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男子「ウィリアムズ・ジョーンズカップ」日本代表:第3次強化合宿レポート プロ経験あるコーチ陣が声を揃える「やっぱり基礎が大事」

2025年7月7日

小川伸也アシスタントコーチ「当たり前のことをいかに徹底さえるかが強化への近道」

町田洋介アシスタントコーチ「どの年代でも教わる基礎をより高めなければいけない」

 男子「ウィリアムズ・ジョーンズカップ」日本代表は7月4日から7日まで、第3次強化合宿を実施。前回合宿までの18名から14名に絞り、7月14日(月)から開幕する「第44回ウィリアム・ジョーンズカップ」へ向けてチーム力を高めました。

 松藤貴秋チームリーダーから松井康司テクニカルスタッフまでスタッフ陣はプロクラブに携わっていたり、元プロ選手だったりと豊富な経験の持ち主であり、網野友雄ヘッドコーチにとっても頼もしい仲間たちです。選手にとっては、多くのスタッフから多面的に見られ、的確なアドバイスを受けられるは贅沢な環境です。さらに隣では日本生命カップ2025へ向け、男子日本代表合宿同時期に行われていました。オフには男子日本代表スタッフ陣が練習会場へ訪れ、選手たちのモチベーションも必然的に高まります。男子日本代表とほぼ同じ練習メニューを課しているからこそ、トム・ホーバスヘッドコーチはその真意や求める強度などを選手たちに伝える機会もありました。

「フィジカリティのドリルはオフェンスがディフェンスにぶつかり、ディフェンスがしっかりフィジカルで負けないことが必要です。小さくてもフィジカルバスケはできます。日本の武器である速いペースで練習できていました。ゴール下で簡単にプレーしてしまっていたので、そこはステップアップが必要です。コミュニケーションも悪くなかったけど、もっと声を出して、良いエネルギーで取り組むのも日本のバスケ。他の国より上回っている部分を突き詰めていけば絶対に良くなります」

 合宿中は男子日本代表の練習を見学し、日本生命カップ2025でのオランダ戦を間近で感じながら、その差を埋める努力をしています。

 佐藤賢次アソシエイトコーチ(川崎ブレイブサンダース)は2016年まで、男子日本代表アシスタントコーチとして活躍。小川伸也アシスタントコーチ(千葉ジェッツ)と町田洋介アシスタントコーチ(仙台89ERS)は、はじめて日本代表コーチとして携わります。オファーを受けたとき、町田コーチは「日本代表の仕事ができることは名誉なことであり、誰でもできるわけではないので『ありがたかった』というのが1番大きかったです」。小川コーチも「千葉Jの方々にも背中を押され、喜んで来ました。同時に、日の丸を背負う覚悟や責任を持って来ました」と述べ、それぞれすぐに快諾し、情熱を持ってこれまでの経験や知識を注入しています。

 小川コーチは日頃から富樫勇樹選手や渡邊雄太選手、原修太選手ら日本代表選手が側におり、ホーバスヘッドコーチ率いる男子日本代表の練習を見たからこそ、「きちんと止まる、的確に判断できる、正しいボールの位置、しゃべるなど基礎がしっかりしています。練習を見学したあとには選手たちも、『やっぱり声の大きさに1番驚いた』と言ってました。その本当に基本的なことが1段上のレベルにいるのをすごく感じました。スキル的な判断やドリブルのタイミング、見ているところは正直言って格段に上であり、あの場にいるだけの理由があります」と現在地を知ることができたからこそ、的確なアプローチもできます。

 これまでも多くの若手選手を見てきた町田コーチは自身のプロ経験も踏まえて、「ファンダメンタルの重要性はどのカテゴリーに行ってもついてまわる話です。一つひとつの小さいことに質の高さを求め、それが男子日本代表選手たちはできていました。このチームは学生も多く、サイズも変わらない選手が揃っています。特に大きい選手はステップワークをはじめとした、どの年代でも教わる基礎をより高めなければいけないですし、コーチ陣とはキャンプを通してずっと言い続けています」と基礎の習慣づけを徹底していました。

 選手としてプロを経験し、今はコーチとしてプロ選手を育てるコーチ陣にとっても「やっぱり基礎が大事」と声を揃えます。男子日本代表でのホーバスヘッドコーチが、魔法をかけているわけではありません。男子日本代表のディベロップメントキャンプを見学した町田コーチの印象は、「本当にベーシックな練習でした。オフェンスを組み立てていくために、細かいファンダメンタルの集合体がもうコンセプトになっていました。どのカテゴリーでも必要であり、一気通貫の話です。そこをコーチとしては意識しなければならず、その大切さも再認識しました」と腑に落ちます。

 プロ選手やコーチとしていろんなヘッドコーチの下で学びを得て来た小川コーチだからこそ、「やっぱり基礎が1番大事だと身に染みて思いました」と話し、若い選手たちへその経験を惜しみなく伝えています。「今の彼らからすれば、『また同じことを言っているよ』と思うかもしれません。でも、いろんな世界を見てきた中で、やっぱり基礎が大事。ディフェンスで手を挙げる、声を出す、など当たり前のことをいかに徹底さえるかが強化への近道です」と述べ、ウィリアム・ジョーンズカップでは実戦を通してまだまだ伝えることがたくさんあります。

■第44回ウィリアム・ジョーンズカップ
開催地:チャイニーズ・タイペイ
試合日程(日本時間):
7月12日(土) 14:00 日本 vs バーレーン
7月13日(日) 14:00 日本 vs カタール
7月14日(月) 18:00 日本 vs フィリピン
7月16日(水) 16:00 日本 vs マレーシア
7月17日(木) 14:00 日本 vs アラブ首長国連邦
7月18日(金) 14:00 日本 vs オーストラリア
7月19日(土) 18:00 日本 vs チャイニーズ・タイペイ B
7月20日(日) 20:00 日本 vs チャイニーズ・タイペイ A