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FIBA 女子アジアカップ2021:5連覇達成した喜びのコメント紹介「ワクワクが最強である」恩塚亨ヘッドコーチ

2021年10月4日

大会史上初5連覇を達成したAKATSUKI FIVE 女子日本代表

選手の自主性を尊重し、開花させた恩塚亨ヘッドコーチ

 「FIBA女子アジアカップ2021」で5連覇を達成したAKATSUKI FIVE 女子日本代表チーム。中国との激しい決勝戦から一夜明け、喜びのコメントをご紹介します。

■恩塚亨ヘッドコーチ
選手やスタッフたちと喜びを分かち合うことができて、最高の気分です。

まず私たち世界一のアジリティを目指して活動しています。それをするために、原則とワクワクする気持ちを大切にしていましたが、ワクワクが最強であることをスタッフも選手たちも感じることができたと思います。優勝できた大きな要因として、終始エネルギーに溢れたプレーをすることができた点です。なぜ、そのエネルギーが溢れる状態になれたかと思い返したときに、人は夢を心に抱いて、効果的な方法を理解して、私ならばできると思えた時に、ワクワクして力を発揮できる、それが実戦することができました。

目標は優勝、このチームの目的は夢を与えられる存在になろうという理想を掲げていました。私たちのがんばりが、誰かの喜びやエネルギーにつながることを信じてプレーできたことが大きかったです。このチームが若手だからとか、相手が大きいとか、オリンピックチームだからということで、自分たちの力を差し引くことなく、目標と目的を持ち続けられたことが大きかったです。

次に効果的な方法を理解して戦えてことも大きかったです。優秀なアシスタントコーチの存在も大きく、上野経雄コーチは戦術面で、鈴木良和コーチはスキル面でサポートしてくれました。2人とも世界一のアシスタントコートであり、彼らのおかげで選手たちが明確な戦い方を身につけて毎試合に臨むことができました。

最後に自信を持って戦えたことについては、「私ならできる」「私たちならできる」という気持ちに溢れて戦うことが大きかったです。象徴的だったシーンが、ベンチからただ声をかけるだけではなく、私のこの声がけがチームの力になると信じて、一人ひとりが言葉を選んで考えて、声をかけていました。そういう声がけがチームの大きなエネルギーになっていましたし、負ける気がしないというポジティブなエナルギーになっていました。

何を信じて、どんな気持ちで、どんな夢を描いて、理想を抱いてがんばるというスタイルで結果を得ることができたことをうれしく、そして誇らしく思っています。

■キャプテン #27 林 咲希選手 (ENEOSサンフラワーズ)
新しいチームで金メダルを獲れたのは本当にうれしく思います。オリンピック後の大会だったので、勝ってホッとしているのが正直な気持ちです。

自今大会はキャプテンとして、どうやってみんなを引っ張って行くかを考えながらプレーしていました。最終的にこのチームで勝ちたいという気持ちが本当に強く、インド戦以外はどの試合もしんどい時間帯が多かったですが、勝つということだけを考えて、何が何でも点を決めてやるとか、走ってどうにか自分たちの流れに持って来ようとか、ずっと思ってプレーしていました。勝ち切る力をつけることができたのが、今大会の収穫だと思っています。なかなか3ポイントシュートは打たせてもらえなかったですが、それでも落ち着いてプレーできていました。チーム全員が焦ることなく、優勝する瞬間まで気を引き締めて戦えたことがすごく良かったと思います。選手一人ひとりに感謝していますし、みんなによくがんばったねと伝えたいです。

■#3 馬瓜 ステファニー選手 (トヨタ自動車 アンテロープス)
最終的に結果が出たことは、すごくうれしく感じています。大会を通して成長できたことがこのチームの良いところでした。まだまだ満足できるようなバスケットができたわけではない中で優勝できたことは、今後の成長の余地があることも感じられた大会でした。

