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第36回男子ウィリアム・ジョーンズカップ 最終日 5位決定戦 ハヤブサジャパンはチャイニーズ・タイペイBに延長の末71-73で敗れ、第6位で大会終了

2014年8月17日

延長の末、惜しくも2点差で敗れ6位で終わったハヤブサジャパン

今大会を通じて多くのことを経験し、成長が見られた#12比江島 慎選手


 「第36回男子ウィリアム・ジョーンズカップ」最終戦、5位決定戦に臨んだハヤブサジャパン 男子日本代表チーム。成長した姿を見せるため、勝って5位になって帰国するための最終戦が始まりました。

 珍しくジャンプボールを3度やり直し、4度目で試合が始まりました。チャイニーズ・タイペイBに先制されるも、#5古川 孝敏選手が2本の3Pシュートを決めて追い上げ、6-6。その直後、ゴールに向かっていった#16富樫 勇樹選手が倒され起き上がれず。イラン戦に続き、腿を痛打し、#6永吉 佑也選手らに抱えながら交代を余儀なくされます。そこから連続得点を許した日本でしたが、#14張本 天傑選手のスティールから代わって入った#4渡邉 裕規選手が速攻を決め、さらに3Pシュートを沈めて15-11とリードします。24秒バイオレーション間際まで相手を追い込み、タフショットを打たせる好ディフェンスをしていた日本でしたが、チャンスを得たオフェンスでなかなか得点ができず、32-30と辛うじて2点リードし前半終了。

 大会序盤は後半に流れを奪われていましたが、ここ3試合は後半も集中して臨むことができていました。しかし今日は、第3ピリオド中盤から4連続得点を許し、40-48と8点差まで離されます。第3ピリオド終了時には46-50と4点まで詰めた日本でしたが、第4ピリオド開始1分ほどで46-55、この試合最大となる9点リードされました。「逆転されたり離されそうになった時に追いつけたり、最後まで積極的にゴールに向かっていけたのは最初の頃とは大きく違い、日に日に成長した成果は見えました」と長谷川 健志ヘッドコーチが話すように、諦めることなくここから日本の反撃がスタート。オフェンスリバウンドを取り、ドライブを仕掛けながらゴールを挙げ、#13田中 大貴選手の速攻が決まり、残り2分30秒で57-60と1ゴール差に迫ります。さらにバスケットカウントとコールされても良いほど激しいチェックにあいながらも、ゴール下から2本のシュートを決めた#8小野 龍猛選手の活躍で61-62。残り時間は1分28秒。攻撃の手を緩めずペイント内から#15満原 優樹選手がゴールを決め、今度はファウルをもらってバスケットカウント。残り53.8秒、しっかりフリースローを沈めて64-64、ここで日本が同点に追いつきます。逆転を目指した小野選手のシュートは決まらず、予選ラウンド第2戦のイラン戦に続き、2度目の延長戦へ突入しました。

 「予選ラウンドの時は完全に気持ちの部分で負けていましたが、今日は同等までくることはできました。しかし、最後のあと一歩のところで、相手に思い切り良いシュートを打たれてしまったのは反省点です」と話すのは#12比江島 慎選手。先行された延長でしたが得点を返し、逆転を目指す日本。71-73とリードされても、残り時間はまだ1分34秒ありました。しかし、どちらも決まらず時間が過ぎていく中、ラストシュートを打つチャンスを迎えたのは日本。満員の会場、大歓声の中、指示の声がかき消されたのもあったでしょうが、シュートまで行けずに終了のブザーが鳴り、結局71-73で敗れ、日本は1勝8敗の6位で9連戦を戦い終えました。

 ラストプレイについて、比江島選手に振り返ってもらいました。「あれは自分の判断ミスです。スペースを開けさせて、自分がフィニッシュすると決めていれば良かったのですが、中途半端に人任せになってしまいました。満原選手のシュートが当たっていたので、パスを選択してしまいました。あの位置で満原選手がボールをもらっても困るだけでしたので、完全に自分の判断ミスです」。最後の場面もさることながら、第2ピリオドではタフショットを強いられ、第4ピリオドはオフェンスリバウンドを取った後のチャンスを生かせず、オフェンスの課題点も浮き彫りになりました。

