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平成29年度女子日本代表チーム 第3次強化合宿 開催報告 -5月24日よりヨーロッパ遠征へ出発-

2017年5月25日

惜しげも無くNBAなどアメリカ最前線で実用されるオフェンスを伝授するコーリー・ゲインズ アドバイザリーコーチ

アメリカ遠征では3Pシュートを確率良く決め、シューターとして期待される近藤 楓選手(トヨタ自動車 アンテロープス)

 「AKATSUKI FIVE」平成29年度バスケットボール女子日本代表チームは、5月18日(木)~23日(火)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、第3次強化合宿を実施しました。
 NBAのニューヨーク・ニックスのアシスタントコーチであるコーリー・ゲインズ氏がアドバイザリーコーチとして来日し、今合宿中はオフェンスに重点を置き、様々なフォーメーションを伝授してくれました。

 トム・ホーバス ヘッドコーチも「昔からファストブレイクオフェンスを教えるのが得意であり、僕自身もいつも新しいプレイを学んでいます」と言うように、アメリカ最前線で実用されているオフェンスを惜しげもなく披露。「日本はサイズがないので、アップテンポなバスケットを植えつけたいです。速いペースでスペースを取りながら戦う方法が必要です」とゲインズアドバイザリーコーチは日本のスタイルに合ったシステムを指導しています。

 司令塔の吉田 亜沙美キャプテン(JX-ENEOSサンフラワーズ)は、「早くみんなが理解し、ディフェンスを見ながら判断をして臨機応変に対応できるようにならなければなりません。コーリーコーチの教えてくれるこの動きを理解できれば攻めやすくなると思います。スペースが空くので1on1がしやくすくなり、そこを攻めていければ良いので明確です」と日本代表のレベルアップにつながる確信は得ているようです。

 昨年のリオデジャネイロオリンピックでの女子日本代表チームの活躍を、アメリカで見ていたゲインズアドバイザリーコーチ。その当時の状況をこのように話してくれました。
「ちょうどニックスのコーチとして仕事をしていた時であり、ロサンゼルスでワークアウトをしていました。アメリカ戦はテレビで放送されており、練習場からの帰り道の途中にあるレストランに入ったら、その試合が流れていました。もちろんアメリカなので、私はこっそり日本を応援していました。しかし試合が進むにつれて、そこに居合わせたアメリカ人の半分くらいが、日本を応援し始めました。日本の選手たちが一生懸命プレイしている姿を見たアメリカ人がすごくリスペクトをして、応援し出していたのです。あの試合はアメリカの勝利をみんな確信して見ていたはずです。でも、日本が一生懸命にプレイし、前半はアメリカを追い込んでいる活躍を見せたことで心境が変化し、アメリカ人からもリスペクトを得られたわけです。素晴らしい戦いでした」

 リオでは相手チームを驚かす活躍ができましたが、「次は必ず警戒してきます。だからこそ、毎回しっかりと自分たちのバスケットボールを出せるようにしていかなければなりません。リオに向けて築き始めた日本のスタイルを、その後の4年間の過程で積み上げていけば、しっかりとした準備はできます」とゲインズアドバイザリーコーチも2020年東京オリンピックでのさらなる飛躍を期待しています。

 ゲインズアドバイザリーコーチに伝授されたオフェンスと、ホーバスヘッドコーチが強化してきたディフェンスを組み合わせ、各国代表と対戦するヨーロッパ遠征へ、5月24日(水)に女子日本代表チームは旅立ちました。今年はシューターを担う近藤 楓選手(トヨタ自動車 アンテロープス)は、「昨年は初選出ということもあり、何も失うことはない状況で思い切りよくできていました。でも今は、練習中にスタートで出させてもらっていることで、少し気負ってしまっていたり、考えすぎてしまっている部分があります。1回リセットして、自分の役割はシュートなので空いたら打つということを意識し、しっかり決めてアピールしてきます」と意気込みを語っていました。

 7月に開催される「FIBA女子アジアカップ2017」のメンバーがかかった重要なヨーロッパ遠征。ホーバスヘッドコーチも、「12名に残るためにもみんな必死にやらなければならないです。みんな頑張っており、まだまだ誰になるか分かりません。だからこそヨーロッパ遠征が大事です」と発破をかけています。

 ヨーロッパ遠征は6月13日(火)まで3カ国をまわり、スペイン代表やカナダ代表、セルビア代表など、FIBAランキング上位チームを相手に練習試合が予定されています。