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2019年度 U14 ナショナル育成センター (女子) 第3回キャンプ 開催報告

2020年1月15日

選手たちにキャンプやドリルの意図を伝える萩原コーチ

第 1 回から一貫して取り組んだ1対1からのフィニッシュプレー

 12月 6 日 (金)~8 日 (日) の期間、味の素ナショナルトレーニングセンター (東京都北区) で「2019年度 U14 ナショナル育成センター」の女子第 3 回キャンプが行われました。今年度の U14 女子としては最終回となる今回は、前回の20名からケガ等による辞退者を除いた13名に絞られて行われましたが、選手たちは最後まで元気に練習や各講習に取り組んでいました。

 練習ではキャンプ全体を通したテーマが「1 対 1 のレベルを上げる」だったこともあり、初日はこれまでの総復習として 1 対 1 での「フィニッシュドリル」や「コンタクトドリル」に取り組み、さらに人数を増やして「ドライブからの合わせ」などを行いました。2 日目以降はそれらにディフェンスをつけたり、動く範囲を広げるなどして、最終的にはオールコートでの 4 対 4 まで発展させていきました。その狙いを萩原美樹子コーチはこう話します。
「基本的に今回のメンバーで国際大会に参加するなど、何かゲームを行うわけではありません。であれば、5 人に近い状態で、スペーシングを取りやすく、バスケットがわかりやすく、それでいてゲームに近い形となると 4 対 4 を中心にキャンプを組み立てようと考えました」

 日本の女子はカテゴリーを問わず「ドライブ&リアクション」や「ファストブレイク」がオフェンスの軸になります。それらを実践するうえで一番の課題が「1 対 1 でのフィニッシュ」であり、「オフボールマンのリアクションと、正確なパスの供給」になります。それをゲームライクに行うために 4 対 4 をキャンプの最終目的地に選んだというわけです。

 フィニッシュドリルは第 1 回キャンプから一貫して取り組んできましたが、当初レイバックシュートなどもままならなかった選手たちが、今回のキャンプでは 1 対 1 ドリルのなかでもレイバックシュートを取り入れるなど、成果が見られました。萩原コーチは「自チームに戻って、練習したのではないか」と推測しますが、まさにそのとおりでした。
 西田美咲選手 (福島・郡山第三中学 2 年) は「最初のころは萩原コーチの言っていることができなかったんですけど、チームに戻ったときにできなかったところを練習して、できるようになったので、2 回目、3 回目とキャンプに呼ばれてよかったです」と言います。
 キャンプで教わったことを、できるかどうかではなく、とにかく実践してみようとキャンプ中だけでなく自チームに戻ってからも取り組み、その姿勢や成果が見られる選手が最終選考を通過した選手たちのようです。

 西田選手はまた、コンタクトプレーが苦手だと認めたうえで、それも自チームでできる限り練習をして、少しは改善できたのではないかと振り返ります。最終キャンプも「選ばれたからには自覚と責任をもって臨むことが大事だと思ったし、チームでもキャプテンなので責任をもってやるようにしています」と意識の高さを示してくれました。

 清水瑠莉選手 (茨城・下妻市立下妻中学 2 年) も 3 回のキャンプを充実したものだったと振り返ります。
「最初は緊張して思うようなプレーができませんでしたが、だんだん慣れてきて、2 回目からは自分の得意な 3 ポイントシュートを生かせるようになってきました。キャンプに参加した仲間ともたくさんコミュニケーションが取れて、いいキャンプでした」
 そして今後についても話してくれました。
「自チームに戻ったときにみんなに教えられるよう、キャンプで教わったことをしっかりと覚えて、より自分たちのいいところを引き出せるように頑張りたいです」

 今年度のキャンプはこれで全日程が終了しました。しかしこれが彼女たちの終着点ではありません。来年度は自チームで最上級生になりますし、今後世界で戦っていこうと思えば、まだまだ課題も多い選手たちです。萩原コーチは最後のこんなメッセージを、彼女たちだけでなく、すべての U14 世代の選手たちに送ります。
「取り組んでほしいのはコンタクトプレーです。どうしても日本国内だと必要としないプレーになっていますが、だからといって、やらなくていい技術ではありません。国内でもコンタクトができたほうがいいし、世界基準で考えるとコンタクトの強い選手は間違いなくいい選手だと言えます。国内でその意識を保つのは難しいとは思いますが、バスケット選手として必要なことと考えて、ボックスアウトなどでしっかりとコンタクトプレーを継続して取り組んでほしいです」

 世界基準を常に意識しながら練習に取り組むことで、選手たちの未来はより明るいものになっていくはずです。



※キャンプの様子は、フォトギャラリーをご参照ください。