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女子ユニバ日本代表:ウィリアム・ジョーンズカップ本日開幕「チームとしての動きや今まで練習してきたことをどこまで出せるか」田中平和選手

2025年7月2日

日本代表の経験を還元する舘山萌菜選手

かつての仲間とふたたび同じチームになれる代表を喜ぶ田中平和選手

 「FISUワールドユニバーシティゲームズ」を前に、本日からタイペイ市で開幕する「第44回ウィリアム・ジョーンズカップ」(以下ジョーンズカップ)に女子ユニバ日本代表が招待されました。5日間の連戦となりますが、各国代表と対戦できることはFISUユニバーシティゲームスへ向け、最高の強化となります。

 女子日本代表の中国遠征を終えた舘山萌菜選手(日立ハイテク クーガーズ)と朝比奈あずさ選手(筑波大学4年)が戻り、12名全員が揃いました。守屋志保チームリーダーから、三浦舞華選手(トヨタ自動車アンテロープス)と舘山選手をダブルキャプテンに指名。さらに、三浦選手はFISUユニバーシティゲームスに出場するTEAM JAPANの旗手に決定しました

 日本代表候補として4試合に出場した舘山選手は、「日本はサイズがない分、速く攻めることやファイブアウトでオフェンスをし、ディフェンスではもうとにかく運動量でプレッシャーをかけていかなければならないです」と培った経験をこのチームに還元します。小笠原真人ヘッドコーチは結果を求めるだけではなく、一人でも多くの選手を女子日本代表トップチームへ引き上げることを最大のミッションとします。FIBAランキング4位の強豪・中国代表と対戦し、「フィジカルが個人的には足りないと感じました。また、背が大きい分、ボックスアウトを徹底してリバウンドを積み重ねていかないと、自分たちのポゼッションが少なくなってしまうことも経験してきました」という舘山選手や朝比奈選手が、女子日本代表のスタイルをつなげる役割も担っています。

 2年前にFISUユニバーシティゲームスで銀メダルを獲得し、昨年はジョーンズカップに出場し、その雰囲気も分かっている舘山選手。今年はこれまで女子日本代表として活動していたからこそ、ユニバ世代との差も把握できました。

「経験豊富な分、チームとしての戦術や一人ひとりのバスケIQの高さを感じました。FISUユニバーシティゲームスは大学生の大会であり、自分も含めてまだそこが足りていないと思います。でも、世界大会なのでやっぱりサイズが大きく、そこは共通しています。国内では打てているシュートが簡単に打てなくなり、先輩たちも言っていましたがパスの部分で苦労すると思います。上を狙うパスではなく、すべて下を狙ったり、フェイクを入れたり、運動量とパスを取られないための工夫が必要です」

 日本代表だけではなく、Wリーグのルーキーシーズンを通してトップレベルで成長した姿を見せる選手たちがこのチームの中心となります。その一人であり、前回大会の銀メダリストでもある田中平和選手(トヨタ自動車アンテロープス)は、「大学での4年間とはまた違う環境で1シーズンを通して、自分が今までやったことがないことを求められることが多く、それに対してチャレンジできたのは良かったと思える1年でした」と成長を実感します。

 2年前とは違い、本番となるFISUユニバーシティゲームスの前にジョーンズカップへ出場できることは、「ラッキーです」という田中選手。「実戦を通して合わせる場があることでチーム力が高まり、より強くなった状態で本番を迎えられると思います。チームとしての動きや今まで練習してきたことをどこまで出せるかを試していきたいです」とそのメリットを挙げます。

 田中選手と同期の三浦選手や樋口鈴乃選手(日立ハイテク クーガーズ)は白鷗大学出身。昨年のインカレで4度のオーバータイムの末、連覇を成し遂げた後輩である舘山選手や、4年生から主力となった佐藤多伽子選手(プレステージ・インターナショナル アランマーレ)と一緒にプレーし、「元々上手な選手が多く、その実力も私は知っていました。でも、大学のときよりも今の方がスキルが上手くなり、メンタルも強くなっていたので驚きました。自分も負けていられないと刺激を受けています」と後輩たちの成長に頼もしさと、うれしさを感じていました。

「卒業後にWリーグへ行ってもバラバラになり、ほとんどが対戦相手になってしまいます。こうしてまた同じチームになり、いろんな話をできることが本当にうれしく、またがんばろうと思わせてくれます。これからも日本代表で会えることをモチベーションとして、所属チームに帰ってからもがんばれます。このチームでみんなと一緒にバスケをすることが楽しく、そのためにもしっかりとがんばらなければいけないです」

 同世代の仲間たちとともに、今後の日本代表を突き上げるための第一歩として、本日からジョーンズカップに参戦し、まずはタイ代表と対戦。2戦目の韓国や4戦目のフィリピンはFIBA女子アジアカップ2025の出場国であり、今後を占う楽しみな試合が続きます。

■第44回ウィリアム・ジョーンズカップ
開催地:タイペイ市(臺北和平籃球館)
スケジュール(日本時間)
7月2日(水) 15:00 タイ
7月3日(木) 15:00 韓国
7月4日(金) 17:00 チャイニーズ・タイペイ ユニバチーム
7月5日(土) 15:00 フィリピン
7月6日(日) 19:00 チャイニーズ・タイペイ

■FISUワールドユニバーシティゲームズ
日程:7月16日(水)〜27日(日)
開催地:ドイツ・ラインルール
予選グループフェーズ
【グループA】インド、フィンランド、アルゼンチン、チェコ
【グループB】チャイニーズ・タイペイ、ドイツ、アメリカ、ポーランド
【グループC】日本、リトアニア、ブラジル、ハンガリー
7月18日(金) 20:00(日本時間 27:00)日本 vs リトアニア(会場:Ischelandhalle)
7月19日(土) 14:30(日本時間 21:30) 日本 vs ブラジル(会場:Walter-Schädlich-Halle)
7月20日(日) 12:00(日本時間 19:00) 日本 vs ハンガリー(会場:Ischelandhalle)
7月22日(火) 準々決勝・順位決定戦
7月23日(水) 準決勝・順位決定戦
7月25日(金) 決勝・順位決定戦