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2013未来をつなぐ北部九州総体(インターハイ) 大会第6日目(最終日) 現地レポート -優勝を手繰り寄せた感謝の心-

2013年8月4日

 「平成25年度全国高等学校総合体育大会 第66回全国高等学校バスケットボール選手権大会(インターハイ)」は第6日目(最終日)、今年度の夏の王者が決まりました。

■大会結果 男子
優 勝  東洋大学京北(東京) ※40年ぶり2回目
準優勝  藤枝明誠(静岡)
第3位  明成(宮城)、福岡大学附属大濠(福岡)

■大会結果 女子
優 勝  桜花学園(愛知) ※2年連続19回目
準優勝  昭和学院(千葉)
第3位  安城学園(愛知)、聖カタリナ(愛媛)

 女子の優勝は、下馬評どおりに愛知・桜花学園が4点差で勝利し、女王の座に輝きました。しかしながら、勝負は最後まで何が起こるかわからないと感じさせる決勝戦でした。

 前半15点のリードを得て、このまま桜花学園の圧勝に終わるかと思われた後半、千葉・昭和学院が意地の反撃を見せたのです。それも文字どおりの猛追で、桜花学園の井上 眞一コーチが試合後に「あれは3Pシュートが入りすぎだ」と閉口するほどのものでした。最終的な3Pシュートの成功数を見ても、桜花学園の2本に対して、昭和学院は8本も決めています。

 15点差を追いつき、同点で始まった第4ピリオドは一進一退の攻防が繰り広げられます。振り切ろうとする桜花学園、追いすがる昭和学院。そして残り1分20秒のところで大きな動きがありました。桜花学園のセンター、#6馬瓜 エブリン選手がファウルアウトをしてしまったのです。一気呵成に攻める昭和学院は、キャプテン・#9田口 明佳莉選手のドライブでついに逆転。このまま昭和学院が逃げ切るのかと思ったときに、劇的なシーンは生まれました。

 それまで4本の3Pシュートを全て外していた桜花学園#5酒井 彩等選手が5本目の3Pシュート打ったのです。そのシュートは外れてしまうのですが、そのリバウンドボールを、馬瓜選手の代わりにコートに入ってきた2年生センターの#15加藤 優希選手が奪い、再びボールは酒井選手のもとへ。「正直なところ、また外すかもしれないという不安や怖さみたいなものはありました。でも大会直前の合宿で知り合いの指導者にシュートを教えてもらいました。だからこの場面は打つしかないと思って…チームのためにも、教えてくれた人のためにも打ちました」。
 桜花学園のベンチ前から放たれたその3Pシュートはネットを通過し、それが決勝点になりました。

 酒井選手にシュートを教えたという指導者は、「大会前に彼女のシュートを見ていたらあまりに悩んでいたから、井上コーチの許可をもらって、ちょっと一声かけただけなんです。ボールって丸いでしょう。それなのに彼女は親指を離して打っていたから、シュートが不安定だったんです。だからボールに親指をつけて、スピンをかける方法をちょっと教えただけなんです。それだけなんです」と、酒井選手へのアドバイスを明かしてくれました。

 指導者としてはちょっとした一言かもしれませんが、酒井選手はそのアドバイスを忘れることなく、緊迫した場面でも素直に実践することで結果を出したわけです。桜花学園を優勝に導いた3Pシュートには、教えてくれた指導者に対する酒井選手の感謝の心も込められていたのです。

 男子の決勝戦、東洋大学京北の優勝もまた、感謝が大きな要素になっていました。

 ともに攻撃を売りにしたチーム同士の決勝戦は、予想どおりのハイスコアな結果に終わりましたが、そこに差を生んだのは相手のエースを抑えるディフェンスでした。藤枝明誠の2年生エース、#15角野 亮伍選手は結果的に両チームトップの31得点をマークしていますが、途中何度もゴールに嫌われるなど、最後まで彼本来の調子を出すことができませんでした。

 その角野選手を守っていたのが東洋大学京北の#6川久保 駿選手です。相手のエースを抑えるためにディフェンスに徹し、「試合の途中で角野選手は左のドライブが多いことに気づくことができたので、その点に集中して守りました」と言います。とはいえ、昨年度の日本代表候補選手に最年少で選出された角野選手を抑えるのは、簡単なことではありません。「ボールを持たせないように心がけたのですが、やはり自分1人では守りきれないところもありました。そこはチームの力で守れたと思います」。

 川久保選手の感謝の相手はチームメイトです。スターティングメンバー5人のうち、川久保選手を含めた4人が京北中学からの進級組です。「(中学時代から)6年間毎年『優勝しよう!』と話してきて、5年間できなくて、最後の年に優勝ができて…最高です。最高の仲間を持って、自分は幸せです」。涙を流しながら感謝を伝える川久保選手。

 京北の優勝の要因を探ると、チームスタイルの「ラン&ガン」に象徴されるオフェンスに目を奪われがちですが、田渡 優コーチも認めるように、今大会ではディフェンスがうまく機能したことも忘れてはいけません。その筆頭が角野選手を嫌がらせた川久保選手であり、川久保選手もまたチームメイトの助けによって、よりよいディフェンスができたというわけです。

 インターハイに出場した選手たちはそれぞれ、様々な思いを抱えてプレイしていたことでしょう。そのなかで酒井選手と川久保選手は「感謝」の気持ちを忘れず、その人、もしくはその人たちのためにも結果を出したいと考えていました。そうすることで彼らは優勝を手繰り寄せたのです。

 夏の戦いはこれで幕を閉じますが、秋の国民体育大会、そして年末に行われる「東日本大震災復興支援 ウインターカップ2013 平成25年度 第44回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会」へ熱き戦いは続きます。

 2013未来をつなぐ北部九州総体(インターハイ)の試合結果は、大分県協会 大会特設サイトにてBOXスコア、レポートとともに掲載されています。また、JBA大会特設サイトでは、連日熱戦を繰り広げてくれた今大会のフォトギャラリーを更新しています。是非、ご覧ください。