から中学生は学年に関係なく一律「185cm以上」の基準に設定しました(小学生は180cm程度)。学年別に細かな基準を設けると、例えば選考の段階で基準に足りない選手が、その後に身長が急伸し、基準をクリアしたとき、その才能を伸ばす時期が遅れてしまうと考えたからです。

 昨年度の基準(中学3年生は190cm以上)では選ばれなかった小玉 大智選手(東京・実践学園中学校 3年/185cm)は、今回で3回目のジュニアエリートアカデミー参加になります(第1回、第2回、そして今回の第4回に参加)が、「僕は決して運動能力が高いわけではないので、トーステンコーチが教えてくれる基本に忠実なプレイを身に付けたいと思っています。能力ではどうしてもアメリカ人などに敵わないと思うので、バスケIQなどを高めて、世界で勝負できる選手になりたいです」と意気込みます。

 また、横地 聖真選手(愛知・春日井市立岩成台中学校 2年/187cm)は「自分のチームではチームメイトの身長が小さくて、自分が引っ張っていかなければいけません。だからもっとうまくなりたいと思って応募しました。実際にキャンプに来てみて、やはり周りは大きい選手ばかりで楽しいです」と第1回キャンプの感想を述べていました。
 横地選手は最後に行われたマルチステージシャトルランで、基準とされた130回を唯一クリアした選手(134回)。「トライアウトのときに129回で、コーチが『そのときより悪かったらダメだぞ』と言うので、頑張ろうと思って最後まで走り抜きました」。

 第1回のキャンプでは、カーテンを挟んだ隣のコートで男子U-16日本代表チームが強化合宿を実施していました。その中には同じ年齢の選手も数名入っています。それを刺激にして「いつか自分もカーテンの向こう側に行ってやる」という気持ちが芽生えたのだとしたら、それもまたジュニアエリートアカデミーの第1回キャンプとしては成功だったと言えます。
 約50名の応募者の中から選ばれた15名の選手たちが、残り5回のキャンプでどこまで成長するのか。彼らの挑戦はまだまだ始まったばかりです。

 
■第1回キャンプ 主な実施プログラム

■1日目 10月16日(金) 午前
・メディカルチェック・フィットネスチェック

■1日目 10月16日(金) 午後
・フィジカルトレーニング
・スキルトレーニング
・英会話講習

■2日目 10月17日(土) 午前
・朝練習(シューティングドリル)
・スキルトレーニング
・フィジカルトレーニング

■2日目 10月17日(土) 午後
・スキルトレーニング
・フィジカルトレーニング
・栄養講習
・チームビルディング
・メンタルトレーニング
・学習(各自の課題)

■第3日目 10月18日(日) 午前
・朝練習(シューティングドリル)
・スキルトレーニング
・フィジカルトレーニング

<練習メニュー 一部紹介>
クローズアウト(45°ポジションボールマンの守り方)
https://youtu.be/QJg0k9OyBNo

 
■第1回キャンプ 参加スタッフ

【バスケットボールスキル担当】
トーステン・ロイブル(男子ジュニア専任コーチ)

【フィジカル担当】
國友 亮佑(JBA)

【英会話講習担当】
山田 貴子(WAKU WORK ENGLISH)

【栄養指導担当】
石垣 小百合

【チームビルディング・ライフスキル】
神田 義輝

【心理カウンセリング担当】
奥野 真由(JISS)

【トレーナー】
西村 航(JBA)

【映像撮影】
加藤 俊太郎

【ジュニアエリートアカデミープロジェクトスタッフ】
佐々木 三男(慶應義塾大学)、村上 佳司(國學院大學)、古海 五月(JBA)、本永 昌生(通訳)

【アシスタントコーチ(研修)】
大渕 秀子(さいたま市立大久保中学校)、大島 洋介(JA全農とちぎ)、板倉 令奈