最初のインド戦こそシュート率がすごく高く、みんなの調子も良かったですが、その後はなかなか外のシュートが入らなかったり、相手の強いディフェンスに苦戦することもありました。チームとしては、最終的に勝ち切れたことが本当に大きかったです。まだまだ若いチームですが、勝ち切る経験ができたことがすごく良かったです。
個人としては、大会を通してずっと調子が良かったわけではないので、まだまだできることはあったと思います。少しでもチームに貢献したいと思い、シュートだけではなく、ディフェンスでもチームに貢献できたことは良かったと考えています。

■#18 西岡 里紗選手 (三菱電機 コアラーズ)
オリンピックを終えて、注目も集まっている中、若いチームのために優勝できなくても仕方ないとまわりに思われると感じていました。その中で、優勝まで導いてくれたチームメイトに感謝しています。

どの試合も厳しい試合が多くて、点差も離れることがない中、しんどいときこそチーム一丸となって日本のバスケットを貫けたことはとても自信になりました。ベンチで見ていても勉強になりました。日本の強さをオリンピックに続いて、アジアカップでも証明できたことをうれしく思います。
最初は新しいシステムに私自身も戸惑ったり、うまくいかないこともありましたが、選手やスタッフとのコミュニケーションが増えて、どんどんチームとして確立していく姿を私自身もみんなも感じていたと思います。それがどんどん形となって、結果として表れたことは、この後のパリオリンピックまでの形作りとしてはとても良かったと思います。

■#20 東藤 なな子選手 (トヨタ紡織 サンシャインラビッツ)
この若手メンバーでアジアカップ5連覇を達成できたことは、日本の女子バスケの力が本当についてきたと思います。個人としてはたくさん課題が見つかったので、これからにつながる大会になりました。

オリンピックメンバーが少ない中で、新しいヘッドコーチになったことでスタイルが変わり、プレーの幅が広がった分、チームメイト同士の合わせなどがうまくいかないこともありましたが、試合を重ねるごとにチームのみんなで声を掛け合って、どんどん良いチームになっていくことを感じられました。それが決勝でも接戦を勝ち切る力につながったと思います。

個人としては、カウンター1on1をメインにしているので、そこで持ち味を出そうと思っていましたが、相手の高さや新しいプレースタイルの中で迷うこともあり、あまりうまくプレーができなかったのは悔しいです。そのときでも、リバウンドやディフェンスで貢献しようと思い、そこでがんばることができたのは良かったです。

■#21 永田 萌絵選手 (トヨタ自動車 アンテロープス)
このチームがはじまるときにアジアカップで優勝する目標を掲げて、それに向けてみんなで練習をしてきました。がんばってきたことが、しっかり優勝という結果に結びついたことが本当にうれしいです。

個人的にはすごく悔しい気持ちでいっぱいです。なかなかプレータイムもなくて、悔しい気持ちが一番大きいです。でも、この経験を自分の成長につなげることができると思うので、これをチャンスと捉えて、ステップアップにつなげていく気持ちでいます。プレーの振り返りや今後の練習をどうするかなどをしっかり見据えて、前を向いてがんばっていきたいです。

■#23 山本 麻衣選手 (トヨタ自動車 アンテロープス)
優勝できたことはすごくうれしいです。スターティングメンバーたちががんばってくれて、自分たちベンチメンバーもしっかりサポートでき、本当にチームでつかんだ優勝だったことをすごくうれしく思います

予選の時は、なかなか自分のプレーのできない試合もありましたが、それを乗り越えられたのも自分を信じることの大切さをもう一度見直して、しっかり準備して戦うことができました。また、苦しい試合も多かったですが、みんなで乗り越えて、最後に1点でも良いから勝ち切ろうと向かって行く団結力がすごかったです。

■#32 宮崎 早織選手 (ENEOSサンフラワーズ)
このメンバーで優勝できたことは、すごくうれしかったです。オリンピックメンバーがほぼいない中で、若手で臨むことに少し不安もありました。でも、若いエネルギーが良い形に変わって、優勝することができました。この短期間で最高のチームを作ってくれた恩塚ヘッドコーチとスタッフには本当に感謝しています。オールスター5を獲れたこともうれしいですし、オリンピックではあまり試合に出られなかったので、そのときの悔しい気持ちが今回のアジアカップで自分の持ち味を存分に出すことができたと思っています。

