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平成27年度男子U-16日本代表チーム 第2次強化合宿開催報告

2015年5月12日

昨年から合宿に参加する戸堀 春輝選手(國學院大学久我山高校 1年)はリーダーシップを発揮

得点力も期待されるPGの伊藤 領選手(開志国際高校 1年)

 二転三転していた「第4回FIBA ASIA U-16男子バスケットボール選手権大会」の大会日程が発表され、本年10月29日(木)~11月7日(土)の期間、インドネシア・スマランにて開催されることとなりました。これにより、5~6月にかけてコンスタントに行う予定を組んでいた強化合宿も変更となり、次回は7月を予定しています。
 平成27年度バスケットボール男子U-16日本代表チームは、5月7日(木)~10日(日)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第2次強化合宿を実施しました。

 日本の大きな課題点として、『リバウンド』『ピック&ロールに対するディフェンス』『トランジションディフェンス』を挙げたトーステン・ロイブル スポーツディレクター。この課題を克服するべく、約1年間を費やして反復練習を行なってきました。「今までやってきたことを、より高いレベルで安定させること」を目的として行われた今合宿。時間をかけてディフェンス練習を徹底してきたのも、「課題を克服できれば自信につながり、日本の勝機も見えてくる」とロイブルコーチは選手たちに伝えています。技術を教える反面、ディフェンスを向上させるために大切なことは「精神的な方が大きい」とロイブルコーチは言います。「ディフェンスでやっつけてやるぞ、守るぞ、という意思表示を強く出すことが大事です」と話しており、練習中も選手たちの士気を高め、内面からの強化も行なっています。

 ロイブルコーチに日本の長所を伺いました。「勤勉さ。これは教えても、なかなか簡単に植えつけられるものではありません」。日本人の長所である勤勉さを生かし、「我慢強くディフェンスすることができれば、日本が目指すトランジションゲームも生きてくると思っています」。合宿に参加し続けている伊藤 領選手(開志国際高校 1年)も、「ディフェンスの練習は昨年から積み重ねてやってきました。習ったことを一つずつクリアし、本番となる大会でしっかり発揮できるようするためにも、もっと精度を高めていきたいです」と話しており、選手たちのディフェンスに対する意識は着実に高まっています。

 中学時代は各チームのエースだった選手たち。戸堀 春輝選手(國學院大学久我山高校 1年)は、「スクリーンを使った練習が多く、チームで勝つことを目標としています。周りを生かしながら、確実にシュートを決められるようなプレイを意識しています」と話しており、それぞれの役割を理解しながら、徐々にチームとしてまとまってきています。

 「ミスの数が少なくなっているということは、精度が高くなっていることの現れだ」と、ロイブルコーチは及第点を与えました。次回からは新しいステージに入ります。「ゲームのコンセプトをもっと明確にし、ディフェンスのバリエーションを増やしながら、オフェンスではセットプレイの練習も入れていきます。もちろん、これまでやってきたことの精度をさらに高めることも継続します。次回合宿まで2ヶ月ほど期間は空きますが、これまでやってきたことを忘れてもらっては困ります」。これまで行なってきたドリルやフィジカルトレーニングを、学校に帰ってからもチームメイトに伝えることも日本代表候補選手たちの役目です。チームメイトともに継続することが、日本全体の強化にもつながります。

 前回合宿時には18名だった候補選手も、今回は3名減り15名で行われました。厳しい競争が繰り広げられていますが、残念ながら招集されなかった選手たちも、大会が遅くなったことはチャンスでもあります。「常に選手に言っていることですが、ここにいることが安泰ではないということです。もっと素晴らしい選手がいれば選出し、変更もあり得るということは常に言い聞かせています。これから始まるインターハイで、圧倒的なパフォーマンスを見せる1年生はなかなかいないとは思いますが、そんな選手が出てくることは我々にとっても非常にうれしいことです」とロイブルコーチは、より良い選手探しに対して貪欲です。成長期の対象選手たちにとって、この時期に技術や身長が伸びる可能性は十分にあります。今合宿に参加した日本候補選手たちは、さらに磨きをかけ、2ヶ月後に成長した姿を見せてくれることに期待しています。