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ニュース

平成29年度U15ナショナル育成キャンプ 第4回キャンプ 開催報告

2017年12月13日

最後まで一つのチームとして練習に取り組んだ男子のU15ナショナル育成キャンプ

練習の前後には佐藤 晃一パフォーマンスコーチがフィジカル面でのトレーニングを行う

 12月1日(金)~3日(日)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて、平成29年度U15ナショナル育成キャンプの第4回キャンプを開催しました。
 最終回となる今回は、前回のキャンプから男子が16名、女子が17名にまで絞られ、冒頭、山本 明ユース育成部会部会長から「初心を忘れないように」「感謝を持ってキャンプに臨もう」、そして「選ばれたことへのプレッシャーに負けないように」と声をかけられ、スタートしました。

 初日にはトーステン・ロイブルコーチから、ルール変更があったトラベリングについて、ビデオを使った説明があり、そこから佐藤 晃一パフォーマンスコーチの主導によるプレワークアウトが男女揃って行われました。その後、男女に分かれて練習が始まると、男子はコーディネーショントレーニングや正しいボールの受け方、パス&ラン、さまざまな形でのモーションオートマティックの練習を実施しました。
 最終回のキャンプとなった今回でも、個人のファンダメンタルを入れた理由を、ロイブルコーチは「選手たちはこのキャンプを終えると、数か月間(高校に入学するまで)、チームで体を動かすことができないと思うので、それでもその間、練習をしておかなければいけません。一人で練習をするときでもポイントをしっかりと抑えて、自分でトレーニングをしてほしいというメッセージでもあります」と言います。

 また、ロイブルコーチは最終回となる今回のキャンプを「選手たちにさまざまな競争をさせてエキサイトできる、挑戦するキャンプにした」と言います。その言葉どおり、今回のキャンプを通じて競争する練習が多く、また練習の最後には毎回1対1の競争を行いました。
「日本は1対1がさほど強くありません。正しい1対1を教わっている選手が少ないと言ってもいいでしょう。コーディネーショントレーニングで能力を高め、瞬発力を有効活用し、ピボットや体の向き、それらをゲームにリンクさせて競争をさせていく必要があります。だから毎回、1対1の競争を必ず入れているのです。そうすることで選手たちの1対1にも激しさが出てきます」
 そうした1対1の激しさが、ドライブからのキックアウト、エキストラパスといった日本に見合うチームバスケットをしたときにも効果が発揮されるのだとロイブルコーチは言います。

 最終キャンプに参加した丸山 賢人選手(兵庫県・西宮市立高須中学校)は、「近畿地区で通用することがここでは通用しませんでしたが、4回のキャンプを経験して、みんな協力していい経験ができたと思います」と振り返ります。シュートを得意とし、将来は日本代表入りを目標とする丸山選手。「僕のチームはあまり声を出さないので、ここに来ても最初のころは消極的でしたが、キャンプを通じて積極的に前に出ていくことの大切さを学びました」

 多くの選手が憧れる日本代表候補選手に、一足も二足も早く入り、そのレベルの高さを経験できたのが田中 力選手(神奈川県・横須賀市立坂本中学校 3年)です。飛び級でU16日本代表候補入りした田中選手は、その後、FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区 1次予選を戦う日本代表候補にも選出されました。
「日本代表で自分の通用するところと、通用しないところがはっきりとわかったので、このU15ナショナル育成キャンプは自分にとって、うまくならなければいけない場所です。何もせずに(日本代表に)チャレンジするよりも、たとえみんなにうまくできていないと思われても、今の自分にできていないところをこのキャンプでしっかり取り組もうと思って、臨みました」

 キャンプへの意識をそう語る田中選手は、U15ナショナル育成キャンプのなかでリーダーシップをとっていた選手の一人です。「今、とてもありがたいことに、僕はさまざまなところで取り上げていただいています。だからこそ、それなりの態度、それなりのリーダーシップをとらなければいけません。このキャンプではロイブルコーチからも『リーダーシップを出せている』と言っていただけましたし、今後は年齢に関係なく、U16日本代表候補でも、日本代表候補でもそうしたリーダーシップがとれるようにしたいと思います」
 U15ナショナル育成キャンプは技術やフィジカル、栄養などさまざまな視点から選手を育成していますが、田中選手のようにリーダーシップを学ぶこともできるキャンプでもあるのです。

