公益財団法人日本バスケットボール協会

　7月12日(土)から開幕する「第44回ウィリアム・ジョーンズカップ」（以下ジョーンズカップ）へ向け、日本を発った男子「ウィリアムズ・ジョーンズカップ」日本代表チーム。高校生からBリーグの若手までカテゴリーを越えた集団であり、「チームワークの構築もゼロからのスタートでした」と合宿当初はキャプテンの黒川虎徹選手（アルティーリ千葉）も苦労しました。昨年よりひとつ多い合宿を行ったことで、「年代を超えたコミュニケーションは良くなっており、練習を見ていてもそれは感じます。特に虎徹や脇（真大）などBリーグの選手たちがリーダーシップを発揮してくれています。それに影響されながら、学生たちも段々と遠慮せずにプレーしている姿が日に日に増していました」と網野友雄ヘッドコーチも評価します。

　同時期に隣で合宿を行っていた男子日本代表トップチームの影響も少なからずありました。黒川選手は、「人それぞれ感じ方は違うと思いますが、今回の男子日本代表には同世代のメンバーが入っいるからこそ、全員にとって刺激になっていると思います」と述べます。選手だけではなく、コーチ陣もトップチームに近づけるために発破をかけます。佐藤賢次アソシエイトコーチは、「パスの位置が悪かったことで遅れる0.5秒によって、相手ディフェンスはクローズアウトに来る。目線や強さ、どこに出すかなどがすごく大事であり、本当に細かいところにこだわって欲しい」と練習中にアドバイスを送ります。日本のスピードをさらに速くするために、パスの質を高める練習は男女すべてのカテゴリーにおいて取り組まれています。

　そのスピードと3ポイントシュートともに日本の武器として磨きをかけているのが、「ジャンプストップ」です。網野ヘッドコーチは「このチームの選手たちが今までイメージしているよりも、もう2つほど先を読んでシュートできるのがトップチームです。現状は1つ先を読んでパスを回し、合わせているのがこの世代の選手たちです」と身長でも劣るこのチームの選手たちに対し、しつこさと粘り強さを求めています。

　今年2月のディベロップメントキャンプに招集された広瀬洸生選手（青山学院大学）も、このチームの最終ロスターに選ばれました。この環境に身を置き、「Bリーグの選手たちはチャンピオンシップに出場したり、チームでも活躍したりするメンバーがいます。特に脇さんとはポジションが同じなので、オフボールではどう動いているか、ドライブで切り込むプレーなど多くのことを勉強させていただいています」とステップアップにつなげます。「ドライブをメインとしながら3ポイントシュートを打つこと」が広瀬選手の役割です。ジョーンズカップでは存分にその武器を発揮し、「これから自分が成長していくための課題を明確にするためにも、積極的に挑戦していきたいです」と意欲を見せます。

　ジョーンズカップへ向けたテーマについて、網野ヘッドコーチは「明確に勝利という成果をまずは追い求めていきます。昨年はハーパー選手（ジャン・ローレンス・ハーパージュニア）がこの大会に出場し、そして男子日本代表へ引き上げられました。今年もこの中から一人でも多くの選手が男子日本代表合宿に呼ばれて、成果を出して、トップチームのユニフォームを着ることが大きな目的です」と話します。学生選抜チームを含め、3年連続ジョーンズカップへ向かう黒川選手は、「今年の目標は勝ち越すだけではなく、本当に優勝を狙いたいですし、それが自分たちの証明にもなります。みんなが男子日本代表トップチームを目指しているからこそ、今大会を踏み台にしてステップアップできるチャンスだと捉えているからこそ、優勝を目指します」と結果を求め、9日間で8試合のタフな大会に挑みます。

■第44回ウィリアム・ジョーンズカップ
開催地：チャイニーズ・タイペイ
試合日程（日本時間）：
7月12日(土) 14:00 日本 vs バーレーン
7月13日(日) 14:00 日本 vs カタール
7月14日(月) 18:00 日本 vs フィリピン
7月16日(水) 16:00 日本 vs マレーシア
7月17日(木) 14:00 日本 vs アラブ首長国連邦
7月18日(金) 14:00 日本 vs オーストラリア
7月19日(土) 18:00 日本 vs チャイニーズ・タイペイ B
7月20日(日) 20:00 日本 vs チャイニーズ・タイペイ A