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3×3男女日本代表:オーストリア遠征へ出発「4人一丸となって戦術を完璧に遂行していくことが勝利へのカギ」齊藤洋介選手

2022年6月15日

1ヶ月前に東京2020オリンピック金メダリストと対戦した経験を日本代表に還元する齊藤洋介選手

遠征帯同選手としてチャンスを得た今野 紀花選手

 6月21日(火)より開幕する「FIBA 3×3 バスケットボール ワールドカップ2022(以下3×3ワールドカップ)」へ向け、3×3男女日本代表チームが日本を発ちました。決戦の地であるベルギー(アントワープ)へ入る前に、オーストリア(ザンクトペルテン)で直前合宿を実施します。現地で開催される大会に参加し、3×3ワールドカップに出場するチームなどを相手に実戦形式の強化を行う予定です。

 3×3ワールドカップの予選ラウンドはすでに組み合わせが決まっており、男子は金メダリストのラトビアを筆頭に、オランダ(同5位)、ポーランド(同7位)、中国(同8位)といずれも昨年の東京2020オリンピックで決勝トーナメントへ進出した強豪揃い。男子3×3日本代表も6位と健闘し、レベルが拮抗した相手との戦いになります。目標は「現実的に言えば、予選突破が最低ライン」とミーティング時に共有しており、一戦必勝で予選プール3位以上を目指します。

 女子は現在FIBAランキング1位のドイツ、同5位のリトアニア、東京2020オリンピックで銅メダルを獲得した中国、同7位のルーマニアと対戦します。東京2020オリンピックの結果は5位でしたが、金メダルに輝いたアメリカに唯一勝利した女子3×3日本代表であり、世界一を狙います。

 3×3男子日本代表候補6人の中で一番身長が低い184cmの齊藤 洋介選手(UTSUNOMIYA BREX.EXE)は、サイズで不利な状況を受け入れています。その上で「パスやゲームコントロール、もちろんアウトサイドシュートといった長所を存分に発揮することができれば、身長のリスクを背負ってでも選ばれるのではないかと期待しています」と話すとともに、数々の国際経験もまた長所となります。

 今年5月に宇都宮市で行われたFIBA 3×3ワールドツアーに出場し、ラトビアのクラブチームと対戦。17-22でKO負けを喫しましたが、「何が通用するかが分かっており、そこは自信も持っています。また、日本が勝つためにどういう戦い方をすれば良いかも自分なりにイメージはできています」という頼もしい経験をチームに還元しながらリーダーシップを発揮しています。

 個々のレベルやフィジカルを比較すれば、海外の選手の方が上回っている部分も多いのが現実です。しかし、齊藤選手は陸上に例え、3×3の可能性を以下のように述べます。

「個人100mでメダルを獲るためには、身体能力の差がまだあると思います。しかし、リレーではメダルを獲得できています。チームワークや勤勉さ、真面目さが日本人の良さであり、4人一丸となって勝つためのプランや戦術を完璧に遂行していくことが勝利へのカギのひとつです」

 3×3は4人しか出場メンバーがおらず、試合中はコーチもいません。阿吽の呼吸のチーム力で、高さや強さに打ち勝つ戦い方が求められます。

 男女3×3日本代表候補選手はそれぞれ6人に絞られ、オーストリア遠征を経て、最終メンバー4人が決まります。加えて、女子は22歳の今野 紀花(ルイビル大学)と21歳の窪田 真優選手(桐蔭横浜大学)が帯同し、経験を積むチャンスを得ました。

 高校3年生のとき、馬瓜ステファニー選手(トヨタ自動車アンテロープス)らとともに2018年アジア競技大会へ出場し、銅メダルを獲得。4年ぶりの3×3に臨んでいる今野選手は、「NCAAを経験して体が強くなったので、大きい選手と同じようなスクリーンの役割もできるようになりました。3人しかいないからこそスクリーンプレーの重要度が高くなります。それをかける側も、ガードとして使うことも両方できる面が強みになっています」とオールラウンドでの活躍が期待されます。

 3×3女子日本代表候補選手に選ばれたことが「世界と戦える大きなチャンスです。5人制でも3×3でも結果を残したり、自分の技術が通用したりするだけで選手として自信になります。与えてくださったこのチャンスを絶対に自分の自信に変えるという意思を持って、挑戦する気持ちを忘れずに向かっていきたいです」と抱負を述べます。5人制がオフシーズン中の限られた期間ではありますが、3×3を通じてレベルアップを図ります。

 3×3ワールドカップが終われば、U21やU23世代の国際大会も行われます。そこへ出場しながら選手個々がポイントを稼ぎ、日本一丸となって世界ランキングを上げて行かねばなりません。オーストリア遠征も重要な機会であり、選手もチームも日本一丸となって上位を目指していきます。