 一方の女子は、これまで積み重ねてきたドライブからのキックアウトやオフボールサイドでのスペーシング、スクリーンに加えて、今回はオンボールスクリーンに取り組み、それを4対4、5対5といった実戦に近い形でどのように使うかを練習しました。
 順調に見えたキャンプですが、メインで指導する萩原 美樹子コーチは「初めてやった子もいるでしょうから、仕方がないのですが」と前置きをしたうえで、「まだまだ、あまりうまくできていません」と表情を曇らせていました。
「まだまだ、ディフェンスを見て判断することのできていない選手が多いです。ヘルプディフェンスが寄っているからキックアウトなのに、それを見ずに感覚的に出してしまう子が多かったです」

 さらに今回は所属する中学校で期末テストがあった後ということもあり、コンディションがいまひとつ整っていない選手も数名いました。
「テストがあることは十分に理解できます。しかし我々の立場からすると、期末テストと同様に、このキャンプがあったこともわかっていたはず。ましてや今回は前回のキャンプから選抜されているわけです。裏を返せば、そこで落とされた選手もいるわけですから、選ばれた選手としてはやるべきことがあったのではないかと思います」
 これは第1回キャンプが始まる前に、山本ユース育成部会部会長が言っていた言葉でもあります。練習もさることながら、そうした意識の持ち方、勉強との両立という難しい状況にあっても、自分を律することができるかどうかが、今後さまざまなカテゴリーの日本代表に選ばれるには求められる要素でもあります。

 もちろん反省点ばかりではなく、萩原コーチは「今年度の子たちは非常に明るく、ムードメーカーもいましたし、こちらの言っていることに理解を示そうとか、やろうとしていることにコミュニケーションを取れる子が多く、その点ではスムーズにキャンプを進めることができました」と一定の手応えを感じていました。

 西村 春佳選手(山口県・岩国市立美和中学校)は、「山口県ではもちろん、市内でも4位に入るようなチームの私が今回、U15ナショナル育成キャンプに呼ばれて、今までできていなかったことができるようになってきたし、力にもなってきているのを実感できます」とキャンプを振り返りました。
「自分のチームにはちゃんとしたガードがいないのですが、ここに来ればスピードと技術のあるガードがいて、どんどん抜かれていくので、すごいなと感じました。私もこれからはスピードのある選手になっていきたいと思います」

 日野 華希選手(愛知県・弥富市立弥冨北中学校)は、昨年度のU-14ナショナルジュニアユース育成キャンプにも参加していました。「昨年より練習のレベルが上がり、頭を使うものが多く、少し混乱しましたが、最後のキャンプでは慣れてきて、スムーズにできるようになりました。自チームでやっている基本的なステップもありましたが、ここでやることによって、改めてその大事さを感じ、もっと精度を上げていきたいと思いました」と振り返ります。
 日野選手のポジションはガード。ガードは多くのライバルが混在していましたが、「私はライバルが多い方がいい。うまい人たちと一緒に練習をすることで、レベルを上げることができたと思っています」と、手応えも感じているようでした。

 手応えとともに、反省、今後の課題も残ったU15ナショナル育成キャンプですが、反省・課題は成長できる余地がある証拠でもあります。それらにどう取り組むかが、高校進学後のステップアップにもつながります。U15ナショナル育成キャンプを通じて、それらに気付いた彼ら、彼女らの今後の活躍に期待したいと思います。

 
■平成29年度U15ナショナル育成キャンプ 第4回キャンプ 主な実施プログラム

■1日目 12月1日(金) 午後
【男子】
・クリニックⅠ
・スクリメージ

【女子】
・クリニックⅠ
・トレーニング
・講義

【共通】
・栄養講習会

■2日目 12月2日(土) 午前
【男子】
・朝練習(スキルトレーニング)
・クリニックⅡ

【女子】
・朝練習(シューティング)
・クリニックⅡ

■2日目 12月2日(土) 午後
【男子】
・クリニックⅢ
・トレーニング

【女子】
・クリニックⅢ
・トレーニング
・講義

■2日目 12月3日(日) 午後
【男子】
・朝練習(スキルトレーニング)
・クリニックⅣ
・トレーニング

【女子】
・朝練習(シューティング)
・クリニックⅣ
・トレーニング

 
※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。