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平成25年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第5回キャンプ開催報告

2014年2月1日

熱心にフォームを確認

「モーションキャプチャー」の解析により、シュートフォームが改善されている


 1月24日(金)から26日(日)の日程で、味の素ナショナルトレーニングセンターにて平成25年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第5回キャンプが開催されました。

■第1日目/1月24日(金)
13:00 開講式
13:30 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
15:45 フィジカル測定
17:00 チームビルディング
19:00 ・シュートフォーム測定
    ・心理テスト
    ・スピーチ

■第2日目/1月25日(土)
6:00 シューティング
8:00 自習時間
9:00 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
11:00 フィジカルトトレーニング
14:00 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
15:00 シュータークリニック(日高 哲朗 コーチ/千葉大学)
    ビッグマンドリル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
16:00 フィジカルトレーニング
17:00 個人練習(シューティングドリル) 
19:00 メディカル講習会
20:00 栄養講習会

■第3日目/1月26日(日)
6:00 シューティング 
8:00 自習時間 
9:00 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
10:15 シュータークリニック(日高 哲朗 コーチ/千葉大学)
    ビッグマンドリル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
11:15 フィジカル
12:30 閉講式

 今回は「モーションキャプチャー」という機材を用いてのシュートフォーム解析が、プログラムの一つの柱となりました。全身46か所、ボール5か所、リング7か所に特殊なセンサーをつけ、ゴールをぐるりと取り囲むように設置された18台のカメラでシュートフォームやボールの回転や軌道などを詳細にデータ化する試みで、第1回のキャンプでも同様の取り組みが実施されました。この解析は陸上競技などの個人競技で多く取り入れられていたもので、バスケットボール競技が大々的に導入するのは今年度のジュニアエリートアカデミーが初めてとなります。

 シュートを担当する日高 哲朗コーチ(千葉大学)は導入の理由について説明します。
 「これまで指導の現場では『シュートというのは個人の感覚が一番大事なので、他人には指導はできない』という認識が強くありました。これを指導できるようにするための基本づくりとして、佐々木三男プロジェクトリーダーの号令のもとに導入されました」

 解析を担当する袴田 智子研究員(国立スポーツ科学センター)も続けます。
 「シュート指導の現場では『もう少し腕を上げて』や『ピッと速く』などといった抽象的な表現が目立ちます。これをモーションキャプチャーを用いて詳細に知ることで、『もう少し』が何ミリなのか、『ピッと』が何秒くらいなのかを数値で表することができるようになります。明確な数字で伝えることによって、選手にもより伝わりやすいものになると思います」

 続けて袴田研究員は、このアカデミーにおけるねらいについて話してくれました。
 「1回目の測定は、アカデミー生が今自分がどういうフォームで打っていているのかを現状把握することが目的でした。『シュートフォームに正解はない』と言われていますが、ある程度の型はあります。その型とどう違うのかを、まず自分で認識してもらおうというねらいです。そして第2回以降のキャンプで、自分の課題と向き合い修正していき、今回はその効果を見るための測定と位置づけています」

 キャンプ中、選手たちは毎朝6時からシューティングを行なっています。その様子は2台のビデオカメラで撮影されていて、1分後に隣のモニターで確認することができます、自分が先ほど打ったばかりのシュートフォームを正面と横からチェックし、日高コーチとともに改善点を確認。その課題を持ち帰ってまたシュートを打ち込んでいくのです。

 こういった繰り返しの中で、選手たちのシュートに対する意識も大変高まっています。山口 颯斗選手(栃木県/鹿沼市立西中学校 3年/186cm)は、右膝と左つま先がリングに正対していないことを自覚し、自宅のリングでフォームを固定しながら1本ずつ丁寧にシュートを打っているそうです。岡田 優介選手(トヨタ自動車アルバルク東京)のようなシューターを目指しているという高橋 優人選手(東京・日野市立日野第一中学校 3年/189cm)は、「アーチを高くすることと真上に跳ぶことを意識してシュートを打っているのですが、3Pシュートを打つと腕の力がないからか、どうしても前に跳んでしまいます。キレイな3Pシュートを打つために、腕と体幹を鍛えて、打った後の姿勢がブレないようにしたいです」と課題を話してくれました。

 「シュートは授業では『入ればいい』ですが、競技においては『落とすのはダメ』という意識が求められます。10本中10本、20本中20本入れなければならないのです。選手たちには『落ちないシュートフォーム』を求めていきたいです」(日高コーチ)。選手たちはより厳しくクオリティの高いシュートを自分自身で追求しながら、最終のキャンプで集大成を発揮します。

 今年度最後となる第6回キャンプは、3月1日(土)~3日(月)に開催します。

■平成25年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第5回キャンプ 指導スタッフ紹介 ※敬称略

【バスケットボールスキル担当】
トーステン・ロイブル(JBAスポーツディレクター)、日高 哲朗(千葉大学)、本永 昌生(通訳)

【チームビルディング・ライフスキル】
神田 義輝

【心理カウンセリング担当】
奥野 真由(国立スポーツ科学センター)

【フィジカル担当】
小山 孟志(公益財団法人日本バスケットボール協会)、吉本 定明(青山学院大学)、國友 亮佑(江戸川大学)

【トレーナー担当】
西村 航(公益財団法人日本バスケットボール協会)、兒玉 清志(拓殖大学)

【栄養指導担当】
小林 唯(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【シューティングメカニズム担当】
袴田 智子(国立スポーツ科学センター)、稲葉 優希(国立スポーツ科学センター)

【ジュニアエリートアカデミープロジェクトスタッフ】
佐々木 三男(慶應義塾大学)、村上 佳司(天理大学)、古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
尺野 将太(公益財団法人日本バスケットボール協会)、七川 竜寛(パナソニック株式会社)

【アシスタントコーチ】
長田 大((有)OKスポーツ コーポレーション)、斉藤 耕太郎(さいたま市立岸中学校)
眞通 宏太郎(川口市八幡木中学校)、豊後 裕隆(株式会社ERUTLUC)
浦野 瑞久(茨城県立下館第二高校)、野坂 圭司(神奈川県横浜市 西本郷TAG)
町田 洋介(筑波大学)、吉元 研吾(町田市立鶴川第二中学校)