 長谷川ヘッドコーチは、「コンタクトした時のシュートがまだ弱く、完全にファウルコールされるくらいの強さがまだまだ足りないです。それもアタックしていかないと覚えない部分であり、これまではそういったプレイがあまり出せていませんでした。試合後、チャイニーズ・タイペイのスタッフに、昨年までは保守的なプレイだったのに、今年は攻撃的になってると言われました。まずは試すところからスタートしなければ始まりませんし、インサイドから得点できないと何も変わりません」と言います。富樫選手は、「ディフェンスが日本の一つのスタイルではあり、相手を苦しめることはすでにできています。そこから高さでリバウンドを取られるのはある程度は仕方ありません。それを補うためにもオフェンスでもう少し改善できる部分はあるという可能性は感じました」と話していました。今日の2Pシュートの確率は38%(17/45本)と低く、フリースローもまた58%(7/12本)と落としたことは、もったいなかった点です。それでも課題であったリバウンドは44:40で勝っており、だからこそ勝てなかった悔しい試合でもありました。

 9連戦を戦い抜き、「ビハインドから延長まで持ち込めた点は、本当に良い粘りが出ました」と言うのは本日17点を挙げた#13田中 大貴選手。比江島選手も「みんなでディフェンスを頑張って、リバウンドも弾いてからマイボールにし、そこから走ってシュートまで行けることができていました。それを継続し、もっと伸ばしていけばアジアでも戦えるという手応えは感じています」と言います。そして富樫選手は、「結果は1勝しかできませんでしたが、その中でも勝てる試合は絶対にありました。マイナスに思っているものは何もありません」と話しており、1勝8敗という結果でしたが選手たちはしっかり得るものがあった大会となりました。

 今回のジョーンズカップと7月の第5回FIBA ASIAカップを戦い終えた長谷川ヘッドコーチは、「これまでの大会より、サイズも強さもある選手が今後は出てくるとは思います。アジアでの戦い方をどうすれば良いか、選手ともどもどう勝っていくかは勉強してしていかなければなりません」と話しており、アジア競技大会へ向けて2大会で得た経験や情報を元にさらなる強化を進めていきます。

 最終試合となった決勝戦は超満員の中、地元チャイニーズ・タイペイAと、第4戦での日本戦で一人負傷し7人で勝ち抜いてきた韓国が対戦。この試合の審判は日本の増渕 泰久レフェリーが務めました。序盤はリードしていた韓国でしたが、第3ピリオド怒濤の追い上げたを見せたチャイニーズ・タイペイが残り30秒で逆転。さらに熱気に包まれる中、55-52とし最終ピリオドへ。しかし、リードを奪い返した韓国が83-79で勝利し、1999年(第22回大会)以来15年ぶり2度目の優勝で幕を閉じました。

■8月17日(日) 第9日目 試合結果
[7位決定戦] ヨルダン ● 79-84 ○ イラン
[5位決定戦] 日本 ● 71-73 ○ チャイニーズ・タイペイB
[3位決定戦] エジプト ○ 81-78 ● アメリカ選抜
[決   勝] 韓国 ○ 83-79 ● チャイニーズ・タイペイA

■第36回男子ウィリアム・ジョーンズカップ 最終順位
優 勝  韓国(蔚山モービスフィバス) ※15年ぶり2度目
準優勝  チャイニーズ・タイペイA
第3位  エジプト
第4位  アメリカ選抜
第5位  チャイニーズ・タイペイB
第6位  日本
第7位  イラン
第8位  ヨルダン

■第36回男子ウィリアム・ジョーンズカップ 個人賞
[MVP] RATLIFFE Ricardo Preston (韓国 #20)
[大会ベスト5] SONG Chang-Young (韓国 #5)
[大会ベスト5] MOON Tae-Young (韓国 #15)
[大会ベスト5] RATLIFFE Ricardo Preston (韓国 #20)
[大会ベスト5] YANG Chin-Min (チャイニーズ・タイペイA #5)
[大会ベスト5] TSUNG Hsien-Chang (チャイニーズ・タイペイA #11)