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ハヤブサジャパン 平成27年度女子日本代表チーム 第1次強化合宿開催報告

2015年6月20日

過去2回オリンピック予選で敗れた三谷 藍選手は、3度目に賭ける思いは誰よりも強い

昨年、アジア競技大会で韓国を苦しめた自信を糧に、日本代表入りを目指す本川 紗奈生選手

 ハヤブサジャパン 平成27年度バスケットボール女子日本代表チームは、6月10日(水)~19日(金)までの期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第1次強化合宿を行いました。「第26回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権大会(兼 2016年リオデジャネイロオリンピック アジア地区予選)」は、8月29日(土)より中国・武漢で開幕。あと70日と迫っており、急ピッチでチーム作りが進められています。第1次強化合宿を終え、「所属チームの練習が始まっていたこともあり、これまでよりもスタート時点での選手たちのコンディションは良かったです。この合宿中に見えた修正点を洗い出しながら、前進していきます」と内海 知秀ヘッドコーチは話していました。

 昨年のFIBA世界選手権時は平均年齢25.1歳でしたが、今年は現時点で23.8歳。若い選手が増えた分、「トランジションが早いバスケットができ始めています。しかし、駆け引きでの判断ミスやイージーミスが出てきており、それはここから修正していかねばなりません」。疲れや第1次強化合宿での緊張もあるでしょうが、ミスが目立つ点について、内海ヘッドコーチは指摘していました。「日本代表を経験している選手は今までの積み上げの中でやっていけるので良いですが、新しく入った選手たちはタイミングやスペースなど、まだまだ全体的なバスケットのことが理解できていないのである程度ミスが出るのは仕方のないことです。ただ、それ以外のところでのイージーミスはなくしていかないといけません」。FIBA ASIA選手権を連覇し、オリンピックへの切符を勝ち獲るためにも、小さい日本代表はミスなく精度を上げて立ち向かうことが勝機につながっていきます。

 4年ぶりに日本代表候補に選出された三谷 藍選手(富士通 レッドウェーブ)。記者会見では、「若手主体の練習はしんどいと思います」と話していましたが、いざ練習が始まれば、コートの中では先頭を切って走っており、特別に気負うことなく淡々と練習に励んでいます。国際試合の本当の厳しさを知らない選手が増えたことに対し、「練習中の細かいところの厳しさなどは、私やリュウ(吉田亜沙美キャプテンのコートネーム)がもう少し言って伝えなければいけないと思っています」。その一方で、「経験していない強みを生かしていくしかない」と話すように、三谷選手は前向きに捉えていました。そのためにも、「12名が決まってから集中して練習できるようになるのでは遅いです。日本代表として活動している時は、人数や最初の合宿とかは関係なく、全てにおいてプライドを持って、日本代表の一員であることを自覚して取り組んでいかなければいけないと思います」とも話しています。再び舞い降りた夢のオリンピックへ向けたこのチャンスを掴むべく、経験を伝えながら自らの持ち味を発揮していました。

 昨年はFIBA世界選手権とアジア競技大会が同時期に開催されたため、2チームを作って活動した女子日本代表。一色 建志ヘッドコーチ率いる若手メンバーで構成された第17回アジア競技大会(2014/韓国)に出場したメンバーの活躍が目を惹きました。その一人、本川 紗奈生選手(シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)は、「2番ポジションを確定してやる」という強い思いをもって取り組んでいます。アジア競技大会の準決勝・韓国戦、開催国の韓国はベストメンバーで臨む中、53-58で惜敗。「もちろん勝つ気持ちはありましたが、とりあえず当たって砕けろという思いでコートに立ちました。それがあそこまで韓国を苦しめることができたことは、自信につながりました」と振り返る本川選手。その自信を糧に、「日本代表選考でも負けるわけにはいかないという気持ちがすごくあります」と話し、選手一人ひとりが意識を高く持って、12名しか枠はない日本代表メンバー入りを賭けた激しい競争が始まりました。

 6月25日(水)から第2次強化合宿が始まります。女子ユニバーシアード日本代表とのスクリメージが予定されており、早くもゲーム形式での強化が待っています。また、NBAニューヨークニックスやNCAAペンシルバニア州立大学でのコーチ経歴を持つジェリー・ダン氏が来日。「ディフェンスの部分を中心にコーチしていただきますが、我々スタッフもいろいろ吸収させてもらい、日本にフィットするようアレンジしていきながら新たなる武器を作っていきたいです」と内海ヘッドコーチは期待しており、アジアの頂点を目指しさらなる強化を進めてまいります。