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ニュース

平成28年度ジュニアユースアカデミーキャンプ 第5回キャンプ開催報告

2017年2月7日

心理講習ではフラフープを使ってチームワークが試された

実戦的なイメージを植え付けながら、ファンダメンタルドリルを繰り返した

 1月27日(金)~29日(日)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて、平成28年度ジュニアユースアカデミーキャンプの第5回キャンプを開催しました。
 最終回となる今回は、男子U-16日本代表チームの強化合宿と並行して実施。しかしジュニアユースアカデミーキャンプとしてやるべきことは変わらず、この年代で身につけておくべきファンダメンタルを繰り返しました。ただ、その強度は高まっており、指導するトーステン・ロイブルコーチも「非常にレベルの高いコーディネーションドリルを行いました。これは第1回キャンプでは絶対に出来なかったもので、それだけ選手たちが成長していることを意味します。その観点からも私は今回のジュニアユースアカデミーキャンプに十分満足しています」と胸を張ります。

 その言葉どおり、選手たちの言動にも成長のあとが見てとれました。野口 侑真選手(鹿児島県・薩摩川内市立川内中央中学校 3年)は、「今回が5回目ということでみんなとの仲も深まりました。でも、これまでの合宿でその仲の良さがなれ合いになったこともあったので、今回のキャンプは『自分たちでしっかり取り組んでいこう』という声が上がって、そういうキャンプができました」と振り返ります。
 ジュニアユースアカデミーキャンプからは6名の選手が、男子U-16日本代表チームの強化合宿に参加していますが、野口選手は選ばれなかった選手の一人です。一緒に練習しているチームメイトが、ときに異なるコートで練習をしていることを目の当たりにして「悔しいです。今はレベルが違うと認めるところもありますが、やはり隙があれば日本代表候補入りを狙っていきたい」と日本代表候補入りしたチームメイトから、今後の刺激を得ていました。

 山本 明プロジェクト長(技術委員会 ユース育成部会長)は、今年度のジュニアユースアカデミーキャンプを「中学生年代のビッグマンを中心に行うキャンプですが、これをきっかけに『世界を目指そう』という意識を持たせ、必要なスキルやフィジカルを浸透させる。そうすることが、数年後の日本代表に貢献する人材を育成することにつながるのではないかと思っています」と位置づけます。
 数年後の日本代表を見据えながらも、6名の選手が男子U-16日本代表チーム候補選手に選ばれ、彼らは元日からのチェコ遠征にも参加しました。

 そのうちの1人、結城 智史選手(東京都・世田谷区立梅丘中学校 3年)は、これまで筋力トレーニングを全くやっておらず、第1回キャンプでは腕立て伏せもままならない状態だったと振り返ります。しかし佐藤 晃一パフォーマンスコーチの指導を受け、日常生活でも腕立て伏せや体幹トレーニングを実施していくことで、少しずつ体が変わってきたと言います。
「おかげでフィジカルコンタクトにも少し強くなってきましたし、シュートも楽に打てるようになりました。ただチェコ遠征では相手選手の当たりが強くて、まだまだ体の強さが足りないことを感じました。今は男子U-16日本代表候補選手に選ばれ、今年開催されるFIBA ASIA U-16選手権大会に出場し、アジアのビッグマンにも負けない体を作りたいと思っています」
 キャンプを通じて自らの変化を楽しみながら、それでいて今後に向けた目標をそのように語ってくれました。

 また、星川 堅信選手(栃木県・宇都宮市立鬼怒中学校 3年)も男子U-16日本代表候補選手に選ばれた一人であり、なおかつ彼は昨年度のジュニアエリートアカデミーにも参加した選手です。
「キャンプのドリル自体は昨年度と大きく変わっていませんでしたが、1月のチェコ遠征で、外国の大きな選手と対戦したときに(これまで身につけてきた)自分のスキルがまったく通用しませんでした。国内で練習をするときはどこかで日本人の大きな選手を相手にイメージしていたのですが、チェコ遠征を終えてからは、ジュニアユースアカデミーキャンプでも世界の高さをイメージして、ボールをより高く上げたり、ステップの幅を変えたりするようにしました」

