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ハヤブサジャパン 平成27年度男子日本代表チーム アジア4位で終え、来年に向けた新たな競争がスタート

2015年10月6日

世界への切符を手にした日本代表は誰もが目指す場所であり、誇りあるチーム

オリンピック出場へさらに強い思いを抱いた#0田臥 勇太選手

 「第28回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会(兼 2016年リオデジャネイロオリンピック アジア地区予選)」において、18年ぶりとなるベスト4進出を果たし、来年7月に開催される「FIBAオリンピック世界最終予選」の出場権を獲得したハヤブサジャパン 男子日本代表チームは、10月4日(日)の夜、帰国しました。

 現地でその戦いぶりを見ていた大河 正明専務理事/事務総長は、「FIBAから制裁を受けていた時期があり、不安の気持ちの中で強化がスタートしました。それが8月に解除されたことで気持ちが高ぶり、来年には新しくB.LEAGUEもできますし、選手なりにモチベーションを高めて望んでくれたことで、最低限の目標であるベスト4に辿りつけたのだと思います。我々はチャレンジャーです。来年の世界最終予選へ向けて、どんどんチャレンジしていかねばなりません」と今大会での結果を評価しています。

 目まぐるしく変わるアジアの勢力図。前回大会3位の韓国は、準々決勝でイランに敗れて6位。同4位だったチャイニーズ・タイペイに至っては予選ラウンドで敗退し、13位で早々に姿を消しました。イラン、フィリピンは前回大会に続き4強入り。前述した2チームに変わり、前回大会5位に終わった中国が地元の声援を受けながら2大会ぶり16度目のアジアチャンピオンに返り咲きました。そして、9大会ぶりに日本がこのレベルへ到達。「今回、アジアの中で日本も上位国のひとつになってきたと思わせることはできた」と長谷川 健志ヘッドコーチは語っています。

 準決勝フィリピン戦前、ロッカールームで長谷川ヘッドコーチは、「このステージで戦えるのはたった4チームしかない。ひとつの目標を達成したら、また次の目標ができる。そのことにしっかり感謝をして挑もう」と話し、選手たちをコートに送り出しました。残念ながら準決勝も、3位決定戦もあと一歩及ばず、接戦をものにすることはできませんでした。しかし#0田臥 勇太選手は、「これからまた新しい目標に向かって、ベスト4の壁を打ち破っていきたいです」と新しいステージへ勝ち進んだからこそ得られた経験も多く、今後もこのレベルをキープし、その上を目指す真剣勝負を継続していくことで日本は一歩ずつ着実に前進できるわけです。

 初めてFIBA ASIA選手権を戦った長谷川ヘッドコーチは、「各国ともそれぞれの特長を持っています。そこにどうアジャストしながら、日本の良いところを毎試合毎試合うまく合わせることを考えていました。また、9試合ある中で、メンバーチェンジすることが難しいところです。みんながそれぞれ良いところを持っているので、長く使いすぎてもいけないし、短すぎてもうまくいかない。そこの見極めもまだまだ課題です。みんなが自分の仕事を全うし、働いてくれたのでやり甲斐がありました」と感想を述べました。#0田臥選手もまた、「非常にどの国もタフで、当たりも強いし、リバウンドも激しいし、シュートもよく入るし、それぞれの国のバスケットがあることを改めて感じました。ただ、初めてオリンピックを懸けた大会に出ましたが、これほどオリンピックを出たいと思ったことはなかったです。やっぱり1位になりたかったです」と悔しさを滲ませながらも、来年、またオリンピックへチャレンジできるチャンスをつないだことで更なる活躍に期待が高まります。

 組織力や勤勉さなど日本人のアドバンテージを発揮させ、チーム力でFIBAオリンピック世界最終予選への切符を掴みました。しかしその後、所属チームへ戻り、国内リーグで個々の力をさらにレベルアップさせ、パワーアップして世界に挑まねばなりません。
 長谷川ヘッドコーチは、「まだまだ課題はたくさんあります。体力と言っても、持久力は絶対に他のチームに優っていなければなりません。40分間フルに戦える体力が必要になります」と課題点の一例を挙げました。#34小野 龍猛キャプテンは、「アジアで勝てなかったところを見つめ直し、速い展開など日本の良いところをもっともっと出せるようにしないといけません。今大会を通じて、僕たちもリバウンドを頑張ることはできたので、そこは引き続き継続していきたいです。日本はまだまだこれからのチーム。また一つひとつ成長して、頑張っていきたいです」と、世界へ向けた準備が始まります。#6比江島 慎選手は、「フランスやカナダなど、自分はNBAが好きなのでその選手たちと試合ができると思うと、楽しみでもあり待ち遠しく、自分がどこまで通用するのか試してみたいという思いが本当に強いです」と、まだ見ぬ強敵との対戦を心待ちにしていました。

 ひとつの開催国に、アジアの強豪を一堂に会して世界につながる男子チャンピオンシップの形態は、2017年より新フォーマットが採用され、大きく変わります。サッカー同様に、オーストラリアとニュージーランドの2カ国が加わり、アジア・パシフィック予選となって、ホーム&アウェイ方式で行われます。今後の男子日本代表チームには、バスケットのレベル向上はもちろんですが、環境適応能力やメンタリティの強さも求められていきます。

 来年7月のFIBAオリンピック世界最終予選、その先の大会に向けて、選手たちにとって新たなる競争が幕を開けました。今年度選出された27名の日本代表候補選手をはじめ、怪我で選出されなかった選手たち、将来有望な若き選手たち、海外へ活躍の場を求めていった選手たち――全ての選手たちがそれぞれの舞台で切磋琢磨し、世界の真剣勝負へ向けてレベルアップすることが必要となります。
 TK bjリーグはすでにスタートしており、NBLは10月9日(金)より開幕します。両リーグともラストシーズンとなり、2016年秋からはひとつのリーグとなって「B.LEAGUE」が開幕します。熱戦を繰り広げ、自力で世界への切符を掴んだ日本代表11名が軸となり、今大会同様に激しく熱い戦いを見せ、国内リーグを盛り上げていきます。

 去る9月5日、女子日本代表チームは日本初となるアジア2連覇を達成し、リオデジャネイロオリンピック出場を決めました。男子日本代表チームもFIBAオリンピック世界最終予選へ出場権を獲得し、日本バスケ界に追い風が吹いています。この風を、これから大会を迎える日本代表へつなぎます。
 今週末、10月10日(土)より千葉ポートアリーナにて、リオデジャネイロパラリンピック予選となる「三菱電機 2015 IWBF アジアオセアニアチャンピオンシップ千葉」が開幕。男女車椅子バスケットボール日本代表が、リオデジャネイロパラリンピック出場権獲得を目指して戦います。ぜひ会場で応援していただき、パラリンピック出場へ後押しをお願いします。その後、10月29日(木)からは、インドネシア・ジャカルタにて「第4回FIBA ASIA U-16バスケットボール選手権大会」が開催され、男子U-16日本代表チームは2大会連続となるFIBA U-17世界選手権の出場権獲得を目指します。今後ともご声援をお願いいたします。