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FIBA女子ワールドカップ2022[予選ラウンド 最終戦]日本54-71オーストラリア「この悔しい経験をしたからこそ強くなれたという未来に向かって」髙田真希選手

2022年9月28日

悔しい経験をバネに、2年後へ向けた成長の大切さを知る髙田真希キャプテン

女子日本代表初選出で世界と戦った安間志織選手は反省しきり

 「FIBA女子ワールドカップ2022」は前日の他チームの結果により、すでに予選敗退が確定して迎えた予選ラウンド最終日。「日本のバスケをしている子どもたちのために、私たちが先頭に立って戦わなければいけない」とオコエ桃仁花選手(富士通レッドウェーブ)は明かし選手たち自身がもう一度士気を高めて、チーム一丸となって臨んだ地元オーストラリア戦。しかし、結果は54-71で敗れ、通算1勝4敗のグループB 5位で早々に今大会での戦いを終えました。

 恩塚亨ヘッドコーチは、もう一度これまでの合宿やテストゲームを振り返り、大会前までできていたことができていない違いが現れています。

「不安やもしかしたらプレータイムが短い選手は不満があり、バスケットに集中しきれないことで脳のリソースが取られてしまって良い判断ができなくなり、そのためにオフェンスの停滞につながっていたのがひとつのポイントでした。もうひとつ、オフェンスの継続性では、これまでは誰かの攻撃に対してサポートすることができていましたが、今大会ではうまく機能していませんでした」

 オーストラリア戦では自信を持って積極的にプレーし、オフェンスの継続性を失わずにみんなでサポートするプレーが戻ってきた時間帯も「今日は多かったです」と恩塚ヘッドコーチは評価します。しかし、集中力が切れてそのプレーができない時間帯に引き離され、「オフェンスリバウンドを支配されてしまったことで、勝負を決められてしまいました。最後のゴール下の紙一重のシュートをオーストラリアは決め、私たちは決めることができなかったです」と恩塚ヘッドコーチは敗因を挙げます。

 安間志織選手(UMANA REYER VENEZIA)は、「チームが勢いに乗ってるときに出る機会が多かったですが、そこでターンオーバーをしてしまったり、チームとして良いディフェンスをしているときにミスしてしまうことが全体的に多かったです」と反省しきり。持ち味のスピードに手応えを感じつつも、「その使い方と判断が課題になりました」とはじめての世界舞台を通じて、学ぶことが多くあったようです。

 リオ2016オリンピックで決勝トーナメント進出を果たしてベスト8、東京2020オリンピックで銀メダルを獲得し、輝かしい結果を残している女子日本代表。しかし、FIBA女子ワールドカップでは6位になった1979年韓国大会以来、ベスト8に届ずに予選敗退が続いています。前回大会となる2018年、トム・ホーバス前ヘッドコーチのときもベスト8決定戦にて、FIBAアジアカップでは勝利した中国に81-87で競り負け、9位に終わりました。

 4度目のFIBA女子ワールドカップを終え、この悔しさを毎回味わってきた髙田真希キャプテン(デンソーアイリス)は、「何が足りないか、どうしてこういう結果になったのかを一人ひとりが考えて、それをまたこれからはじまるWリーグで課題として持って行くことが大事です」と言い、パリ2024オリンピックまでの2年間の過ごし方に言及します。

「国内では簡単にできてしまうプレーも、海外ではなかなか通用しないことの方が多いです。所属チームでの自主練習などで、今回得た課題に取り組むことがすごく大切になります。これまでを振り返ると、一番はこのようなうまくいかなかった経験が、自分たちを強くさせてくれたと思っています。この悔しい経験をしたからこそ強くなれたという未来に向かっていくためにも、一人ひとりの強い気持ちが大切です」

 すでに敗退が決まった中での最終戦は、モチベーションの設定など難しい状況でした。選手ミーティングを行ったところ、「勝ちたいという気持ちをみんなが声に出していたので、あの悔しさの中にもがんばりたいという気持ちがあり、それは向上心としてすごく良かったです。こういう経験が自分たちをすごく強くさせてくれると思っています」と髙田選手は期待し、ふたたび世界で輝くためのリスタートを切ります。