 国内のビッグマンが集まるキャンプですが、その目的は山本プロジェクト長も話すように、世界で通じるスキル、フィジカルやメンタルを育成することにあります。そういう意味でも男子U-16日本代表チームの強化合宿と連動できたことは、キャンプの質をより高めることにもつながっています。
 星川選手はまた、スキルトレーニングのデモンストレーションだけでなく、心理講習といったスキル以外の講習会でも積極的に手を挙げ、行動、発言をすることが目立った選手でした。
「昨年度は練習についていくのに精一杯でしたが、今年度はデモンストレーションにも積極的に出ていくことができたと思います。2年目と言うこともあって、最初のころは意識してそうしようと思っていましたが、今回の心理講習では自分から『発言したい』という気持ちが沸き上がって、手を挙げました」
 このように、選手たちはキャンプを通じてスキルやフィジカルだけでなく、メンタル面の強さも磨きました。

 キャンプの最後に、今後について、ロイブルコーチはこうエールを送ります。
「今の日本はすべてにおいて、何でもできる選手が多いように思います。ある程度のドリブルができて、ある程度のパスができて、ある程度のディフェンスもできる。でも突出したものがありません。選手たちには一つ、これといった武器を身につけてもらいたいと思います。能力を高めるためにはこうした練習をしなさいということは、キャンプを通して教えてきました。あとは彼らが『自分は何になれるのか』『自分は何に優れているのか』を認識して、継続して努力を続けてほしい。今年度のジュニアユースアカデミーキャンプに選ばれた15名は、何か特別なものを持っているから選ばれたのです。彼らはもっともっといい選手になれる可能性を持っています」

 一方で、キャンプそのものについての課題も残りました。一つはビッグマンの不在です。今年度は194cmが最高身長で、過去のキャンプのような2m前後の選手はいませんでした。山本プロジェクト長は「190cm前後で3番ポジションまでできる選手が増えてきたことはよいことですが、このキャンプはガードやフォワードを育成するためのものではありません。日本に足りない、4番、5番ポジションを担う2mを超えるような選手を継続して発掘していきたいです」と言います。
 また、今年度は下級生(中学2年生以下)がいなかったために、来年度につなげる選手がいなかったことも課題として挙げられました。

 今年度のジュニアユースアカデミーキャンプについて、山本プロジェクト長に総括してもらいました。
「選手たちは、早く自分より上のレベルの選手がいることに気づくことが大切です。むろん、そうした環境を作るのは我々大人であり、彼らが経験できる環境を与えることで、彼らの意識を変えていきたいと思っています。ただ、それは決してエスカレーター式ではなく、一段一段の階段であり、その間にあるハードルを選手たち自らが超えていかなければいけません。そこを乗り越えた人には、さらに上につながる道があることを示したいわけです。今後も、そうしたシステムを日本協会として作り上げ、彼らが頑張るモチベーションにしたいと考えています」
 今後の課題はありますが、スキル、フィジカル、メンタルとさまざまな分野で選手たちの成長が見られた、今年度のジュニアユースアカデミーキャンプとなりました。

 
■平成28年度ジュニアユースアカデミーキャンプ
 第5回キャンプ 主な実施プログラム

■1日目 1月27日(金) 午後
・心理講習
・スキルトレーニング①
・フィジカルトレーニング
・プレワークアウト
・スキルトレーニング②

■2日目 1月28日(土) 午前
・朝練習(シューティング)
・プレワークアウト
・スキルトレーニング

■2日目 1月28日(土) 午後
・プレワークアウト
・スキルトレーニング
・医科学講習(2コマ)

■3日目 1月29日(日) 午前
・朝練習(シューティング)
・プレワークアウト
・スキルトレーニング

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。