まだ波があったので、そこをなくすようにどんな相手でも10点以上、アシスト5本以上取れたらよかったと思いますし、そこは反省点です。全体的には良い形ができ、最後に優勝することができて、ホッとしています。

■#33 中田 珠未選手 (ENEOSサンフラワーズ)
オリンピックとは大きくメンバー構成も監督も代わり、新しい体制で臨みましたが、まわりの人たちからもあまり5連覇をできるとは思われていないとすごく感じていました。その中で、この若いメンバーで勝ち切ることができ、優勝できたことがとてもうれしかったです。前回大会も出場しましたが、決勝のコートに立つことはできなかったので、今回はしっかり試合に出て、少しでも貢献することができた中で金メダルを獲れたことがすごくうれしかったです。

このチームに来て、トム(ホーバス)さんのときとは違って自分の役割がハッキリしない中で、それぞれの持ち味を発揮していくバスケットスタイルでした。その中で、自分の足りない部分や強みである部分を試合をしながら感じることがたくさんありました。このポジションとしてはスピードがあるので、ドライブを強みにしていました。ディフェンス面で、それが優位に働くことが多いと思えるようになり、それは自信につなげることができました。

■#41 根本 葉瑠乃選手 (三菱電機 コアラーズ)
本当にうれしく思っていますし、チームメイトへの感謝の気持ちでいっぱいです。

チームとしては試合を重ねるごとに、全員がひとつの目標に向かって戦っていると実感することができました。自分のプレーが思うようにできませんでしたが、ベンチでみんなを励ます声を出したり、それも含めてチーム一丸となって戦えたのが良かったです。

■#81 宮下 希保選手 (トヨタ自動車 アンテロープス)
このチームの活動がはじまって恩塚ヘッドコーチに代わり、長い時間練習ができたわけではないですが、一人ひとりがしっかりコミュニケーションを取り合いながらできたことが、この金メダルの結果につながったと思います。

私自身は1試合目のインド戦から試合に出させてもらって、最初は良かったですが、国内での合宿や練習試合で調子が上がらず、それ以降の試合はあまり出られなかったのでそこは悔しい点です。でも、チームが勝つために自分が今できることを、決勝に向かっていくにつれて、だんだんと自分の役割が少しずつできるようになっていったと感じていました。チームとしては1試合1試合強くなっていましたし、試合を通して選手同士のコミュニケーションがより良くなっていました。

■#88 赤穂 ひまわり選手 (デンソー アイリス)
ホッとしているというのが、一番です。5連覇という素晴らしい結果が残せたことをとてもうれしく思っています。
決勝はみんなに迷惑をかけてしまい、良いプレーもできなかったですが、チームバスケで獲れたMVPなので、みんなに感謝しかないです。ありがとうございます。

私自身は、納得のいくプレーができた試合は限られていましたが、その中でも自分のやるべきことを見つけて、最低限のことはできたと思っています。でも、決勝は全然点数も取れなかったですし、ディフェンスとリバウンドをがんばろうと思って挑んだのですが、あまりよくありませんでした。その中でも、みんなががんばって優勝できたことが良かったです。チームとしても、今大会を通じて、あまり良いバスケはできなかったと思います。でも、決勝ではみんなの足が動いていたし、一番良いバスケをすることができていました。大会を通じて、どんどん成長することができたと思います。

■#99 オコエ 桃仁花選手 (富士通 レッドウェーブ)
今回は若手選手で出場しましたが、これまでの4大会で優勝してきた日本の歴史をつなぐことができてうれしく思っています。

オリンピックが終わって短い期間でしたが、しっかり対策をして、一人ひとりの役割を徹底して、チームワークの大切さをオリンピックを通して感じていたので、それをアジアカップでも体現することができたのが良かったです。
個人としては得点を取ることはできていましたが、それよりも3ポイントシュートがオーストラリア戦と中国戦はなかなか入らなかったですが、それでも打ち続けることができたのは自信につなげることができました。