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平成28年度女子ユニバーシアード日本代表チーム 第2次強化合宿 開催報告

2017年1月16日

リングに向かう気持ちが強い選手が多い中で、積極的に攻めて行く谷口 二千華選手(愛知学泉大学 3年)

ペイント内にアタックしていく藤本 愛妃選手(東京医療保健大学 1年)

 平成28年度バスケットボール女子ユニバーシアード日本代表チームは、1月13日(金)~15日(日)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、第2次強化合宿を実施しました。
 大学生23名を招集し、新たに就任した佐藤 智信ヘッドコーチの指導の下、「第29回ユニバーシアード競技大会 バスケットボール競技(2017/台北)」で前回大会の4位を上回るメダル獲得へ向け、本格的な強化がスタートしました。

 今合宿では、「オフェンスの考え方を紹介する練習となりました。特に、ファストブレイクとアーリーオフェンス、それとセットオフェンスの流れやチームとしての約束事を確認しました」と、佐藤ヘッドコーチは言います。オフェンス重視となる中、スクリメージではどのポジションの選手もペイント内へドライブで攻撃を仕掛けていきます。そのままフィニッシュに行ったり、初選出された選手が多い中でもコンビネーションプレイから得点を挙げていました。

 佐藤ヘッドコーチは、「前回大会でポストアップさせましたが、そこからの展開がなかなかできませんでした。その反省を踏まえて、ドライブ中心に組み立てていこうと考えています。今、アメリカでも“ドライブ・モーション”が一つの流行であり、日本の特徴であるスピードを活かせるオフェンスです」と意図を話します。ドライブでペイントエリアに攻め込みながら相手とのギャップを作り、スペースを使っていかにノーマークから得点していくかが、身長差がある世界の選手たちを相手には必要となります。

 「みんながリングに向かっていく気持ちが強い」という感想を持ったのは、初選出された谷口 二千華選手(愛知学泉大学 3年)。先日行われた皇后杯(オールジャパン2017)の3回戦では、女子日本代表経験選手も多いWJBLの富士通レッドウェーブと対戦しました。「ドライブまでは行けるのですが、うまくファウルをされてシュートを決めきれなかったり、カバーにきた選手にボールをはたかれてしまいました。もっとボールを動かすようにしなければいけないと意識しています」と課題が明確になりました。それを克服することが、ユニバーシアードで世界に勝つための武器になることにつながっていきます。

 「気負うことなく思い切ってやろう」と藤本 愛妃選手(東京医療保健大学 1年)が練習に臨んだように、1・2年生たちの積極的なプレイが目立ちました。佐藤ヘッドコーチは、「大きい選手が1・2年生に多いので、合宿を通じてどれくらい伸びてくれるか、しっかりと見極めていきたいです」と期待を寄せています。179cmの藤本選手らパワーフォワード、センター陣も走り、ドライブで仕掛けることを求められ、それを遂行できる選手たちが選出されています。
 藤本選手が所属する東京医療保健大学は、女子日本代表のテクニカルスタッフなど様々なカテゴリーの国際大会を経験してきた恩塚 亨ヘッドコーチの下、ドライブ・モーションで打開して行くチーム。「恩塚さんは世界を経験してきた方なので、求めるバスケットボールは正しいと思っています。それは佐藤ヘッドコーチも同じであり、ペイント内にアタックして相手とのギャップを攻めることを徹底しなければなりません。そこを極めれば、日本が世界でも戦えるようになると思っています」と話す藤本選手。所属チームのスタイルに磨きをかけ、世界でも通用することを示すためにアピールを続けていきます。

 今合宿では大学生のみ23名を招集しましたが、ユニバーシアードには大学を卒業し、現在WJBLで活躍するルーキーたちも選考対象となります。しかし、本戦へ出場できるのは12名のみであり、女子ユニバーシアード日本代表への道はさらに狭き門となります。
「ここで競争して力をつけてもらいたいです。もし、女子ユニバーシアード日本代表に選考されなくても終わりではありません。今後さらに成長し、Wリーグに行って活躍してほしいと期待する選手たち。単なるユニバーシアードのための強化ではなく、上のカテゴリーにつなげるための合宿にしていきたいです」と佐藤ヘッドコーチは先を見据え、女子バスケ界全体の底上げを担う強化を行なっています。

 3月までは毎月コンスタントに合宿を行いながら、女子ユニバーシアード日本代表選手を選考していきます。次回、第3次強化合宿は2月25日(土)~27日(月)を予定しています。

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。