公益財団法人日本バスケットボール協会

　今年2月と3月、二度にわたって行われた選考会を経て、16名に絞られた2019年度 3×3 バスケットボール 女子日本代表チームは、4月21日(日)〜24日(水)の期間、アリーナ立川立飛にて第1次強化合宿を実施しました。「FIBA 3×3 アジアカップ2019」（5月22日〜26日＠中国・長沙）まで1ヶ月を切り、さらに続く「FIBA 3×3 ワールドカップ2019」（6月18日〜23日＠オランダ・アムステルダム）へ向けて継続的な強化を図っています。

　前回合宿時にはじめて3×3をはじめたWリーグ選手や大学生たちも、ルールやその戦い方を把握したことで質の高い練習やゲームができるようになりました。Wリーグ選手たちはオフシーズン中にも関わらず、しっかりとコンディションを上げて臨んでおり、「最後までインテンシティが高く、みんなの意欲が伝わってきました」とトーステン・ロイブル ディレクターコーチは評価しています。

　ディフェンスと起動力が世界に誇れる日本の武器です。また、3×3では5人制に比べ、コンタクトしてもなかなかファウルが吹かれません。だからこそ体をぶつけ、アグレッシブなディフェンスを徹底させています。昨年のアジア競技大会で銀メダルを獲得した宮下希保選手 (アイシン・エイ・ダブリュ ウィングス)はアグレッシブなディフェンスに対し、「そこで決めきることができればWリーグでも通用します。今回はなかなか決めきることができませんでしたが、そこを決めきれるようになりたいです」と目的意識を持ち、5人制の強化につなげていました。昨シーズンのWリーグでは「ミスマッチになったときのポストプレーの技術は、3×3で得たものを生かしています」と同じバスケであり、どちらの強化にもつながります。

　今合宿は4月21日(日)に行われた「3×3 JAPAN TOUR」の会場で行われ、はじめて大会仕様のコートでプレーする選手も多くいました。1日に複数試合行われ、コーチがいない状況ゆえにセルフマネジメントが求められます。様々な環境に対してどう対応すべきかをシミュレーションする機会になり、一つずつ経験を積み重ねています。

　「私が感じてきた3×3は全部伝えていきたいです」とその経験を惜しみなく注入するのは、3×3に専念している桂葵選手 (SUNS.EXE) 。「今まで3×3を盛り上げるためにがんばってきた部分を、さらに積み上げていくためのステップとして3×3をはじめたばかりの能力ある選手たちに伝えながら、上手くなるきっかけにして欲しいです。日々練習できているWリーグ選手らがきちんと3×3を理解したら、日本は最強になれると思っています」と女子3×3のレベルを引き上げるために献身的な姿勢で取り組んでいます。

　普段は会社員であり、有休を使って合宿に参加した桂選手。「有給が足りなくなれば、それはそれで幸せだと思っています。その分、日本代表合宿に参加できている証でもあるから」と楽しそうに合宿に臨んでいたのが印象的です。Wリーグや学生だけではない様々なカテゴリーから選考されており、「5人制よりも楽しい部分が多い」という宮下選手。「（アイシンAWの）OGだけど一緒にプレーしたことがなかった前田（有香）さん（BEEFMAN.EXE）やカテゴリーの違う桂さんなどと一緒にプレーできるのがうれしいです。まだまだ3×3は知らないことが多く、いろんな考え方を教えてもらったことはすごくためになりました」と刺激を受け、みんなで女子3×3を盛り上げるために切磋琢磨しています。

　これから向かう大会には4人しか出場できない狭き門の3×3。オリンピックへの出場権を得ることはできましたが、現在7位（先月8位）のFIBAランキングをしっかり上げていくことがメダルにつながっていきます。そのためにも日本代表となる4人だけではなく、3×3に関わる全ての選手が様々な大会に出場し、好成績を狙って行くことも必要です。

　ロイブルヘッドコーチは「まだまだオリンピックまでの選考は続く。それぞれが大会に出て行き、みんなで日本のランキングを上げていくことが大切だ」と伝えました。大神雄子サポートコーチは言います。「代表に入れなかったら終わりではなく、自ら大会に出場しみんなでポイントを獲りに行き、日本のランキングを上げられるのが3×3のおもしろさであり、良いところです」。今後も日本一丸となって3×3を盛り上げ、強くしていきます。

【今後の予定】
○第2次強化合宿：5月14日(火)〜18日(土)　＠秋田県・横手市
○FIBA 3×3 アジアカップ2019：5月22日(水)〜26日(日)　＠中国・長沙
○海外遠征：6月6日(木)〜17日(月)　＠チェコ・ニームバーグ
○FIBA 3×3 ワールドカップ2019 ：6月18日(火)〜23日(日)　＠オランダ・アムステルダム