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平成30年度男子日本代表チーム(第40回ウィリアム・ジョーンズカップ出場チーム) 第2次強化合宿 開催報告

2018年6月13日

日本代表を目標に定める意識の変化が見られた田代直希選手 (琉球ゴールデンキングス)

「走ることは誰にも負けてはいけない」と意欲的に取り組む高橋耕陽選手 (滋賀レイクスターズ)

 男子日本代表の底上げを図る強化合宿が、5月14日(月)〜25日(金)と6月2日(土)〜12日(火)の2回にわたって実施しました。先日発表されたFIBAワールドカップ アジア地区1次予選 Window3へ挑むAKATSUKI FIVE 男子日本代表チームとは別に、若手や代表経験の浅い選手を招集し、チャイニーズ・タイペイで開催される「第40回ウィリアム・ジョーンズ カップ」(7月14日(土)〜22日(日))へ出場する男子日本代表チームの編成・強化を行っています。

 このチームの指揮を執るのはエルマン・マンドーレヘッドコーチ。フリオ・ラマスヘッドコーチの右腕として、アルゼンチンリーグ時代から現在に至るまでアシスタントコーチを務め、名将のシステムを熟知しています。「日本代表が目指すスタイルを理解し、個々のレベルアップをしていきながら、チームとしての質を上げることがこのチームの目的です」とエルマンヘッドコーチが指導しており、選手層を厚くすることも狙いのひとつです。

 当初、第1次強化合宿のメンバーだった熊谷尚也選手(大阪エヴェッサ)とシェーファー アヴィ 幸樹選手 (ジョージア工科大学 2年)は、その活躍が認められたことでFIBAワールドカップ アジア地区1次予選 Window3のメンバー18名に選ばれ、トップチームで練習を続けています。また、リザーブメンバーとしてベンドラメ礼生選手、玉木 祥護選手 (筑波大学)、平岩 玄選手 (東海大学)、テーブス海選手 (ノースカロライナ大学ウィルミントン校)、田中力選手 (IMGアカデミー)も名を連ねており、一貫した強化を行っていることでいつ誰が選ばれても活躍できるようにしています。

 初めて日本代表合宿に参加する選手も多く、Bリーグで活躍したルーキーたちも持ち味を発揮しています。今村佳太選手(新潟アルビレックスBB)は、「レベルの高い選手たちと一緒に練習することによりドリブルやシュート、パスなど一つひとつのプレイが自分にとっては成長する糧になります」と精度の高いプレイを意識しています。「所属チームとスタイルが似ているのでやりやすいです」という印象を持った高橋耕陽選手 (滋賀レイクスターズ)。「シュートの確率が低いので、シューティングの大事さをあらためて感じています。みんな一生懸命練習していますし、若い方なので走ることは誰にも負けてはいけないと思っています」と積極的に取り組んでいました。

 第2次強化合宿からメンバー入りした田代直希選手 (琉球ゴールデンキングス)は、突然の招集に驚いたとともに「オフシーズンの予定を立てており、ゆっくりしようと思っていました」というのが本音です。しかし、強化合宿に参加した今は「呼んでいただいて、本当に良かったです」と充実した日々を送り、以下のような発見がありました。

「一番大きな違いとして感じたのはインサイドの部分です。所属チームには外国籍選手がおり、そこがストロングポイントにもなります。しかし、日本代表でスクリメージをしても、やっぱりインサイドの部分が弱いです。普段と同じ感覚で外国籍選手に出すようなパスを出してもキャッチできなかったり、動きが遅くなったりすることがあるので、もう少し気を遣ってプレイしなければいけないと感じました。僕自身がマークを引きつけたり、もっと通しやすいパスを出さなければいけないと思わされており、それはチームに戻っても生かせるところだと思います」

 FIBA ワールドカップ予選へ向かうメンバーと2チーム体制になったことにより、日本代表の枠が広がりました。アンダーカテゴリーも含め、これまで代表候補などに選ばれたことがない選手たちにとっては、青天の霹靂だったようです。「昨シーズンは試合にもあまり出られていなかったですし、今シーズンもまずはBリーグで試合に出るにはどうしたらよいかということしか考えていませんでした」と高橋選手が言えば、田代選手も「縁がないものだと思っていました」というのが正直なところです。しかし、Bリーグ等で活躍すれば、日本代表になるチャンスが与えられます。

 平行してトップチームの合宿が行われているとともに、スクリメージも実施され、選手たちにとっては大きな刺激になっています。「やっぱりトップメンバーにはまだまだ及ばないと思います。少しずつでも良いからあのメンバーたちに追いつき、そして追い抜かせるようにしていきたいです」と縁がないと思っていた田代選手も、今では日本代表を目標に定め、意識の変化が見られました。

 今後もメンバー選考を行いながら、ウィリアム・ジョーンズ カップへ向けた強化を続けていきます。