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FIBA女子アジアカップ2025[決勝]日本 79-88 オーストラリア:今後が楽しみな準優勝。田中こころ選手はオールスターファイブ受賞
2025年7月21日

未来へのポテンシャルを感じる準優勝

田中こころ選手はオールスターファイブ受賞。プレゼンターは元日本代表の大神雄子さん
「FIBA女子アジアカップ2025」は最終日。女子日本代表は2003年から7大会連続の決勝へ進み、5連覇した後の前回大会に逃した王座奪還へ挑みました。今大会で唯一、黒星を喫したオーストラリアとの決勝戦。試合巧者の相手に主導権を握られ、最大16点差でリードされ続けます。第4クォーター、#52 宮澤夕貴選手(富士通 レッドウェーブ)と#8 髙田真希選手(デンソー アイリス)が連続して3ポイントシュートを決め、残り7分26秒に70-70と追いつきます。しかし、日本はミスやもう一本シュートが入らずに79-88で敗れ、2大会連続準優勝に終わりました。
ゲームハイの21点を挙げ、平均14.8点でチームを勢いづけた最年少19歳の#26 田中こころ選手(ENEOSサンフラワーズ)は、オールスターファイブを受賞。「チームメイトや思いきってプレーして良いと背中を押してくれたスタッフのおかげです。私ひとりだけではなく、チーム全員で取った賞だと思っています」とその重みを噛み締めます。
王座奪還の目標に届かず、「同点まで追い上げることはできましたが、あと一歩のところで勝ち切れなかったので、すごく悔しいです。良い判断ができなかったり、連携ミスがあったり、相手がやりたいプレーは分かっていましたがそこを止められなかったり、集中力に欠けてしまうところがありました。劣勢になった時の判断がまだまだ足りていなかったです」と髙田キャプテンは述べ、オーストラリアとの差を感じる結果でした。宮澤選手も「最後にどこで打破していたかと言えば、オフェンスは個になっていました」と課題が残ります。しかし、それらもすべてを伸びしろと捉え、準優勝の結果に対して誰も下を向いていません。
コーリー・ゲインズヘッドコーチは新体制となってからの短期間で、「オフェンスもディフェンスも新しいことを試み、選手たちにとってはたくさんの情報を吸収し、実戦で遂行するのも難しい状況でしたが一生懸命取り組んでくれました。だからこそ細かい部分での改善点も見え、それは時間が解決してくれます。今日まで全力を尽くしてくれた選手たちを誇りに思います」と方向性を示すことはできました。
“コーリーJAPAN”として初めての大会を終え、髙田選手は「いろんな戦術を実戦で試したことで、どれが自分たちに合っているかが理解できました。選手同士のコミュニケーションも試合毎に増えていき、それぞれ何をしたいかが明確になってきたことが良かったです。みんながチャレンジしたことで得られたものも多く、一人ひとりに自信がついたことが大きな収穫でした」と手応えを感じています。宮澤選手も「若いチームですし、個々の選手もまだまだ伸びしろがあると感じています。選手次第でいくらでも成長できるチームです。今後はWリーグで切磋琢磨し、それぞれ成長した選手が次に集まったときに、また一回りも二回りも大きくなるチームだと感じました」と期待を抱いていました。
女子日本代表に初選出され、先発ポイントガードとしてコートに立った田中選手。「結果は悔しいですけど、個人的には本当に良い経験をさせてもらいました。予選の3試合は本当にしんどくて、悩むこともありました。でも、先輩方が私を信じ続けてパスを集めてくれて、自分が思いきってプレーできたことが成長につながりました。結果的には2位でしたが、これ以上にない経験をすることができました」と総括した今大会の活躍は、しっかりとスタッツに記録されています。
ゲインズヘッドコーチは試合中もコート外でも田中選手と向き合い、いろんな話をしてきました。「実戦経験を積みながら成長していくしかなかったです。19歳に先発ポイントガードを任せ、このチームの中で一番難しい仕事を与えました。はじめての日本代表で、こんなにも大きな舞台でプレーするからこそ、まずは自分を信じなさい。私自身はあなたを信頼している、と伝えたところ、彼女は前向きに話を聞き、そこから切り替えてコートで表現しはじめてくれました」と目の前で急成長する姿に目を細めます。田中選手だけではなく、「短期間で成長した姿を全員が見せてくれたからこそ、来年のFIBAワールドカップへ向けてもっともっと成長できることを期待させてくれる大会でした。オーストラリア同様に、これから強化を重ねて行き、チームとして一体感が出てくれば本当に強くなります。今後の成長が楽しみで仕方ありません」とゲインズヘッドコーチは言うとおり、世界からもう一度リスペクトを勝ち獲る挑戦はまだはじまったばかりです。
優勝したオーストラリアは、来年2026年にドイツで開催されるFIBA女子ワールドカップ2026への出場権獲得。準優勝の日本は本戦への切符を懸け、来年3月に予定されている世界予選に挑みます。ゲインズヘッドコーチは、「会場でも日本からもたくさんのご声援ありがとうございました。優勝できず、本当に悔しい結果は申し訳なく感じています。しかし、今後の女子日本代表にぜひご期待ください。さらにエキサイティングなバスケをお見せできるようにします」と感謝の言葉を述べ、今後もベテランと若手を融合させより良いチームを作っていきます。
■FIBA女子アジアカップ2025 最終結果
優 勝:オーストラリア(初)
準優勝:日本
第3位:中国
第4位:韓国
第5位:ニュージーランド
第6位:フィリピン
第7位:レバノン
第8位:インドネシア
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