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女子U19日本代表:第1次強化合宿 開催報告「U19に入って、絶対に世界の国々と試合をしたいです」中村華祈選手

2021年3月31日

スピードを生かしたドライブが武器の中村華祈選手

チームでも個人でもしっかりレベルアップするためにリーダーシップを発揮する林真帆選手

 2021年3月28日から31日までの4日間、「2020年度バスケットボール女子U19日本代表チーム 日本代表候補選手 第1次強化合宿」が、福島県双葉郡楢葉町にあるJヴィレッジと、ならはスカイアリーナでおこなわれました。2021年8月7日からハンガリーのデブレツェンで開催予定の「FIBA女子U19ワールドカップ」に向けた強化が目的の合宿です。今回の合宿には19名の候補選手が選出されましたが、平下愛佳選手(トヨタ自動車アンテロープス)は同時期におこなわれている「2020年度3×3女子日本代表チーム 第4次強化合宿」の参加メンバーに選ばれたために欠席。彼女を除く18名が元気に4日間の合宿に臨みました。

 本来であれば2020年度に「FIBAアジア女子U18アジア選手権」がおこなわれ、その結果でワールドカップの出場国が決定するのですが、新型コロナウィルスの影響で同大会が中止となり、国際ランキングを基に出場国が決定。アジアに組み込まれているオセアニア地区を含めて、アジア3位(世界ランキング11位)の日本にも出場権が付与されました。今回の合宿はチームとしての戦術を重ねるというより、世界で戦うためのファンダメンタル、つまり日本国内にいるだけではわかりえない高さをイメージしたフィニッシュドリルや、スクリーンプレー、それに対するディフェンスの基本を選手たちに伝えていきました。

 萩原美樹子コーチは選手たちの印象をこのように語ります。
「新型コロナウィルスの影響でコンディションとしてはまだまだゲームができるコンディションではないと感じました。しかし個人スキルに関しては非常に高いという印象です。フィニッシュドリルだけを切り取っても、そこに身長の大きいディフェンスが入ってくると異なると思いますが、少なくとも教えたことがすぐにできるかどうかで言えば、みんな、かなり早くできていましたし、上手だなと感じました」
 
 そうしたスキルレベルの高い選手たちだからこそ、萩原コーチや薮内夏美コーチ、石川幸子アシスタントコーチも、より細かいところを選手たちに求めていきます。たとえば一方のサイドでピック&ロールがおこなわれる際、ヘルプサイドのビッグマンが素早くリフトすることで、そのディフェンスがペイントエリア内に残らず、そのスペースにボールマンがアタックできる。ポイントガードが全力でプッシュすることにより、他のディフェンスがボールラインまで下がるため、エントリーパスが出しやすくなる。そういった世界で戦うための細かい注意点も伝えられ、選手たちも真剣に聞き、実践していました。

 練習開始のハドルでは萩原コーチが「メダルを獲る練習をしましょう!」と声を掛けていました。萩原コーチが女子U19日本代表のヘッドコーチとして戦った過去2大会は、2017年大会が4位、2019年大会が8位と、入賞レベルを保っています。しかし2021年大会で目指すところはさらに上のレベルです。
「昨日のミーティングでも選手たちには、4位から8位のところを越えたいという話をしました。そういうところで必要になるのは、連戦を戦っていくだけのタフな身体とメンタルです。前回大会も準々決勝の、ターゲットゲームだったベルギーに負けてから、ガクッときてしまって、戦ってはいるのですが勝ちきれませんでした。順位を上げていくためにはポイントとなる試合で勝つために強くいられるメンタル。海外勢と当たっても自分たちのやるべきことをやりきるところを求めたいです。『みんなで』というメンタリティーを越えてほしいのです。もちろん『みんなで頑張る』のは大事なことで、日本の良さでもありますが、そのなかでもうひとつ抜き出て、私が引っ張ってやるという個の強さを選手たちにそれぞれ持ってもらいたいです」
 スキルや戦術の共通理解もさることながら、メンタルも含めた個々のレベルアップが国際大会で結果を残すためにはより必要になってくるというわけです。

 そうした萩原コーチの経験に基づく考えは選手たちにも少しずつ伝わってきているようです。林真帆選手(東京医療保健大学1年)は「私は早生まれで、年齢的に1つ上ということもあるので、しっかりとリーダーシップを取りながら、目標を達成できるように、チームでも個人でもしっかりレベルアップしてやっていきたいと思います」と話します。3ポイントシュートを得意とする林選手は得点力が魅力の選手ですが、その技を磨きながら、レベルアップした個々をチームとしてまとめる役割を自らに課しているようでした。

 女子U16日本代表選手に選ばれながらも同アジア選手権が新型コロナウィルスの影響で中止となり、出場の可能性もあったU17ワールドカップも大会が見送りになったため、悔しい思いをした中村華祈選手(札幌山の手高校3年)。彼女もまたU19ワールドカップ出場への強い意欲を持っています。「絶対にメンバーに入りたいです。U16とU17の大会がなくなったことで出られなくて、海外の選手の身体の当たりの強さを海外遠征では経験できましたが、本気の試合では経験できていません。U19に入って、絶対に世界の国々と試合をしたいと思っています」。合宿中にも何度か萩原コーチから「いいドライブだ」と賞賛された中村選手の武器はスピードを生かしたドライブです。そこにいくつかのバリエーションを持ったフィニッシュを加えていきたいと意気込みます。

 新型コロナウィルスの世界的な感染動向が読めないため、当面は例年通りの日程で、国内合宿を重ねたいと萩原コーチは言います。海外遠征ができないことは、フィジカルコンタクト等、国際基準に触れていない選手たちには不利に働くこともあります。それでもコーチと選手たちは、なお続くコロナ禍においても合宿ができる喜びと感謝を抱いて、よりタフに戦おうとしています。