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男子U16日本代表:第1次強化合宿レポート「大きい選手をうまく使って良いパスが通った瞬間が楽しい」佐藤翔真選手

2025年6月28日

多岐に渡るプレーを求められる黒田健斗選手

ポイントガードで味方を生かす佐藤翔真選手

 今年4月に2度のエントリーキャンプを経て、15名の候補選手が選考された男子U16日本代表チームは6月23日〜27日に第1次強化合宿を実施。パスを多用してみんながボールタッチし、勇気を持ってペイントタッチもするアレハンドロ・マルティネスヘッドコーチが求めるスタイルを選手たちは把握し、コート上で表現します。「今合宿がはじまったときから良い動きをしており、さらに少しずつ良くなっていきました」とマルティネスヘッドコーチも満足のいく5日間でした。

 エントリーキャンプの時点では、「ボールを持ちすぎてあまりシェアできなかったですが、今回はボールをもらった後にドリブルを突くのは4〜5回までとヘッドコーチにも言われていたので、それをしっかり守ったことで良くなりました」と佐藤翔真選手(黒沢尻工業高校2年)はチーム力向上の要因を挙げます。所属チーム内では一番大きい188cmの佐藤選手はポイントガードを中心に、パワーフォワードまで任されるオールラウンダー。「自チームでは簡単にボールを運ぶことはできますが、代表に選ばれるような選手との練習では難しさもあります。越(圭司)や(櫻井)照大など良いガードがいるので、そこに食らいついていくことを意識していました」と仲間たちの良い部分を盗みながら切磋琢磨します。「大きい選手をうまく使って良いパスが通った瞬間が楽しいです」と所属チームでは味わえないような感覚に刺激も受けていました。

 黒田健斗選手(福岡大学附属大濠高校1年)もこれまでの活動を振り返り、「前回は1回目のエントリーキャンプに参加していない新たな選手も合流し、また1からはじめていく感じでした。そのためにこの合宿でも最初の方はお互いの意見がうまく噛み合わずに、プレーもずれたりしていました」と言います。それを解決するために、「しっかりとみんなでコミュニケーションを取り、意見も言い合いつつ尊重し合ったことでチームが良くなっていきました」と手応えを感じています。

 佐藤選手と身長がほぼ変わらない黒田選手は、「ハンドルする時はハンドルして、シュートを打つ時は打つ。インサイドでプレーすることもあり、シューター寄りのオールラウンダーとして何でもこなせるような役割」を任されています。多岐に渡るプレーを求められることで、「自チームではシュートを狙うときは狙って、行ける時は行って良い感じですが、このチームで対戦するのは国内にはほとんどいないような体格や身長の選手たちになります。味方を生かすプレーに特化して、パスを磨いて試合で生かしていけるようにしたいです」と話すとおり、多くの選手にとってプレーの幅を伸ばせる環境に身を投じています。

 合宿を終え、成田 靖アシスタントコーチは「前回と比べて、チームとして大きく成長した姿が見られました。しかし、チームに帰ればそれぞれ立ち位置や環境が違うと思います。もちろん所属チームが優先されますが、日本代表としてのプライドを持って過ごして欲しいです」と述べ、インターハイ後の8月に成長した選手たちとの再会を楽しみにしていました。

 9月にモンゴルで開催が予定されているFIBA U16アジアカップ2025ですが、まだ詳細は決まっていません。次回合宿の頃には日程や組み合わせが決まっているはずであり、「8月の合宿がはじまったときはゼロに戻るのではなく、今回のレベルからしっかりと積み上げられるようにしよう。次はディフェンスを増やし、オフェンスのスペシャルバージョンも作っておく。組み合わせが決まれば対策もでき、映像を見ながら練習もできる。勝つために何をすべきかを、次の合宿では伝えていきたい」とマルティネスヘッドコーチは選手たちへ伝え、世界を目指す強化は続きます。