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女子ユニバ日本代表:第1次強化合宿レポート 選手の長所を引き出しながらレベルアップ

2021年12月20日

ポイントガードの鈴置 彩夏選手

パレイのりこ選手の強みであるフィジカルを生かしたプレー

 コロナ禍により1年延期となった「成都2021 FISU ワールドユニバーシティゲームズ」(2022年6月開催予定)へ向け、2021年度女子ユニバ日本代表チームは12月17日 (金)~19日 (日) の期間、栃木県内にて第1次強化合宿を実施。 2年に1度行われるFISU ワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)は、成都大会後は通常のスケジュールに戻るため、2023年夏にも開催が予定されています。両方のターゲット世代となる大学生24名を招集し、強化を図るとともに選手選考が行われました。

 女子ユニバ日本代表は2017年台北大会で銀メダル、2019年ナポリ大会では4位と常に上位の成績を収めています。1年延期より、大学を卒業したWリーグで活躍する2年目の選手までが対象となります。銀メダルメンバーの小笠原 美奈選手(東京羽田ヴィッキーズ)、藤本 愛妃選手(富士通レッドウェーブ)、中田 珠未選手(ENEOSサンフラワーズ)や、中田選手とともに女子日本代表として今年9月のFIBA女子アジアカップで5連覇を達成した永田 萌絵選手(トヨタ自動車 アンテロープス)ら逸材が揃っています。

 その中に割って入るべく、佐々木 真弓アシスタントコーチは「選手たちの良い部分を引き出していくためにも、極力シンプルに分かりやすく伝えて、プレーの幅を持たせることを意識しています」というテーマで今合宿が行われました。

 佐々木アシスタントコーチは、「質の高いものを追求していくためには、細かい部分も大事になります。この短期間でそれを吸収して、表現できるかというところを突き詰めていかなければなりません」と話し、レベルアップを図ります。FISU ワールドユニバーシティゲームズだけではなく、大学生たちにとってはWリーグ入りを目指すためにも、小笠原 真人ヘッドコーチと玉城 耕二アシスタントコーチはスキルを高めるための様々なドリルを伝授し、松野 慶之スポーツパフォーマンスコーチによるトレーニングも充実させています。

 インカレ5連覇を達成した東京医療保健大学の4年生、パレイのりこ選手は「自分の一番の強みはフィジカルだと思っていますが、それだけでは海外を相手には通用しません。ドライブや3ポイントシュートなども必要になってくるので、そこを磨いています」と言い、今後を見据えて多くのことを吸収しています。鈴置 彩夏選手(白鷗大学3年)も「日本は世界と比べて小さいので、運動量でディフェンスもオフェンスもカバーしていかなければいけないです。しっかり動き回って、海外の選手を翻弄できるようにしたいです」と世界へと視野を広げながら、ポイントガードとしてチームを引っ張っていました。

 トップとなる女子日本代表を率いる恩塚亨ヘッドコーチは、「世界一のアジリティ」を追求しています。佐々木アシスタントコーチは、「日本の速さやシュート力はこのチームでも求めています。トランジションは日本が世界と戦うために追求してきた部分でもあるので、速さの中でプレーを組み立てることは女子ユニバ代表でも変わりません」と言い、一気通貫の強化を行い、底上げを目指します。

 恩塚ヘッドコーチの下で4年間学んできたパレイ選手は、「はじめての選手も多く、最初はみんなが緊張していました。その中で声を出すことやヘッドダウンしている選手がいれば声をかけたりすることで自分にとってもプラスになりますし、まわりの選手たちにも良い影響を与えることができます」とチームを明るくしてくれています。ポイントガードの鈴置選手も、「はじめて会った選手が多く、最初は名前もまだ分からない状況でした。でも、ポイントガードとしてゲームコントロールをしなければならないので、積極的に声を出していくように意識していました」という取り組みにより、日々チームとしての成長が見られました。

 今後はWリーグで活躍する選手を加えながら、「成都2021 FISU ワールドユニバーシティゲームズ」で金メダルを目指すチーム作りが続いていきます。