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平成29年度ジュニアユースアカデミーキャンプ 第1回キャンプ 開催報告

2017年10月16日

さまざまな種類のドリブルコーディネーションドリルに取り組む選手たち

チームディフェンスのローテーションドリルなど、実践的な練習も行われた

 10月7日(金)~10月9日(月・祝)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて、平成29年度ジュニアユースアカデミーキャンプの第1回キャンプを開催しました。
 当初は男女ともに行う予定でしたが、女子は参加基準に達する選手がいなかったため、今年度も男子だけのキャンプとなります。第1回キャンプには、トライアウトを経て選出された16名のうち、ケガで不参加となった1名を除く15名が参加し、さまざまなメニューに取り組みました。

 技術面で主な指導を行うエルマン・マンドーレコーチは「コンセプト自体は、私が主に指導を担当しているU14ナショナル育成キャンプと変わりません。長身者であろうと、テクニックのある選手であろうと、14~15歳の選手を見るべきポイントは同じです。すなわち、きちんとパスが出せているか、ドリブルができているか、オフザボールの動きができているか、などです」と、キャンプ全体の構成について、そう話します。
 さらにマンドーレコーチはこう付け加えます。「そのなかでも選手の直すべき点を見ながら、そこにハードな条件を入れてもそのプレイができるかどうか。そうやって選手たちの成長を促すようにしています」。

 例えば、このキャンプでは、左サイドのゴール下でシュートを打つときは、原則として左手で打つように指導されています。しかし慣れない選手たちはつい右手で打ってしまい、その度に腕立て伏せを課せられます。もちろん罰といった重たいものではなく、しっかりとした意図があります。マンドーレコーチ曰く「大切なことは間違った習慣にさせないことです。それを理解してもらうためのフックとして、腕立て伏せをさせているのです」。
 選手たちもそれを理解してきたのか、3日目になるとマンドーレコーチに指摘される前に、自主的に腕立て伏せを始める選手が出てきました。マンドーレコーチが「なぜ腕立て伏せをしているのか?」と聞くと「右手で打ってしまったので…」と素直に自分の判断ミスを認めていました。

 その他にも、テニスボールやハンドボールよりも少し小さいゴムボール、風船などを使ったドリブル系のさまざまなコーディネーションドリル、さらにチームディフェンスのローテーションドリルなど実践的な練習も行われました。
 実践的なドリルでは、「一人でプレイしないで、よりよい判断をしてチームでシュートを打とう。もっとチームメイトを信じよう」「『考えて、気づいて、アクションを起こす』。これを1秒でできる選手がよいバスケット選手だよ」といった、バスケット選手としての核になるようなフレーズをかけられる一方で、前日に練習した技術が、実践になるとできなくなる――例えばボックスアウトの練習をしながら、実践ではそれをしなくなる――ことを厳しく注意されたり、佐藤 晃一パフォーマンスコーチからも「『このドリルではオフェンス役の選手がここで止まってくれるだろう』と思って守ったらダメ。真剣に止めに行こう。オフェンスも真剣にアタックして、得点を取りに行く姿勢を見せて、ディフェンスはそれを止めよう」と、練習に取り組む姿勢についての指摘がありました。

 こうしたコーチングスタッフのアドバイスを受けた佐々木 駿汰選手(秋田県・八郎潟町立八郎潟中学校 3年)は、「最初はレベルが高くて、ついていけるか不安もありました。でもコーチングスタッフの方々が『ハートが大切だ』とアドバイスをくれたことで、2日目以降は全力で戦う意識を持って練習することができました」とキャンプの手応えを語ります。

 トライアウトを通過した16名のうち、3名は中学2年生です。その一人、一村 舞人選手(鳥取県・鳥取市立中ノ郷中学校 2年)は、キャンプの夜に行われる講義が印象に残ったと言います。「大切にしてほしい3つのことがあって、そのなかの『フィジカルトレーニング』と『バスケット愛を深める』がすごく印象に残っています。特にバスケット愛については、キャンプだけでなく、自チームの練習でも前面に押し出して取り組みたいと思います」。

 2人はもちろんスキルドリルの難しさやフィジカルトレーニングの重要性にも言及していましたが、それ以上にバスケットに取り組む姿勢をしっかりと学び取って、第1回キャンプを終えました。

 マンドーレコーチは「レベルとしてはまだまだ成長しなければいけないところはありますが、そのなかでも選手たちの可能性を感じています。未来の日本代表になりうる身長を持っている選手もいますし、その夢を実現させるためにも、個人でもっと練習をして、成長してもらいたいと思っています」と振り返りました。

 緊張のなかで始まった今年度のジュニアユースアカデミーキャンプ。第2回キャンプは、10月20日(金)~22日(日)に予定されています。

 
■平成29年度ジュニアユースアカデミーキャンプ 第1回キャンプ 主な実施プログラム

■1日目 10月7日(金) 午後
・開講式
・栄養講習会
・クリニック
・講義

■2日目 10月8日(土) 午前
・朝練習
・クリニック
・講義

■2日目 10月8日(土) 午後
・クリニック
・講義

■3日目 10月9日(日) 午前
・朝練習
・クリニック

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。