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3×3男女日本代表:アジア競技大会 女子は準決勝進出。男子はベスト8敗退「自分たちは3×3を楽しみに来たんだ」伊森可琳選手

2023年9月30日

3x3を楽しみながら結果にもこだわる伊森華琳選手

これからのバスケキャリアを支える経験となったオヌ太郎選手

 「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」の3×3は残り2日。決勝トーナメントを迎え、予選2位通過の3×3男女日本代表は準々決勝進出決定戦からスタートします。男子はマカオに21-12、女子も22-14でホンコン・チャイナにいずれもKO勝利で初戦を突破。男女揃って、同日開催の準々決勝へと駒を進めました。

 いずれもシードで待つ予選1位チームへのチャレンジ。先に行われた女子は韓国と対戦。伊森可琳選手(富士通レッドウェーブ)はこれまでの対戦相手に比較し、「フィジカルにディフェンスをしてきたり、リバウンドも激しく獲りにきたりするところが違いました」とレベルの差を実感します。しかし、この試合へ向けて準備してきた、「ディフェンスをハードに行くこと、リバウンドで勝つこと。そして、やっぱり日本はスピードとアジリティで勝つという思いでこの試合に臨みました」と伊森選手は話し、5人制女子日本代表同様に日本の長所が優ります。19-16の接戦を制し、4強入りを決めました。

 男子準々決勝の相手はカタール。先制の2ポイントシュートを決めた下川拓海選手(日本体育大学 / 品川CC WILDCATS.EXE)は、「予選で敗れたイランに似たタイプ。さらにサイズがあって、能力もあるチーム」とカタールの印象を述べます。相手に対抗するためにも全員でボックスアウトし、リバウンドに絡んでこぼれたボールを拾って攻撃につなげる作戦でした。2点差がなかなか縮められない時間が続きます。粘りを見せましたがあと1本が遠く、逆にオフェンスリバウンドを12本許し、15-21で敗れた男子はベスト8で今大会を終えました。

 試合を重ねるごとに成長が見られていただけに、ここで敗退してしまった男子は非常に残念です。大会を終えてしまった今、下川選手は、「選手村で暮らしてみんなで過ごして、試合会場ではいろんな方々の尽力ですべてが整備されていました。また、様々な文化の人たちと交流できたことなど、全部が一生に一度できるかどうかの経験でした。今はまだ、具体的にハッキリしてはいませんが、今後の人生にとって絶対に生かすことができると思います。この大会に参加できて本当に良かったです」と大きな舞台で試合ができたとともに、それ以上の多くのものを吸収しました。はじめて3×3の試合に挑んだオヌ太郎選手(中央大学)にとっても、得られるものは多かったようです。

「自分自身の話ですが、これまでは経歴がなく、無名のままずっとバスケし続けてきたので、心の拠りどころのようなものがありませんでした。でも、今回3×3日本代表に呼んでいただいて、このような大きい舞台でプレーさせていただいたことで、自分にとっては心の拠りどころの一つになるような、すごくありがたい経験をさせていただきました。ありがとうございます」

 関東大学オータムリーグ真っ最中であり、帰国後は3×3での経験を生かして所属チームに還元することが、快く送り出してくれた仲間たちへの恩返しになります。

 準決勝進出を決めた女子は、明日10月1日(日)はラスト2ゲームが待っています。ネパールとの開幕戦から比較し、当然ながら成長を実感する選手たち。自分たちは3×3を楽しみに来たんだ、という思いを常に念頭に置いて、自分たちのゲームをして行こうと思うようになりました。この2日間は、すごく良い顔でプレーできていると思います」と伊森選手は話し、身体も心も充実しています。

 明日17:00より、FIBAランキング1位の中国と決勝進出をかけて戦います。このチームが始動したときから、その大きな壁に挑戦し、乗り越えることをイメージしてきました。目標はメダル獲得であり、「そこへ向かって、全員でひとつになってがんばりたいです。中国戦は今までとは全く違うゲーム展開になるとは思います。自分たちの強みを出し続けられるようにしていきたいです」と伊森選手は意気込みを語り、あと2試合を悔いのないように戦うだけです。