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男子日本代表:第1次強化合宿レポート「努力して来たことを継続できるのが自分の強さ」今村佳太選手

2023年6月22日

3ポイントシュートとフィジカルなディフェンスを武器とする八村阿蓮選手

日本一なるために続けてきた努力を自信に変える今村佳太選手

 男子日本代表は6月13日(火)より21日(水)までの期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第1次強化合宿を実施。9月23日(土)より中国・杭州にて開催される「第19回アジア競技大会」の選手選考をメインとしながらも、トム・ホーバスヘッドコーチは「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」(8月25日開幕/沖縄・フィリピン・インドネシア)に照準を合わせた強化となりました。

 今集中すべきは、8月25日(金)21:10にティップオフされるFIBAワールドカップ2023におけるドイツとの開幕戦。ホーバスヘッドコーチは「新しいディフェンスを試しています」「ディフェスリバウンドの確率はさらにステップアップしなければならず、この合宿でも強調しました」と話すとおり、アジア競技大会を目指すメンバーにも世界基準の強化を図っています。

 Bリーグを制した琉球ゴールデンキングスの今村佳太選手は、一番最後までシーズンを全うしました。「ファイナルが終わってからあまり時間がなく、この合宿にコンディションを合わせることがなかなか難しかったです」というのが本音です。

「しかし、招集していただいた以上は自分のベストを出したいと思って臨んでいました。日本代表に選ばれることが一番うれしいですが、そこに向けて少しでもチャレンジして、琉球で1シーズンを通して確立してきた自分の形というのを見せられれば良いと思っていました」

 日増しにコンディションが上がり、「ようやく自分の頭で思い描いているプレーと身体がマッチしてきました。本当に少しずつ良くなっていることを、今まで以上に感じられる合宿になりました。そこはすごく充実感があり、楽しいです」と話し、Bリーグを通して磨いてきた3ポイントシュートでアピールします。日本一の称号を得て臨む代表合宿は、これまでと違った気持ちで臨めていました。

「本当に大きな自信につながりました。優勝したから正解だったとか、優勝しなかったから間違っていたわけではありません。昨シーズンから優勝したい気持ちが強く、チームとしても個人としても目標に掲げて取り組んできました。それが優勝という結果として出たことで、これまで一生懸命努力してきたことを肯定させてくれるような、自信にしてくれるような結果になりました」

 2020年8月、フリオ・ラマスヘッドコーチ体制だった頃、先々を見据えてFIBAワールドカップ2023 重点強化選手が発表されました。今村選手をはじめ、今回の参加メンバーの名も見られ、その1人が八村阿蓮選手(群馬クレインサンダーズ)です。ラマス元ヘッドコーチに言われてきたアウトサイドプレーを磨いてきたことで、本格的にプロとなって迎えた今シーズンの3ポイントシュートは39/108本、36.1%の確率で成功。「僕の武器はやっぱり3ポイントシュートとフィジカルなディフェンス」と自信を持ってその強みを発揮します。

 はじめてホーバスヘッドコーチの合宿に参加し、「極端なバスケットだと思いました」という印象を持った八村選手。期待値の高いオフェンスが求められ、確率の高いゴール付近からのシュートまたは1.5倍と効率の良い3ポイントシュートの2分化されています。

「シュートセレクションも所属チームとは違いますが、逆に打ってはいけないことがほぼないです。空いたら3ポイントやレイアップシュートは積極的に打って行くバスケットなので、迷いなくプレーしやすい印象を受けています」

 男子U16日本代表からともに日の丸を背負って戦ってきた井上宗一郎選手( サンロッカーズ渋谷)は、先に挙げた2020年の重点強化選手の中にはいませんでした。しかし、今では男子日本代表に定着しています。同い年の仲間であり、ライバルの活躍に「高さがあって3ポイントシュートも打てるので、今のスタイルにフィットしています。彼のがんばっている姿を見て、すごく刺激を受けています」。しかし、八村選手は焦ることなく、「アジア競技大会メンバーに選ばれることを目指し、そこでどれだけ今の力が通用するかを試したいです。それによって、足りない部分や立ち位置がハッキリすると思います」と目の前の目標に向かっています。

 すでにFIBAワールドカップ2023へ向かう25名の男子日本代表候補選手が発表され、6月25日(日)から本格的な強化がスタートします。「この1週間で選手たちの雰囲気が変わって、良くなっています。みんな真面目に取り組み、FIBAワールドカップへ向けた気持ちが強く、集中力も高いです」とホーバスヘッドコーチは評価し、この中から数名が次の合宿にも招集されることを示唆しました。

 25名が発表されても、「まだまだトライアウトはあると思っています。候補メンバーが発表されたからといって、日本代表を目指さなくなるわけでもありません」と今村選手は話すとおり、チャンスはまだあります。

「努力して来たことを継続できるのが自分の強さにもなっています。自分が求められているプレーをまず徹底しながら、長所をアピールしていくことは続けていきたいです。そういうところをトムさんも見てくれていると思っているので、これからもアグレッシブに努力していきます」