ニュース

女子日本代表:2017年4月に掲げた目標『東京2020オリンピックで金メダル』へ向けた集大成

2021年7月25日

金メダルを目指す女子日本代表

8月8日の最終日に同じく日の丸を掲げる光景が見られることに期待

 AKATSUKI FIVE 女子日本代表が、東京2020オリンピックに向けて掲げた目標は『金メダル』。2017年4月に就任したトム・ホーバスヘッドコーチは、「今までのことを忘れて、今日から新しい日本代表のバスケットがはじまる」と告げ、世界一を目標に新チームがスタート。10位になった2016年リオデジャネイロオリンピックを体現した選手だけではなく、はじめて召集された若い選手たちも金メダルを目標にし、常に自らの言葉で発してきました。あれから4年の月日が流れ、いよいよ本番を迎えます。

 リオデジャネイロオリンピック経験者は5人(髙田真希選手、町田瑠唯選手、宮澤夕貴選手、長岡萌映子選手、三好南穂選手)。シックスマンとして活躍した髙田選手は平均22分1秒、同じく町田選手は11分4秒のプレータイムを与えられました。しかし、他の選手たちは10分にも満たない出場機会でしたが、4年を経た今ではチームを引っ張る存在として成長を遂げています。

 前回のオリンピック後、「オフェンス重視でとにかく走って攻めることを心がけていましたが、それだけでは勝てない。特にアメリカには勝てないことを痛感しました」と髙田選手は新たな課題に取り組みます。金メダル獲得に近づくためにも、フィジカル強くプレーすること。世界の大きな選手たちを相手にも、臆することなくぶつかっていくことを徹底し、強化してきたことが4年の月日を経て開花しはじめています。今月行われた強化試合では、「自分たちは背が低いので、アグレッシブなディフェンスを常に練習から練習してきました。その成果として、どの国と試合をしても通用したのが良かったと思います」と町田選手も手応えを感じていました。

 ホーバスヘッドコーチは、「(2020年2月の)オリンピック世界予選でのディフェンスは、ダブルチームで対応していました。しかし今は、ウイングの選手がプレッシャーをかけることで相手のリズムを崩し、そこにビッグマンたちがしっかり体を当てることでいろんなディフェンスができるようになってきました」と評価し、目標に向かって着実に成長が見られています。

 オリンピックでは1996年アトランタ大会から6連続金メダルを獲得し、世界のトップに立つアメリカとは予選ラウンドで同グループとなり、7月30日(金)に早くも対戦します。フランス、ナイジェリアとともに4チームでの総当たり戦で予選ラウンドは行われます。3つのグループでそれぞれ上位2チームと、各グループの3位チームの中から勝率が高い2チームを加えた8チームが決勝トーナメントへ進出します。目標に近づくためにも、予選ラウンドを上位で抜けることが必要です。

 過去の公式戦での戦績を見ればフランスには4勝1敗、ナイジェリアには1勝負けなし、そしてアメリカにも2勝(4敗)した記録が残っていました。出場12チームとの戦績を見ても、スペインにこそ5敗とまだ未勝利であり、セルビアとは対戦がありませんが、それ以外は勝利した実績があります。世界と比較すれば小さいチームですが「技術、速さ、パッシングで相手が嫌がるバスケット」で凌駕し、どこよりも速いペースで世界に打ち勝つスタイルが魅力です。

 これまでともに切磋琢磨してきた仲間たちも多くいますが、オリンピックのエントリーは12人だけ。キャプテンであり、2度目のオリンピックに臨む髙田選手はその思いを語りました。

 「一緒に戦ってきた仲間たちもたくさんいます。1年延びたことによって出られなかった選手もいれば、逆にチャンスをつかんだ選手もいます。今はこのチームで集中して大会に臨みたい気持ちです。個人的には大崎(佑圭)さんや渡嘉敷(来夢)選手と一緒に戦いたかったという気持ちもあります。言葉で言い表すのは難しいですが、そういった選手たちの気持ちを持って、自分たちはコートに立たなければいけません。それがオリンピックの12人に選ばれた選手の責任や覚悟だと思っています。みんなの思いを背負って、コートで良いバスケを発揮することが重要です」

 2017年4月から東京オリンピックで金メダルを獲得するために強化してきたホーバスヘッドコーチは、「延期となったこの1年は本当に長かったです。ケガ人も多く、引退した選手も多かったですが、バスケットとはそういうスポーツであり、仕方ありません。いろんな対応をしなければいけませんでしたが、今はおもしろいバスケットを見せられるチームになりました。オリンピックという大きなステージで強くて、楽しくて、きれいな日本のバスケットを見せたいです」と集大成に向かいます。

 コロナ禍により、せっかくの自国開催ながら無観客試合となってしまったことは残念であり、それは選手たちにとっても同じ気持ちです。髙田選手からファンの皆さんへ向けたメッセージをご紹介します。

「金メダルを目指して大会に挑んでいきます。無観客は寂しいですが、自分たちがやることは変わりません。最高の舞台で日本のパフォーマンスを見せて、初戦からエンジン全開で戦っていきます。ファンの方やたくさんの方々のたくさんの思いを背負って戦ってきますので、熱いエールをよろしくお願いいたします。行ってきます!」

■女子日本代表選手

#0 長岡 萌映子 (PF / 183cm / トヨタ自動車 アンテロープス)
#8 髙田 真希 (C / 185cm / デンソー アイリス)
#12 三好 南穂 (SG / 167cm / トヨタ自動車 アンテロープス)
#13 町田 瑠唯 (PG / 162cm / 富士通 レッドウェーブ)
#15 本橋 菜子 (PG / 165cm / 東京羽田ヴィッキーズ)
#20 東藤 なな子 (SG / 174cm / トヨタ紡織 サンシャインラビッツ)
#27 林 咲希 (SG / 173cm / ENEOSサンフラワーズ)
#30 馬瓜 エブリン (PF / 181cm / トヨタ自動車 アンテロープス)
#32 宮崎 早織 (PG / 167cm / ENEOSサンフラワーズ)
#52 宮澤 夕貴 (SF / 183cm / 富士通 レッドウェーブ)
#88 赤穂 ひまわり (SF / 185cm / デンソー アイリス)
#99 オコエ 桃仁花 (PF / 182cm / 富士通 レッドウェーブ)

■予選ラウンド グループ
[グループA]スペイン(3位)カナダ(4位)セルビア(8位)韓国(19位)
[グループB]アメリカ(1位)フランス(5位)日本(10位)ナイジェリア(17位)
[グループC]オーストラリア(2位)ベルギー(6位)中国(9位)プエルトリコ(23位)
※()内はFIBAランキング(現在)

■予選ラウンドスケジュール
7月27日(火) 10:00 日本 vs フランス
7月30日(金) 13:40 日本 vs アメリカ
8月2日(月) 10:00 日本 vs ナイジェリア