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ハヤブサジャパン 平成26年度男子日本代表チーム 強化合宿(韓国遠征) 第3戦 vs韓国代表 結果報告

2014年6月28日

約2年ぶりの代表戦復帰となった竹内 譲次選手

得点こそ4点だったものの、果敢な攻めを見せ、3アシストを挙げた田中 大貴選手


 ハヤブサジャパン 平成26年度バスケットボール男子日本代表チームは、6月24日(火)より韓国遠征を実施しています。遠征4日目となった6月27日(木)、忠清北道・鎮川郡にある韓国ナショナルトレーニングセンターにて、今年FIBAワールドカップ(8月30日~9月14日/スペイン)に出場する韓国代表と練習試合を行いました。

 男子日本代表チームは、第5回FIBA ASIAカップ(7月11日~19日/中国・武漢)の選手選考も兼ねており、タイムシェアをしながら試合を進めていきます。とはいえ、結果は56-89の33点差をつけられて完敗。試合後、長谷川 健志ヘッドコーチは「やはり高さよりも、コンタクトの差が出た試合でした。韓国のハードなコンタクトに我々のプレイをさせてもらえませんでした。戦術を語る以前に、1対1で負けてしまっているので戦術にもなりません」が敗因と語ります。

 ですが、それは長谷川ヘッドコーチの言葉にあるように、織り込み済みのこと。今回の韓国遠征の最大のテーマは「現状をもう一度理解すること」です。同じ東アジアに位置し、体格もさほど変わらないものの、昨年のFIBA ASIA選手権では3位と強さを持つ韓国代表に対し、それを体感し、理解したうえで、自分たちが次に何をすべきなのかを知ることが重要だと考えたのです。

 「これまでやってないからいけないんだと言われても、もはや仕方のない話。ならば『今からやろう』と選手たちには言っています。国際大会でのフィジカルの強さを知っている日本代表がそれを率先して取り組み、成果が出れば、下の世代も取り組んでいくはず。そうした意味でのパイオニアになろうと話しています。国際大会のフィジカルの強さを知る我々が示さなければ、日本はこれからもずっと変わらないままですから。」
 今さらという批判もあるかもしれませんが、そうした批判も引き受けたうえで、ここからもう一度這い上がろうと長谷川ヘッドコーチは選手に訴えます。

 「表現としてはけっして良くありませんが、負けても充実したゲームでした」と第一声を発した竹内 譲次選手(日立サンロッカーズ東京)は、「怪我で約2年、日本代表活動から離れていましたので、それがこうして再び日本代表のユニフォームを着てプレイできたことはやはり嬉しいことです。初めて日本代表に選ばれたときのような新鮮な気持ちでプレイができています。その一方、国内リーグと同じでは通用しないことをこの試合で思い出させられました。同じでは国際ゲームでは完膚なきまでにやられてしまいます。ここでは自分の体力がなくなるまで走り続けなければいけません。それが国際ゲームだと改めて感じることができました。」と、その意図を述べてくれました。

 今はまだ結果に捉われるのではなく、国際ゲームに耐えうる心身を作り上げていくことが大事になります。そのうえで国際ゲームでの経験を国内リーグに還元していけば、日本全体のレベルは上がっていきます。「長谷川ヘッドコーチからも言われたことなのですが、日本国内でやっているだけでは気づかないことを、韓国代表とやることで気づいて、それを日本に持ち帰る。そうして僕たちが日本を強くしなければいけないと思っています」と、最年長の竹内 譲次選手は下の世代に残していくことも大事にしています。

 それは竹内 譲次選手のようなチームを引っ張る選手だけの意識ではありません。若手であっても日本を代表するチームの一員のですから、同じ意識を持たなければなりません。
 この日の試合で積極的な攻撃を見せたのは、今春、東海大学を卒業したばかりの田中 大貴選手。その田中選手が「韓国代表は国を代表して戦っているという気持ちをプレイに出してくるチームです。その点において、我々はすでに劣っていると思いました。技術や戦術以前の問題です。でもその韓国と対戦することでいい経験が積めたと思いますし、それをこの先へどうつなげていくかは僕たち次第だと思っています」と言います。長谷川ヘッドコーチの考えは田中選手ら若手にも浸透しており、それが日本代表を築き上げていくことになっていくのです。

 もちろん、この日行なわれた練習試合が、戦術的にまったく何もできずに終わったわけではありません。後半に日本代表の繰り出したマッチアップゾーンが韓国の攻撃のリズムを狂わせました。韓国代表は短い間に連続してタイムアウトを取って、ゾーン攻略の戦術を確かめ合っていました。長谷川ヘッドコーチも「マッチアップゾーンが形になってきた」と手ごたえを感じています。韓国代表と直接対戦することで見えてきたものは確かにあるようです。

 「普段なかなか経験できない相手と試合ができているので、失敗してもいいから、いろんなことを試したいです」と竹内 譲次選手が言えば、積極的な攻撃姿勢を見せていた田中選手も「もっと『自分が攻めるんだ』という気持ちを出してもよかったと思います。これからも得点を取ることにこだわっていきたいです」と、次戦に向けて意欲を見せています。

 韓国遠征も折り返し、残り2試合。延世大学と試合を行なった後、最終日には再び韓国代表とのゲームが組まれています。今遠征の集大成として、韓国戦ではこれまでの課題を生かし、次につながるものにしていきます。

■ハヤブサジャパン 平成26年度バスケットボール男子日本代表チーム
 強化合宿(韓国遠征) 試合結果

■韓国遠征 GAME3 vs 韓国代表
 6/27(金) 16:00~ 会場:韓国ナショナルトレーニングセンター
 男子日本代表 ● 56-89 ○ 韓国代表
 (11-25, 18-23, 14-27, 13-14)
 ※主な得点者:#15竹内 譲次選手 12点、#6菊地 祥平選手 10点、#16比江島 慎選手 7点