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平成28年度男子U-18日本代表チーム 第1次強化合宿 開催報告

2016年3月7日

前回大会の経験と悔しさを糧に積極性を見せていた三上 侑希選手

ユニバーシアード日本代表候補でもある202cmの山本 浩太選手が見据える先は東京オリンピック出場

 平成28年度バスケットボール男子U-18日本代表チームは3月4日(金)~6日(日)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第1次強化合宿を実施しました。「第24回FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会」(イラン)まで4ヶ月余り(7月15日~24日)。初日から午前・午後・夜に渡る3部練習を行い、急ピッチでチーム作りを進めています。

 練習前、「国際大会ではディフェンスが強いチームが勝利する」と選手たちに伝えたトーステン・ロイブルヘッドコーチ。2014年に出場した「第3回 FIBA U-17男子バスケットボール世界選手権大会」や、その前にドイツ遠征を行なった「第27回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」の映像を見せながら、「世界のチームは体を当ててディフェンスし、ガード陣が前線からプレッシャーをかけてくる。これに対する準備をしなければならない。日本も負けずに、まずガード陣がプレッシャーをかけることがディフェンスでは重要。しっかり体を当て、『抑えに行くぞ』という気迫を相手に見せることが大事」と、激しいディフェンスをイメージさせてから練習開始。イメージを持ち、集中して行われた練習に対し、「ディフェンスは満足のいく練習ができました。このままいけば、ディフェンスの強い良いチームになると期待しています」とロイブルヘッドコーチも及第点を与えました。

 しかし、「ボールスクリーンに対するディフェンス」「トランジションディフェンス」「リバウンド」と3つの課題を挙げ、ディフェンスはまだまだ強化が必要です。2012年よりスポーツディレクターとして就任したロイブル ヘッドコーチは、この課題を克服すべくアンダーカテゴリーや育成プログラムでその基礎を教えてきました。反面、オフェンスに関しては、「スペーシングを使うことは慣れてきており、オフェンスがスムーズにできつつあります。フォーメーションを使わなくても、フリーランスでボールがしっかり動くようになり、積み上げてきたことが生きてきています」と成果が実り始めています。オフェンスが向上したことにより、「もっと良いディフェンスしなければならなくなります。攻守の強化による相乗効果で成長しています」とも話しており、男子U-18日本代表チームはさらに精度の高さを求めながら強化しています。

 唯一、2年前の前回大会に出場した経験を持つ三上 侑希選手(明成高校 3年)。「前回大会は自分が3Pシュートを簡単に打ってしまい、チームの流れを崩してしまったところがありました。チームの流れを見極めながら、打てる場面では積極的に打つのはもちろんですが、他にも良い選手はたくさんいるので、自分で行くところと周りを生かすところをバランス良く戦っていきたいです」と反省点を踏まえ、練習に取り組んでいます。出身の明成高校は「日本一になるためにはとても良い環境でしたし、勝つために何をすべきかを学んできました。この場でも、明成高校で学んだことを周りに伝えて良い影響を与えられるように、自分から発信していきたいです」と言うように、ウインターカップ3連覇を果たしたプライドをチームに還元してくれています。

 本番となるFIBA ASIA U-18選手権を前に、強化試合として「第28回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」に参戦するため、3月24日よりドイツ遠征を実施します。アルバート・シュバイツァー・トーナメントの登録メンバーは12名のみ。そのため、第1次強化合宿から早くも12名に絞り込む選考合宿となりました。

 シェーファー アヴィ幸樹選手(203cm/セント・メリーズ・インターナショナル・スクール)と山本 浩太選手(202cm/初芝橋本高校 3年)の2人をはじめ、190cm台の選手たちも走力と器用さを兼ね備えたオールラウンドプレイヤーたちにロイブルヘッドコーチも期待を寄せています。2月から始まった男子ユニバーシアード日本代表チームの強化合宿にも参加している山本 浩太選手は、「普段であれば対戦できないような高さの選手たちと一緒に練習でき、その中でもやっぱり自分が絶対に上を取って、ドイツに行くという気持ちで挑んでいました」と、12枚しかないドイツ遠征行きの切符を目指し、積極的にアピールをしていました。山本選手の目標は、「必死に努力して、絶対にオリンピックに出場します」と力強く話すように、今から2020年を視野に入れて努力しています。その第一歩目となるドイツ遠征には世界の強豪国が集結。実力を測るための通過点として、誰もがロスター入りを目指して激しい合宿となりました。

■第28回アルバート・シュバイツァー トーナメント出場国(3月26日~4月2日)
【グループA】
オーストラリア(11位)、セルビア(2位)、アルゼンチン(7位)、トルコ(5位)、ドイツ(22位)、日本(26位)
【グループB】
エジプト(15位)、ギリシャ(9位)、イタリア(15位)、中国(12位)、アメリカ(1位)、フランス(10位)
※カッコ内はユース世代のFIBAランキング

 FIBA U-17世界選手権では強豪国を前に物怖じしてしまい、大差で敗れてしまいました。「一番大事なのは大きな体や名のある強豪チームに対しての恐怖心を払拭すること。アルバート・シュバイツァー・トーナメントでの相手は強く、経験があり、同じ世代ながらすでにプロとして活躍する選手もいます。より良い結果を求めることはもちろんですが、少しでも良いゲームができるように準備することがまずは大事です。相手をリスペクトし過ぎず、恐がらずにリバウンドを争い、フィジカル強くぶつかり合いをすることは国際大会では避けられません。ドイツ遠征を通じて、チームとして大きな成長できる機会だと期待しています」とロイブルヘッドコーチは話し、日本の持てる力を発揮し、現在の実力を知る機会にしなければなりません。

 ドイツ遠征へ向けて一度12名に絞り込まれますが、FIBA ASIA U-18選手権の出場メンバーが確定したわけではなく、さらなる競争をさせながら強化を進めていきます。

 ※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。