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ニュース

2018年度ジュニアユースアカデミー 第4回キャンプ 開催報告

2018年12月16日

激しい攻防に選手たちの表情も第1回キャンプから大きく変わった

ピック&ダイブなど国際大会で必要とする技術をしっかりと学んだ

 11月16日から18日まで味の素ナショナルトレーニングセンターで「2018年度ジュニアユースアカデミー」の第4回キャンプが行われました。先月6日にスタートした同アカデミーも今回で最終回となります。

 今回も「U14ナショナル育成センター」のキャンプと同日開催で、先に練習を終えたU14のフィジカルトレーニングと時間が重なってしまったため、初日の練習はまず男女合同でトステン・ロイブルコーチによるコーディネーションドリルから入りました。
 その後、男女分かれて、練習を進めていきます。男子はスペーシングと動き出しのタイミングなど、モーションオフェンスの基本となる動きを学び、その後、近年ヨーロッパなどでも取り入れられているという「3×3(スリー・バイ・スリー)」のルールに則った練習をしました。12秒という短い時間で攻撃をし、攻守の切り替えが5対5以上に激しい3×3。12秒のプレッシャーと、休む間もなく攻守を切り替えなければいけないストレスのなかでの練習に、これまでさまざまな練習を重ねてきた選手たちも息を上げていました。
 そんな選手たちの成長をロイブルコーチは「Very well(非常にいい)!」と認めます。「私としても驚くほどの成長を遂げてくれました。それまでインサイドしかやったことのない選手が今では1対1の競争でボールハンドリングをしてアタックし、3×3ではポップアウトや、タイミングのいいカッティングなど、スペーシングを理解してくれています。非常によい成長だと思うし、私としてもすごく嬉しいです」
 その嬉しさは、彼らが単に理解を示すということだけではなく、実践で体現するところに拠ります。そのためロイブルコーチも何度となく「グッドオフェンス!」と声に出していました。

 富山仁貴選手は兵庫県立淡路三原高校という、全国的には無名の高校からこのキャンプに参加しています。高校進学のときには県内の高校から勧誘もされたそうですが、地元の高校を選んだと言います。「その選択をした僕が今どのくらいのレベルにいて、全国の強豪校や、そこに行くような中学生たちが集まってくるこのキャンプでどれだけできるのか、チャレンジするために応募しました」と応募理由を語ります。当初はなかなか積極的なプレーが出せなかった富山選手ですが、回を重ねるごとにコーチングスタッフからの評価も上がるほど、大きな変化が見られました。富山選手自身も「これを機にバスケットに対する意識をもっと高く持って、でも勉強も疎かにせず、大学でもバスケットが続けられるよう、毎日努力していきたいです。そしてここに選ばれたことで日本代表ということも意識し始めています」と自身の変化に気づいているようでした。

 195センチの上背を持つ山﨑一渉選手(千葉・松戸市立第一中学3年)も、そのポテンシャルを大いに発揮し、コーチングスタッフを驚かせていました。「最初は自分のプレーをしても、みんな身長が大きくて通用しないところもありました。でもキャンプを重ねるごとに慣れていって、このタイミングなら打てるとか、今のままのスピードじゃ通用しないということがわかって、よかったです」。体づくりはまだまだこれからですが、「体の当て方などを詳しく、わかりやすく教えていただいたので、それを1回目のキャンプからずっと実践しています。ちょっとは身についてきたかな」と4回のキャンプに手応えを感じていました。

 一方の女子は2つのボールを使ったドリブルドリル、シュートドリルといった基礎をもう一度復習したのち、ピック&ダイブと、ヘルプサイドからのリフトなど「モーションオートマティック」の練習への展開していきました。そこでは「どのディフェンスを見て次のプレーを判断するのか」といった判断基準の細かいところまで指導がなされていました。
 2日目はオフボールのスクリーンを使ったプレー、3日目はより多彩なオンボールスクリーンなどが練習メニューに組み込まれました。
 女子を指導する萩原美樹子コーチも彼女たちの成長ぶりを「うまくなっている」と認めます。そのうえで最後のキャンプは、第2回キャンプで選手たちがノートに書いた「自分の目標とこのキャンプで達成したいことをもう一度見てもらいました。やはり目標は書くだけでは意味がありませんので、今回(第4回)のキャンプでどう過ごすべきかを始まる前に問いました。その点でいえば、前回よりよく声が出ていましたし、前回注意されたことを意識してきたなと感じました」と振り返ります。

 吉沢楓彩選手(滋賀・日野町立日野中学3年)は顧問の先生に勧められて、アカデミーに応募してきたと言います。彼女自身は「トライアウトで落とされてしまうだろうと思っていたら、受かってしまって……」と笑いながら、「でも受かって、本当によかったです」と言います。「アカデミーに参加する前はボディーコンタクトが弱くて、嫌いだったんです。相手から逃げるようなところもありました。でも4回のキャンプでボディーコンタクトの大切さや、やり方がきちんとわかってきたら、自分から積極的にやれるようになりました。めっちゃ変わったと思います」と、彼女もまた自身の変化に喜んでいました。

 また女子初のアカデミーで最長身の朝比奈あずさ選手(神奈川・横浜市立洋光台第二中学3年)は「これまでスクリーンプレーでは使われる側(スクリーナー)ばかりで、使う側(ユーザー)は初めてやりました。ドライブに行くこともあまりなかったから、そうしたプレーができるようになって成長できたと思います」とキャンプを振り返ります。コーチングスタッフの要求に対して、素早く対応するなど実力を見せた朝比奈選手。「コツを掴めば何となくできましたが、ディフェンスがバッと出てきたときのボールの処理はまだ難しかったです」と、自身の細かい課題をすでに把握しているところも、このアカデミーを通じてさらに成長できたところでしょう。

 しかし彼ら、彼女らにとってはアカデミーを終えたこれからのほうが大事になります。そのことについてロイブルコーチは「ここに彼らが選ばれたのには理由があります。才能だけでなく、スペシャルな能力もあり、彼らならいずれこうなるという希望がそれです。彼らならばアンダーカテゴリーの日本代表を経て、将来の日本代表に入れると信じています。ただこのアカデミーに入れたことがプレゼントだとは思わず、むしろこれを責任と捉えて、これからもっと成長して、もっと努力して、その責任の意味を理解してくれると期待しています」とエールを送ります。萩原コーチは「4回のキャンプで、たとえば20個教えたことがあったとしたら、そのうちの1つでいいから彼女たちの中に残っていてほしいと考えます。2泊3日のキャンプを4回やったくらいでは、もちろん刺激にはなったと思いますが、何かが大きく変わるような影響は持てないと思います。でも20個教えたことのうち、1つ残ったらそれは大成功です。それがスキルじゃなくてもいいです。選ばれた自覚でもいい。将来それを『ジュニアユースアカデミーで教わったな』と思い出してくれれば、それは我々がやってきた4回のキャンプに大きな意味があったと言えます」と総括します。

 ジュニアユースアカデミーに応募し、トライアウトを経て、参加したキャンプの成果が出るのはもう少し後かもしれません。しかし選手たちの表情は最後まで明るく、それが日本の未来を照らしているようでもありました。

 
■2018年度ジュニアユースアカデミー 第4回キャンプ 主な実施プログラム

■1日目 10月6日(土) 午後
・開講式
・クリニック
・栄養講習
・心理講習

■2日目 10月7日(日) 午前
・朝練習:シューティング
・クリニック
・トレーニング

■2日目 10月7日(日) 午後
・クリニック
・講義

■3日目 10月8日(月・祝) 午前
・朝練習:シューティング
・トレーニング
・クリニック

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。