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第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州) 平成27年度女子ユニバーシアード日本代表チーム 3位決定戦でロシアに敗れるも、堂々の世界4位

2015年7月13日

ユニバーシアード日本代表でもできる、ということを結果で示した#4本多 真実選手

ドライブに手応えを感じた#5篠崎 澪選手は今後、#6近藤 楓選手とともにオリンピック予選メンバー入りを目指す

 「第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州)」にて、女子ユニバーシアード日本代表チームは銅メダルを賭け、ロシアとの3位決定戦が行われました。前日の準決勝で、アメリカとの死闘を終えてから、24時間も経っていない中での最終戦。疲労は隠せない中でも、選手たちはこれまで通り大きな相手を全員で守り、持ち前のドライブやブレイクという足を使った攻撃を起点としたチームプレイを発揮。しかし結果は60-71でロシアに敗れ、20年ぶりのメダル獲得はなりませんでした。

 「コンディションのこともありますが、それよりも今日は気持ちで相手に負けたと感じています」。#4本多 真実選手(デンソー アイリス)はそう敗因を挙げました。予選ラウンドで対戦した時とは違い、ウォームアップ中から大声を張り上げ、日本ベンチ前で何度も選手全員で円陣を組み、士気を高めていたロシア。しかし、#5篠崎 澪選手(富士通 レッドウェーブ)の3Pシュートで先制した日本。疲れや強豪国を相手に動じることなく自分たちのプレイができた第1ピリオドは、今大会を通じて日本が成長した点です。「スタートの最高身長が小菅(由香/三菱電機 コアラーズ)が180cmという小さい選手たちが、今日は破られてしまいましたが、これまではインサイド&アウトのディフェンスを今大会はよく踏ん張ってくれました」と萩原 美樹子ヘッドコーチは評価します。第1ピリオドはしっかり得点を返せていたのですが、“今日は破られてしまった”というアウトサイドのディフェンスがもう一歩手や足が伸びず、3Pシュートを決められ、27-40と13点差と開かれて前半を終えました。

 点差が離されても粘り強くやるべきプレイを遂行し、追い上げ、そして逆転を演じてきたのが女子ユニバーシアード日本代表チーム。#4本多選手が、「毎試合課題が出たのに対して、次の試合でしっかり克服でき、すぐに修正できたというのは今大会を通じて一人ひとりが成長できていたと思います」と言う点が、このチームの強さであり、試合毎に成長した証です。苦しい後半に追い上げを見せた日本は、ロシアと互角に戦いましたが11点差で敗れ、今大会4位で幕を閉じました。しかし、当初掲げていた目標はベスト8であり、それ自体が20年ぶりに果たすことができたのはユニバーシアード日本代表にとって快挙です。「本当にここまで来られたことが夢のような話」と本多選手が話すように、立派な成績を収めてくれました。

 ユニバーシアードという世界大会において、並み居る強豪国とメダルを賭けて真剣勝負ができたことは何ものにも代え難い大きな経験です。日本の女子バスケットの場合、有望な高校生が卒業後にWJBLに進む道が主流であり、そこが強化の中心になっているのは事実です。今年度の女子日本代表候補選手をみても、#5篠崎選手、#6近藤 楓選手(トヨタ自動車 アンテロープス)と同学年の渡嘉敷 来夢選手(WNBA/シアトル・ストーム)と山本 千夏選手(富士通レッドウェーブ)をはじめ、ユニバーシアード世代の選手が10人もいます。そのような中でも、ベスト8の目標をクリアし、世界4位の結果を残したことで、「大卒の選手たちがこれだけ日本のために頑張れるんだ、という意味では日本中の大学バスケ選手たちに良い影響を与えられたと思います。また、これからの日本を背負っていく選手が大学生の中にもたくさんいることを、良いテーマとして提供することはできたのではないかと感じています」と萩原ヘッドコーチは話していました。また、#4本多選手も、「ユニバーシアード日本代表でもできるんだぞ、ということを示したい気持ちはすごく強く思っていました。私たちが結果を残すことで、次に大会を控える日本代表にも良いパワーを与えられたら良いと思います」と話しており、日本のバスケットに明るいニュースをもたらせてくれました。

 #5篠崎選手、#6近藤選手は女子日本代表候補選手として、この経験をつなげていく立場にあります。#5篠崎選手は、「ドライブで切っていける手応えは感じました。その切っていた後のシュートの打ち方や確率を上げること、またアウトサイドシュートの確率をもっと上げなければいけないとすごく思っています。日本代表では私が中心になるわけではないので、少ないチャンスの中でどれだけ高確率でシュートを決めていけるかどうかがチームに貢献できることになると思います」と話しており、#6近藤選手とともにリオデジャネイロ オリンピック予選へ向け、最終メンバー12名に残るべく今後もアピールし続けていきます。

 去る6月19日(金)に開催された国際バスケットボール連盟(FIBA)のエグゼクティブコミッティーにおいて、国内外での国際試合等の活動が認められた後の最初の大会となったユニバーシアード競技大会。参加に至るまでには多くの方のご協力とご尽力をいただきました。JAPAN 2024 TASKFORCEメンバーでもある萩原ヘッドコーチは、「本当に川淵さんをはじめ、タクスフォースメンバーの皆さんが頑張ってくれました。今回、大会に参加するにあたり、JOCの方々も制裁期間にも関わらず選手登録させてくれたことで本当に大きなご尽力をいただきました。皆さんにご協力やご尽力により、大会に出られたことをすごくうれしく思います。海外遠征ができないマイナスからのスタートではありましたが、選手たちはしっかりプラスに転化してくれたと思います」と感謝の気持ちを述べました。

 女子3位決定戦の前に行われた男子21-24位決定戦。男子ユニバーシアード日本代表チームはモザンビークを100点ゲームで圧勝し、7月13日(月) 10:00より行われる21-22位決定戦、チャイニーズ・タイペイ戦を迎えます。これが最後の試合となるため、勝利することはもちろんのこと、納得のいく内容で終わらせられるよう最終戦に挑みます。今後の試合経過や速報は大会オフィシャルサイト(英語)をご覧ください。