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2019年度 ジュニアユースアカデミー (男子) 第2回キャンプ 開催報告

2020年1月16日

ドリルを中断し、ロイブルコーチからポイントの説明を聞く

チームではビッグマンの参加者だが、今キャンプでは将来を見据えたアウトサイドのスキルを学んだ

 12月13日 (金)~15日 (日) の 3 日間、味の素ナショナルトレーニングセンター (東京都北区) で「2019年度ジュニアユースアカデミー」の男子第 2 回キャンプが開催されました。同キャンプは「U15 ナショナル育成センター (男子)」同様に、10月に発生した台風19号による日程順延の影響もあって、今回が最終回となります。

 同世代のナショナル育成センターとは異なり、年齢別に身長の下限を設けて行われる同キャンプ (男子) は「個人スキルの向上」を第一目的に掲げて行われています。今回もコーディネーショントレーニングを取り入れたファンダメンタルの向上、1 対 1 のスキルアップ、特に自チームではインサイドでプレーすることの多い選手たちにアウトサイドからのプレーを身につけてほしいと、練習を重ねました。今回のキャンプでは「アウトサイドゲームをより理解するためのツールとして最適な 3×3 を取り入れました」とトステン・ロイブルコーチ。競争の中でファンダメンタルをより向上させようと考えたようです。

 キャンプを終え、ロイブルコーチは「うまくいったと思います。選手たちもアウトサイドゲームを少し理解してきました。ペネトレイトも強くなるなど、練習もスムーズにできていました」と振り返ります。

 選手たちの手応えも上々のようで、首藤 怜選手 (宮城・仙台市立長町中学校 3 年) は「普段、自分より大きい選手と戦う機会があまりないので、すごくいい経験になりました。特にフィニッシュの仕方……腕をしっかり伸ばすとか、高く飛ぶといったことをより意識できるようになりました」と言います。またディフェンスでも、ボールの位置によって適切なポジションにつくことの重要性を学べたとのことです。
「高校に進んだら、県だけでなく、日本を代表する選手になりたいと思います」

 大西海斗選手 (兵庫・甲南高等学校 2 年) はこのキャンプの最年長組の一人です。彼もまた自チームに大きい選手がいないため、対ビッグマンの練習があまりできないと言います。同県の強豪校には留学生のビッグマンなどもいるため、彼らに対抗する方法を求めてキャンプに応募してきました。

 キャンプではアウトサイドゲームを学びましたが「ピック & ダイブで、ピックを使う側に回ってみてパスの難しさを学ぶことができました。大きい選手たちと練習することで、いつもどおりのプレーではブロックされてしまうので、スピードで攻めたり、細かいドリブルを使って、キックアウトパスを出すなど、これからの目標が見えてきました」と新たな視点を得たと語ります。

 世界的な視点で見れば、190cm台は決してビッグマンではありません。大西選手の197cmが今キャンプの最高身長ですが、彼らもまたアウトサイドゲームの力が求められていきます。
 ロイブルコーチは U15 ナショナル育成センター同様に、このキャンプで学んだことを日々の練習に取り入れることが重要だと言います。
「特にジュニアユースアカデミーの選手と、U15 ナショナル育成センターとの大きな差はコーディネーション能力にあります。トップレベルのコーディネーション能力を身につけるのは難しいことですが、一方でそれは自分の努力で身につけることもできるものです。特に彼らは身長という大きな武器があります。これは私たちコーチにも絶対に教えられないものです。それを生かすように、キャンプでやったドリルを毎日の練習にも取り入れてほしいと思います」

 キャンプは彼らにとってまだ始まりにすぎず、ここからの努力で成長の幅は変わっていきます。そのことを改めて学んだ今年度のジュニアユースアカデミーでした。



※キャンプの様子は、フォトギャラリーをご参照ください。